ローソク足から視覚的に情報を得る
株式投資で、「買い時、売り時がわからない!」というお悩みはありませんか。好業績で株価もそう高くない銘柄を見つけて買ってみたところ、その直後から値下がりしてしまったという経験がある方も少なくないでしょう。
そのような時は株価チャートをチェックしてみましょう。株価の動きから重要な相場転換のサインが出ていることがあるからです。
株価チャートによる分析にはさまざまなものがありますが、まずは投資家心理を表すローソク足の基本を押さえておきましょう。
ローソク足は、始値、終値、高値、安値の4本値(※)を1本のローソクの形で示し、それを連ねてグラフ化したものです。視覚的に株価の動きをイメージさせながら多くの情報を得られるのが特徴です。
(※)月足チャートは月間の4本値、週足は1週間の4本値、日足は1日の4本値で示します。
ローソクの本体に当たる部分は始値と終値を結んだもので、これを「実体」または「柱」と呼び、その上下に伸びるヒゲの部分は高値と安値を示します。
始値よりも終値の方が高ければローソク足は白(陽線)、終値の方が安ければ黒(陰線)で表します。
(※)陽線を赤、陰線を青など、カラーで表す場合もあります。
ローソク足の実体が長ければ勢いよく上昇、あるいは下落したことを示します。反対に、実体が短い場合はほとんど値動きがなかったことになります。
また、上下のヒゲだけを付けた十字線を示すこともあるでしょう。これは始値と終値が同じ株価であったことを表し、「迷いの十字」と呼ばれます。相場の転換点に出現することがあるので注目してみるとよいでしょう。
ヒゲはその長さによって重要な転換のサインになる場合があるため、株式購入のタイミングを判断する際に有効です。
<ローソク足の4本値>
ヒゲで相場の明暗を読む
長い上ヒゲは下落の暗いムード、長い下ヒゲは上昇の明るいムードと捉えることができますが、それが出現したからといって必ずしも相場の転換点になるとは限りません。どのような局面で長いヒゲが出たかが重要な意味を持ちます。
高値圏、安値圏(※)で長いヒゲが出現した場合は、相場の流れが変わるサインかもしれません。例えば、高値圏で出た長い上ヒゲは下落相場に転換する可能性があり、安値圏で出た長い下ヒゲは上昇相場に転換する可能性がある…といった具合です。
たとえ業績がよくても、高値圏で長い上ヒゲが出ていたら相場が転換することを警戒し、すぐに買わずに様子を見るのも一案です。
(※)株価の動きが、一定の期間の中で一番高い価格帯のことを高値圏、一番安い価格帯のことを安値圏といいます。
<A社のローソク足(月足チャート)>
関東近郊でスーパーや焼き肉店などを手がけるA社(図)は、業績予想では順調でしたが2020年7月に長い上ヒゲが出現していました。その後の株価動向を見ると3ヶ月連続で陰線が続くことになり、2020年7月の終値3,665円から2021年2月の終値1,951円まで7ヶ月で46%下落しました。
既に保有している株式がこのように上昇基調が続き高値圏で長い上ヒゲが出た時には、一旦売却して利益を確定する判断をしてもよいでしょう。
新規に買う場合には、この下落の流れに転換するサインを見逃さず、その後の動きを見てから買うようにしましょう。
※本記事は、適合性、有用性、正確性、完全性を保証するものではなく、あくまで考え方を参考にしていただくことを目的としたもので投資勧誘を意図するものではありません。