トータルリターンとは
投資信託は、つみたてNISAやiDeCo、確定拠出年金の制度で中心となっている金融商品です。その投資信託の“儲け”は何か知っていますか? 株式投資の場合、株価が買ったときより高くなったらその分が儲けになります(手数料や税金は除く)。投資信託の場合、株価に当たる価格のことを「基準価額」と呼んでいます。この基準価額が買ったときより高くなっていればその分が儲けとなります。
投資信託は運用をプロに任せる金融商品ですから、選ぶときにはその運用成績をチェックしますが、どれだけ儲けたかを表す運用成績のことをトータルリターンと呼んでいます。
トータルリターンの例
トータルリターンは値上がり益・分配金・費用などを含めて一定期間にどれだけ値上がりもしくは値下がりしたかを年率で表します。たとえば100万円で買った投資信託が5年間で30万円増えて130万円になりました。これを年率に直すと約5.4%の複利で増えたことになります。この数字がトータルリターンで、数値が大きいほど儲けが多かった投資信託ということになります。
トータルリターンをチェック
トータルリターンの数字はあくまで過去の実績ですから、今後も同じ成績になるとはいえません。しかし、どの投資信託に自分の虎の子を託すかを決めるためには過去の成績は重要な役割を果たします。たとえば学習塾を選ぶときに過去にどれくらい有名校への合格者を出しているかをチェックするのと同じ感じです。
トータルリターンは投資信託の情報サイトで確認できます。auカブコム証券の場合、個別のファンド情報画面の「パフォーマンス」という欄で確認できます。
期間は1年、3年、5年、10年とありますが、長期間にわたり安定して良い成績を出している方が今後も期待できる可能性が高いと思われるので、少なくても3年以上の数値を参考にするとよいでしょう。
執筆者:石川英彦
金融デザイン株式会社 代表取締役
愛知県生まれ。南山大学経営学部卒業後、北米大陸をオートバイで周遊。帰国後、保険代理店の手伝いをしたことで金融の世界を知る。その“奇妙”な世界に疑問を感じ「お金に関する情報形成」「売り手と買い手がハッピーになる金融コンテンツづくり」をミッションとした、株式会社マネーライフナビを設立(1996年)。FP(ファイナンシャルプランナー)の実務をこなしながら多数の金融コンテンツ制作を手がける。2017年9月に社名を金融デザイン株式会社に変更。インフォグラフィックスやウェブのデザインまで領域を広げる。持ち味マネーカード(お金占い®)を武器に、失敗しないためのお金の知恵を学ぶ「お金の知恵アカデミー」を展開中。