新コスト体系のメリットとデメリット

世間をお騒がせしているauカブコム証券信用取引の「新コスト体系」ですが、インターネットでは様々なご意見が飛び交っており、「本当のところはどうなのか」なかなか判断がつかない方もいらっしゃるかと思います。それどころか、「自分は損してしまうのではないか」とお考えの方も多いのではないか、と考えています。
そこで今回は、新旧コスト体系の比較を含め、現在の新しい「信用取引コスト」を、数値を元にして徹底的に斬って分解し、メリットとデメリットに分けてお見せします。

さて本題です。本当のところは、今回の新取引コスト体系はどうなのか…。実はこの問いに対しては、金利や貸株料(※1)が上がる以上、 「取引方法によっては、得をする場合も、損をする場合もある」というのが、直接的な答えです。

ではその取引方法とはいったい何なのでしょうか。判りやすいように今回コスト体系の変更点とその影響を整理してみました。

○コスト体系の変更点とその影響

コスト体系の変更点とその影響

※1:金利は制度/一般双方、貸株料は一般信用のみの引上げ

ご覧の通りで、信用取引手数料は1取引毎にどんどん課金されてしまいます。たとえば以前のauカブコム証券では、時価120万円の株式を取引する場合、940円の信用取引手数料が掛かるわけなので、建てて返済すると2回分=1,880円のコストが発生していました。 一方の金利/貸株料は取引期間(建玉を保持している期間)に応じてかかります。例えば2.98%のauカブコム証券の旧信用金利なら、10日の間に建てて返済すると2.98%の10/365…、約定金額に対して約0.082%のコストがかかります。つまりこれは、1日で返済してしまえば、前述コス トの1/10=約0.008%で済むわけです。
おさらいすると、ここで判った事は二つ。信用取引手数料が完全撤廃された新体系においては
・メリット…取引すればするほど以前に比べてオトク。
・デメリット…建玉を持ち続ければ続けるほど、以前に比べて損。
となりますね。

結局デイトレードやスウィングトレードが一番オトクってこと?

つまり極論は、
「建ててすぐに返済する、これを繰り返したモン勝ち…?」という事になってしまいますよね。ちなみに証券業界では、1日程度で建ててすぐに返済する取引を繰り返すことを「デイトレード」、数日~数週間で取引を繰り返すことを「スウィングトレード」と言います。なのでデイトレード やスウィングトレードに優しくできているのがauカブコムの新コスト体系だと言えそうですが、果たして本当にそうでしょうか。実例を元に数字で検証してみました。

○時価120万円の株式を11日間制度信用で、買建てして返済した場合のトータルコスト新旧比較

時価120万円の株式を11日間制度信用で、買建てして返済した場合のトータルコスト新旧比較

出所:auカブコム証券調べ
※2:平均約定金額は1万の位まで四捨五入、平均取引期間は1日の位で四捨五入。
また、集計期間としては双方とも2016/06/01~2019/11/30の平均値。

ちなみに120万円とは、auカブコム証券における1取引あたりの平均約定金額(※2)です。また11日とは、auカブコム証券お客様の平均取引期間(建玉を建てて返済するまでの時間・※2)なんです。上記トータルコスト比較でもお分かりの通り、「平均的な取引」で比較すると圧倒的に、新 コスト体系の方がオトクになります。

でも、実際の取引では、「損切りできなくて、つい長く持ってしまった…」なんてことも、ままあると思います。
そこで一体どれだけ長く持ったら旧コスト体系に比べて損が出てしまうのか、これも数値で検証しました。

○時価120万円の株式をX日間制度信用で、買建てして返済した場合のトータルコスト新旧比較

○時価120万円の株式をX日間制度信用で、買建てして返済した場合のトータルコスト新旧比較

出所:auカブコム証券調べ

120万円の取引であればなんと58日後!仮に普段は平均的に11日前後で建てて返済を繰り返したのに、ここまで持っているのは、いわゆる「損切りできなかった」場合が考えられます。これもまた、auカブコム証券の上述の平均値を元にしておりますので、「平均的な取引ではこうなる」と言っても過言ではありません。まとめますと…、

auカブコム証券の平均的な取引において、新コスト体系は旧に比べ「オトク」だ

決してauカブコム証券がデイトレードやスウィングトレードのみを推奨している訳ではないのですが、今回のコスト体系改変が、1日~数週間の取引形態に優しくできているのは確かです。また「平均」という事実を別視点から考えた場合、下記の事も言えると思います。

さらに新コスト体系は、極端に長期の取引でない限りは「オトク」感を得られる

これもまた、数値を元にした事実と言ってよいでしょう。

デイトレやスウィングって、本当にいいの?

ところで、先ほどからデイトレードやらスウィングトレードやら、比較的に中短期の取引手法の話ばかりですね。数か月の長期トレード手法だって、世の中にはしっかり存在します。
そこで短期、中期、長期でどのトレードが最も「経済合理的」なのかを数値を元にして検証してみようと思います。

○取引期間別、1取引毎の勝率/敗率の分布(集計期間:2016/06/01~2019/11/30)

取引期間別、1取引毎の勝率/敗率の分布(集計期間:2016/06/01~2019/11/30)

出所:auカブコム証券調べ

話の本筋とは異なりますが、まず注目すべきは「総計」の所になります。当社お客さまの取引実績値ベースで「総計で60%以上の勝率」ということは、「auカブコム証券では取引で勝っている場合が多い」ことになります。

そして本題です。やはり…、とお感じになる方も多いのではないでしょうか。30日以上の長期トレードのみが、極端に損益が悪くなっています。ちなみに集計前データを見ると判るのですが、決して30日以上のトレードの方が全く勝てていないわけではなく、大きく勝っている方もいらっしゃいます。では何が勝率を悪化させたのか…。

普段は30日以下の中短期トレードだが、たまにコツコツドーカンをやってしまう…?

投資用語である「コツコツドカーン」とは、その語感からもお分かりの通り…、
「普段はコツコツ中短期の取引で積上げた収益を、ただ1回の取引で含み損発生、そのまま損切りできずに長期で持ち続け、ある日に保証金が耐え切れずに強制返済などの大損切り。今まで収益を無にしてしまう。」
という悲しい出来事のことです。ここは推察になりますが、恐らくこのような「コツコツドカーン」が多い事が、30日以上の勝率を極端に悪くしている主因ではないでしょうか。不本意ながら長く建玉を持ち続ける「塩漬け」状態は、あまり経済合理性がないように思えます。損切りも徹底して中短期で返済してしまう30日以内のトレード、つまりデイトレードやスウィングトレードの方が、勝率という経済合理性に優れていましたね。

最後のまとめです。

新コスト体系で「オトク」感のある中短期のトレードは、経済合理性のあるトレードであった

数値分析を元にした、auカブコム証券の「新事実」です。以後、お見知りおきを。

今回の「信用取引コスト体系の変更」の詳細はコチラ

カブヨム編集チーム

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