ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)とは
ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)とは、進学や就職といった子どもの将来のための資産形成を目的として2016年度から始まった未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。
未成年者(0~19歳)を対象に、年間80万円分の非課税投資枠が設定され、上場株式、株式投資信託等の配当や譲渡益などが、投資した年から最長5年間非課税となります。
この制度は、子どもの将来のために中長期的な資産形成を促す目的があり、基本的には18歳まで払い出しができないという制限がありました。18歳になるまでに払い出しを行う場合は、災害等のやむを得ない場合を除き、過去に非課税となっていた配当や譲渡益などに対して課税されてしまいます。
そのため、予定外の出費も想定される子ども用の資金としては使い勝手が悪かったのです。
この払い出し制限があるためか、利用実績が伸びず、2023年12月31日で新規の口座開設を終了することが決まりました。
制度終了により払い出し制限がなくなり自由度が高くなる!
制度終了が決まったことで、2024年1月1日以後は新たな資金を投資することはできなくなりますが、18歳までは払い出しができないという制限もなくなります。
令和2年度税制大綱によれば、「課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができる」となっています。つまり、2024年以降は、ジュニアNISA口座や課税未成年者口座(下図の「払い出し制限付き課税口座」)から払い出しをする際に、ジュニアNISA口座内で生じた過去の利益に対してはさかのぼって課税されることなく、必要な時期に払い出しができる見込みになりました。(※)
※ただし、一部だけ払い出すことができるのかなど、具体的な払い出し方法は未定です。
また、非課税期間の5年間終了後も保有を続けたい場合は、「継続管理勘定」に移管することで、20歳まで非課税期間を継続することもできます。
<今年4歳の子どもがジュニアNISAを利用するケース>
ジュニアNISAは、教育資金の一部を運用するために利用してもよいですし、そのまま子どもに引き継ぐ資産として利用することもできます。今年から始めても320万円分の資金を非課税で運用することができますので、検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、投資をする場合は、リスクを伴いますので、資産全体を見て無理のない範囲で上手に制度を活用しましょう。
秋山友美
湘南・藤沢・茅ヶ崎の家計コーチ代表。
2005年よりファイナンシャルプランナーとしての活動を開始。
湘南に相談室を構え、20代から80代までの幅広い世帯に家計のアドバイスをおこなう。特に子育て世帯からの相談が多く、コーチングスキルも活かして女性の働き方や子育てなど総合的に相談にも乗っている。
家計相談、住宅購入相談、教育資金プランニング、退職後の人生設計、資産形成、保険見直しなど地域密着型の情報提供、アドバイスをしている。
男女共同参画センターや市町村主催の講座依頼が多数あり、家計管理やライフプラン、人生100年時代の資産形成、キャッシュレス決済などのテーマで講師としても活動中。また、地域情報誌にて「家計簿コーチング」連載中。
<保有資格>
CFP®(日本FP協会認定)(財)生涯学習開発財団認定コーチ
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)