執筆者:auカブコム証券
前回コラム(米国主要株価指数S&P500、NYダウ、NASDAQ総合とは)で米国主要3指数の特徴やパフォーマンス等を比較しました。
今回は積立投資で人気の高いS&P500について深掘りし、構成上位銘柄の内訳や上位銘柄個別株式に投資した場合のパフォーマンス検証などを行っていきます。
S&P500は個別銘柄の集合体。構成上位銘柄を紹介
前回コラムでご説明したとおり、S&P500は米国の主要産業を代表する大型株500社で構成されており、中身は個別銘柄の集合体といえます。
では、S&P500は一体どのような銘柄で構成されているのでしょうか。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社によると組み入れ上位10銘柄は以下のようになっております。
ティッカー | 銘柄名カナ | 株価 | 最低買付金額 (円) |
時価総額 (百万米ドル) |
業種 |
---|---|---|---|---|---|
AAPL | アップル | 171.52 | 23,499 | 2,756,460 | 精密機器 |
MSFT | マイクロソフト | 286.15 | 39,203 | 2,134,080 | サービス業 |
AMZN | アマゾンドットコム | 138.23 | 18,938 | 1,408,230 | 小売業 |
TSLA | テスラ | 890 | 121,930 | 929,596 | 輸送用機器 |
GOOGL | アルファベットA | 117.21 | 16,058 | 1,534,750 | サービス業 |
GOOG | アルファベットシー | 118.12 | 16,183 | 1,534,750 | サービス業 |
BRK.B | バークシャーハザウェイ B | 297.28 | 40,728 | 661,221 | サービス業 |
UNH | ユナイテッドヘルスグループ | 548.32 | 75,120 | 512,889 | 保険業 |
JNJ | ジョンソンエンドジョンソン | 169.31 | 23,196 | 445,146 | 医薬品 |
NVDA | エヌビディア | 178.49 | 24,454 | 446,225 | 精密機器 |
S&P500は浮動株時価総額加重方式を採用しているため、構成上位銘柄は時価総額上位銘柄と近しくなります。
アップル(AAPL) やグーグル(GOOGL) 、アマゾン(AMZN) など、日常的に利用されている方が多い世界的企業が並んでいます。
また、米国株式は原則1株から買付が可能なことから比較的少額でもこれらの世界的大企業に投資することできます。
S&P500構成上位銘柄の投資成績
それでは直近のS&P500指数と構成上位個別銘柄にそれぞれに投資していた場合にはどのような投資成績となっていたのでしょうか。
下図にて10年間のパフォーマンスそれぞれ比較いたします。
いかがでしょうか。
S&P500の193.6%上昇も十分立派ではあるのですが、直近のS&P500構成上位個別銘柄と比較すると見劣りしています。
では次に直近のS&P500構成上位構成上位10銘柄に10年間分散投資を行っていた場合の投資成績を見てみましょう。
テスラ(TSLA) やエヌビディア(NVDA) に個別で投資するよりはパフォーマンスは劣るものの、1,447.9%という凄まじいパフォーマンスを上げていたことが分かります。
もちろん個別銘柄は下落局面では指数の下落より大きく下落することもあることを忘れてはいけませんが、銘柄によって指数以上の上昇をする場合もあるようです。
S&P500積立て投資+個別銘柄投資
今回比較した直近のS&P500構成上位個別銘柄は相対的にパフォーマンスが優れていたとはいえ、あくまで過去の話です。
マーケットの環境次第で個別銘柄は大きな下落に巻き込まれることもあるでしょう。
業績の悪化や製品・サービスの陳腐化、不祥事、重大な事故などのリスクがあり、最悪の場合上場廃止や破綻のリスクもある個別銘柄に資産を傾けすぎるのは得策ではないかもしれません。
長期でじっくり資産を形成する部分としてはやはり指数連動型の投資信託の積立て投資を行うのがよいのではないでしょうか。
そして積立投資の選択肢としてS&P500は過去には有効であったといえそうです。
リスクを抑えつつ、より高リターンを期待するのであれば、S&P500投信の積立てに加え、例えば相場全体が大きく下落した際などに、ご注目の銘柄があれば個別銘柄投資行うという戦略も選択肢に入るかもしれません。
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