リスク抑制だけではない ─長期運用・積立投資の力
資産運用の正攻法は、長期運用・積立投資といわれます。投資信託などの値段の変動のブレを、抑える効果が期待できるというのがその主な理由です。
例えば、一定額ずつ購入していくと安い値段のときにはたくさんの数量を買い、高い値段のときには少ない数量を買うことになり、1回あたりの購入価格を平均化することができます。ただ、長期運用・積立投資の効果はそれだけではありません。
積立投資を長く続けることにより、自分の投資経験も積み上げることができます。その経験の積み重ねこそが、資産運用の大きな強みになります。
毎月購入していく中で、為替の影響や米国の経済状況により価格が変動したなど、変動した理由を振り返ることで知識がついていきます。知識だけでなく、値段のブレによって自分のリスクへの対応力もわかってきます。
株式投資に向けて連想力を磨く
積立投資で資金も経験も積み上がってきたら、次は個別の会社を選んで株式投資をする準備をしてみましょう。投資に必要な連想力を磨くためです。
会社を選ぶポイントは、社長が好き、高い技術力がある、社会を変える活動をしている、快適なサービスを提供しているなど、興味があるポイントならなんでもよいのです。
会社に惚れる何かがあれば、その会社の成績と健康状態をチェックします。会社の成績は企業業績、健康状態は財務内容で、いずれも会社四季報や会社情報などで数値とグラフにより、過去、現在、将来予想が示されています。将来に向けて数字が伸びていることを確認しましょう。
家族が調子悪そうにしていたら、どうしたのだろうと心配し、その原因を追究しますよね。
投資先の会社も同じです。多くの人は、投資先の会社の株価が下がり始めると、次第に見たくなくなり、そのまま放置。そのうちに“塩漬け”にしてしまったりします。そういう時こそ、ニュースなどで何が起きているのかを探ってみてください。
慣れてきたら、実際に個別の株式を購入してみましょう。
株式投資は連想ゲームにも似ています。投資している会社の周辺、すなわち仕入先や販売先の会社、輸出先、輸入先の国や地域で起きていることの影響を受けます。
関連することをつないでいく連想癖がついたら、投資家として独り立ちといえるでしょう。