年率リターンを1日の値動きに換算してみよう
投資を始めたばかりですと、日々の値動きを気にして一喜一憂する方も多いのではないでしょうか。
ところが、ある理由からあまり気にする必要はないといえるかもしれません。
世界株式の代表的な指数である、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスのリターンを調べてみると、2020年までの過去20年の年率リターンは約5.36%でした。
しかし、20年間の値動きを1年単位で見てみると、プラス23.54%の年もあれば、マイナス40.94%になる年もありました。
このように短期的には激しい上下動が起こる年も見られます。
日々の動きにも同様のことがいえます。
年率約5.36%を日々の値動きに換算すると約0.015%です。(※非営業日を考慮せず年=365日換算で計算)
実際に日々起こりうる値動きの幅は、この数字より大きくなることがほとんどでしょう。
しかしこのように過去のデータを読み解けば、短期で一喜一憂する必要がないことがわかります。
投資において、長期運用が良いとされる理由の一つがここにあります。
<上げ下げに一喜一憂する必要はない>
見直しの際はリバランスを考える
長期運用の際には、定期的に点検し「リバランス」を行いましょう。
リバランスとは、資産総額の配分を当初のそれに戻す、見直し作業をいいます。
配分比率が変わると、当初想定していたリスクが変わり、想定リターンも乖離してしまう可能性が高くなってしまいます。
これをリバランスにより当初の配分に戻します。
例えば、100万円を日本株50%、海外株50%で運用し、見直し時に110万円になっていたとします。
110万円の内訳は日本株33万円、海外株77万円となり、比率はそれぞれ30%、70%となりました。
当初の比率より20%乖離したことになります。
これを当初の日本株50%、海外株50%に戻すのであれば、全体の20%である22万円分の海外株を売却し、その金額分の日本株を買います。
これにより日本株55万円、海外株55万円となり、当初の比率に戻すことができるのです。
リバランスをするかどうかは、当初の比率より10%以上の乖離を一つの目安にすると良いでしょう。
いずれにせよ、年1回以上は見直しすることをお勧めします。
また、リーマンショックのような相場を揺るがす大きな出来事があった場合は、つど見直しを行いましょう。
投資を始めたばかりですと、相場が気になってしまうのは仕方ありません。
ただ日々の値動きに一喜一憂する必要がないことを、おわかりいただけたのではないでしょうか。
定期的な見直しとリスク管理を怠らず、のんびり構えましょう。