2020年の注目テーマは?
昨年に続き波乱の幕開けとなった2020年ですが、足元では落ち着きを取り戻してきたようです。米・イランの対立もお互いデットラインは越えないように探っている感があり、一旦深刻化は避けられました。また、昨年から予定されていた通り、米中貿易交渉の第一弾合意が1/15にまとまったことにより、日経平均株価は24,000円を回復し株式市場は上値を追う展開となっております。
足元では中小型株の動きも活発になっており、新興市場やテーマ株に注目している投資家の方も多いのではないでしょうか。
そこでこの連載では、今年注目される投資テーマに関連する銘柄を紹介したいと思います。
第一回となる今回は、数年にわたり注目されているテーマである5Gを取り上げます。
5Gとは?
5Gとは5th Generationの略であり、第5世代の移動通信システムのことです。現在主に使われている通信システムは4Gと呼ばれる第4世代のシステムです。みなさんがスマートフォンで動画を見たり、写真を短い時間でSNSに投稿したりできるのはこの4Gの通信システムが3Gに比べて格段に早くなったからです。
さらに5Gは4Gに比べて、一般的には100倍のスピードが出るといわれています。
主な特徴は以下の通りです。
・高速・大容量 約100倍
・低遅延 約10分の1
・同時他接続 約100倍
高速大容量での通信が可能であるため、映画一本のダウンロードが数秒で完了するようです。
自動運転にも5Gは必須です。自動車は高速で移動しているため、わずかな遅延でも事故につながります。5Gにより低遅延の通信が実現すれば、自動運転の実用化にもつながるでしょう。工場の自動化(ファクトリーオートメーション)も低遅延の通信が無ければ実現できないといわれています。また、昨今話題になったのはグーグルのクラウド型ゲームの参入でしたが、これも5Gの低遅延を見据えてのことです。
一般的にはあまり関係ないように思える同時他接続もIOT機器が多用される社会を想像すると無くてはならない特徴といえるでしょう。
さらには軍需、サイバーセキュリティ、人工知能(AI)等々、第4次産業革命やソサエティ5.0、インダストリー4.0 といわれている今後の大きなテクノジーの進化は全てこの5Gのインフラがあればこそ成り立つものです。
総務省動画チャンネル:【イメージムービー】Connect future ~5Gでつながる世界~(1分ver)
5Gの技術覇権を握った国が次世代の覇権国家になるとも言われており、米中の対立の遠因にもなっています。(米市場からファーエイ(中)排除等)
日本では2020年から商用化スタート
5Gはまだまだ、幅広い普及には数年かかるといわれておりますが、2019年に米国、韓国、中国でサービスが開始しています。日本では2020年からサービス開始を予定しており、また秋に発売される新型iPhoneは5G対応になるのではないかと噂されています。
まさに2020年は5G元年といえるでしょう。
株式市場では昨年から関連銘柄に物色が向かっていました、今年も引き続き注目のテーマといえます。
今回はauカブコム証券のテーマ株アプリ、PICK UP!株テーマの「5G」から
・関連度「強」の銘柄選定
・当社の銘柄分析ツール「株スコア」
にて企業スコア総合のスコアが高い順位ランキング結果は以下のようになりました。
■企業スコア
トムソン・ロイターが各銘柄に対してトムソン・ロイターの株価や財務、収益予想データを使用して、トムソン・ロイターが定義した定量分析により算出した数値です。スコアは、成長性、割安性、企業規模、テクニカル、財務健全性の各スコアの合計から算出されています。株価分析は「ベータ」や「150日移動平均からの乖離」などから算出されます。原則として、スコアが高いほど「評価が高い」とされますが、その後の株価の値上りを約束するものではないということにご注意ください。
【1位】アンリツ(6754)
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通信計測器大手メーカーです。5Gを含め、基地局向けに国内外で高いシェアを持っています。5G関連銘柄の筆頭といえるでしょう。5G向けが寄与し業績も拡大傾向にあります。
バランスよくスコアを稼ぎ、1位にランクインしました。
通信方式が4Gに切り替わる際にも大きく上昇した銘柄ですが、5Gでも期待できるかもしれません。
【2位】オプトラン(6235)
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光学薄膜装置の製造販売を行っている企業になります。光学薄膜装置とはレンズなどの光学部品の表面をコーティングする装置です。5Gの普及が進むとスマートフォン以外にも光学薄膜装置の需要が拡大すると期待されています。
「割安性」と「収益性」で1位を獲得し、「企業スコア総合」で2位にランクインしました。
【3位】アルチザネットワークス(6778)
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通信計測機器の開発を行っています。基地局や交換機器向けが主力で5G向けに供給を伸ばしています。
「成長性」で1位を獲得していますが、「割安性」は低い点には注意が必要かもしれません。
【4位】アイレックス(6944)
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システム開発会社で通信系技術に強みを持っています。主にNEC、パナソニック向けに開発を行っています。基地局や携帯電話の通信制御ソフトに強みを持つことから物色が向かっています。「収益性」が高いものの、ここ数年、連結売上が伸びておらず「成長性」にかけるようです。
【5位】サイバーコム(3852)
(銘柄情報をご覧になるにはログインが必要です)
富士ソフト(9749)の子会社で携帯電話基地局向け等通信系ソフトウエア開発を行っています。
「割安性」にとぼしく、「株価分析」でも評価が低いことでランキングは5位となりました。
5Gは成長が期待できる分野であるものの、テーマ株は短期の物色が向かい、その後大きく下落などの値動きをすることもあります。関連銘柄をバイアンドホールドで持ち続けるのも戦略の一つですが、ロングショート戦略やマーケットニュートラル戦略を検討しつつ買い付けることも検討いただければ幸いです。
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