決算短信とは?
ある企業に関心を持った時に、成長が見込めるのか否かを判断する材料がほしいと考える方もいらっしゃるでしょう。その材料のひとつに決算短信があります。
決算短信とは、簡単にいえば決算の要点資料です。上場企業は事業年度もしくは四半期累計期間などにおける決算内容が定まった場合、直ちにその内容を決算短信として開示することが義務付けられています。
東京証券取引所では、決算短信は決算期末後30日以内の開示が望ましいとされており、最新情報をいち早く得るために適している速報材料といえます。
決算短信は、サマリー(要約)情報と添付資料で構成されています。
サマリー情報は1~2ページほどの内容ですが、売上高や各種利益、経営成績・財政状態の概況、配当の状況、および来期の予想が記載されています。また、添付資料には経営成績等の概況、会計基準に関する基本的な考え方、連結財務諸表および主な注記などが記載されており、企業ごとにボリュームはさまざまです。
決算短信でチェックするのはココ!
決算短信は添付資料も含めると、企業によっては20ページを超えることもありますが、以下に挙げる4つのポイントをチェックしてみましょう。
●業績の伸び
時系列に決算短信を確認し、四半期ごとの売上高や営業利益の伸びを確認してみましょう。ただし、第2四半期以降は、その年の業績数値が累積されていくため、前期までの数値を差し引いて、四半期ごとの業績数値を計算する必要があります。その点には注意しましょう。
●営業利益率
営業利益率(営業利益÷売上高)が高ければ高いほど、企業の実力が高い可能性を示しているため、安定した成長が見込めます。同じ業界の決算短信にも目を通して、営業利益率を比較してみるのも面白いでしょう。
●業績予想と業績修正
過去の業績予想や業績修正から、どのようなスタンス(強気、保守的など)で業績予想を出しているかを確認しましょう。
●業績不振の理由
業績不振が見られる際、添付資料には、その理由が記載されています。その理由が妥当か、業績不振が一時的なものか恒常的なものか、そして、その理由に対する効果的な改善策や対策についての記載の有無も確認してみるとよいでしょう。
決算短信には、各企業の「今」の情報が詰まっています。難しいと敬遠せずに、関心のある企業の決算短信に目を通して、投資に活かしてみてはいかがでしょう。