コロナ禍でも金は強かった?理由と投資方法 コロナ禍でも金は強かった?理由と投資方法

コロナ禍でも金は強かった?理由と投資方法

有事の金だけじゃない、金が注目される理由

金へ投資をしたことはありますか? 比較的知られている金投資は純金積立です。また、金貨や金の延べ棒、金のネックレスといった現物を資産として持つこともできます。
金は現物があるので株式や債券のように紙切れになってしまうことはないため、世界共通の資産として安心感があり価値あるものとされています。したがって、戦争や紛争、今回の新型コロナウイルス感染拡大による急激な景気後退などで経済が混乱すると、株よりも金の人気が高まり、金の価格が上昇するのです。

<新型コロナウイルス感染症拡大時の金へ投資するファンドと株価指数TOPIX連動型ファンドの値動き>

新型コロナウイルス感染症拡大時の金へ投資するファンドと株価指数TOPIX連動型ファンドの値動き

データ出所:auカブコム証券

グラフは、国内取引所の金価格に連動する純金上場信託を主な投資対象としたファンドと、日本の株価指数の一つであるTOPIXの動きに連動するファンドの2020年1月から2020年7月までの基準価額の推移です。

一般的に、金価格は株価や米ドルと逆相関の関係にあるとされています。
このグラフを見ると、金へ投資するファンドはコロナウイルスのリスクが高まった2月に一旦高値を付け、2020年3月に大きく下落するものの、V字回復で下落前の価格付近まで戻り、その後も上昇を続けました。
一方、TOPIXのファンドは金ファンドとは逆に2月にどんどん大きく下落していき同じく3月に安値をつけて上昇に転じたものの、その後の回復のスピードは金へ投資するファンドに比べると緩やかで、下落前の価格まではまだ達していません。
2月のグラフからは未知のウイルスの蔓延によって世界的に有事ムードが高まり、株式市場が不安定な動きを見せるようになると、安全資産としての金に注目が集まったことで金投資の人気が高まっているとは言えそうですが、しかしながら今回のコロナ禍相場では、3月から株価も上昇し金相場も上昇しています。セオリー通りなら株高になれば安全資産とされる金の魅力は薄れ、価格も下落するはずです。
この背景は世界的な金融緩和による低金利政策で、各国が金利の引き下げと資金供給という大規模な金融緩和政策を打ち出したことで、金利の付かない資産である金の投資妙味が増し、金が代替資産として見直されていると言えそうです。また、まだまだコロナウイルスの経済的影響は今後も予想され、第2波への懸念も残っています。このような株式相場の不透明感の強さが、金への投資人気を後押ししているのかもしれません。

金へ投資する方法は?

金へ投資する方法には、純金積立や現物購入のほか、投資信託を利用する方法もあります。

<純金積立>
毎月一定額の金を購入し続けるもので、毎月1,000円からなど手頃な金額ではじめられます。一定の量に達すると地金や金貨にすることもできるので普通の投資とはちょっと違った楽しみ方ができます。

<現物購入>
金の延べ棒やネックレス、指輪などの装飾品、金地金や金貨があります。所有して楽しむことができますが、管理や保管の手間がかかり、盗難にあうリスクもあります。

<投資信託>
金の現物に投資する上場信託(ETF)や、それら上場投資信託に投資する一般的な投資信託があります。現物を受け取ることはできませんが、ほかの投資信託と一緒に管理・運用ができます。ETFであれば株式のように売買のタイミングを考えながら市場で取引ができますし、一般的な投資信託であれば少額からのつみたて投資ができます。

思いもよらない有事はまたいつか起こり得ます。自分の資産のポートフォリオの一部として、金投資も資産運用に取り入れてみてはいかがでしょうか。

執筆者:石川英彦

執筆者:石川英彦


金融デザイン株式会社 代表取締役
愛知県生まれ。南山大学経営学部卒業後、北米大陸をオートバイで周遊。帰国後、保険代理店の手伝いをしたことで金融の世界を知る。その“奇妙”な世界に疑問を感じ「お金に関する情報形成」「売り手と買い手がハッピーになる金融コンテンツづくり」をミッションとした、株式会社マネーライフナビを設立(1996年)。FP(ファイナンシャルプランナー)の実務をこなしながら多数の金融コンテンツ制作を手がける。2017年9月に社名を金融デザイン株式会社に変更。インフォグラフィックスやウェブのデザインまで領域を広げる。持ち味マネーカード(お金占い®)を武器に、失敗しないためのお金の知恵を学ぶ「お金の知恵アカデミー」を展開中。

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