【ゴールド投資】金ETFは現物の金と何が違うの? 買う前に税金にも目を向けよう! 【ゴールド投資】金ETFは現物の金と何が違うの? 買う前に税金にも目を向けよう!

【ゴールド投資】金ETFは現物の金と何が違うの? 買う前に税金にも目を向けよう!

株式や債券と異なる値動きをすることで分散投資の効果が期待できる金。金はインフレや円安に強い資産として注目され、資産防衛の手段として人気が高まっています。
ただ一口に金投資といっても、金地金(きんじがね)や純金積み立てなどで金の現物を売買する方法のほか、株式市場を通じて金ETFを売買する方法などがあります。
いずれの方法も同じ金を対象としていますが、金の現物に投資するのと、金ETFを通じて投資するのでは、利益に対する税金の取り扱いが異なります。本記事では、金ETFと現物それぞれの「利益にかかる税金の違い」をわかりやすく整理するとともに、金投資が「おすすめできない人」の特徴についても解説していきます。

現物の金・金ETFとは

現物の金

現物保有は、金の延べ棒(地金)や金貨を実際に買って自分で持つ方法です。手に取れる安心感があり、「金そのもの」を資産として保有したい人に向いています。 災害や金融システムのトラブルなど非常時でも価値が残りやすい点も強みです。
その一方で、保管には注意が必要です。盗難対策として自宅金庫や銀行の貸金庫を使うケースが多く、保管コストがかかります。売却時は店舗や取扱業者に持ち込む手間があり、金ETFと比べると流動性は劣ります。

金ETF(上場投資信託)

金ETFは、金価格に連動した運用を目指し、株式と同じように証券取引所で売買できる商品です。 現物の保有・保管が不要で、少額から手軽に始められるのが大きな魅力です。さらに、新NISAの成長投資枠の対象でもあるため、長期的な資産分散にも有効です。

ETFと現物では税金が違う!?ゴールド投資の前に知っておくべきこと

金の現物における税金上の取り扱い

金の現物に投資して得た利益は、譲渡所得となり、給与などの他の所得と合わせて総合課税の対象となります。税率は、累進課税が適用されます。
金の保有期間が5年以内の場合は短期譲渡所得、5年超の場合は長期譲渡所得となり、それぞれの所得金額は次のように計算されます。

・短期譲渡所得(保有期間5年以内):売却益-購入額-譲渡所得の特別控除50万円
・長期譲渡所得(保有期間5年超):(売却益-購入額-譲渡所得の特別控除50万円)÷2

金ETFにおける税金上の取り扱い

一方、金ETFに投資して得た利益は、株式や投資信託と同様に、分離課税の譲渡所得となります。
税率は20.315%です(2026年2月現在)。

現物と金ETFの税金上の違いから見る選び方

金の現物の場合、売却して利益が出た際に50万円の特別控除を利用することができる一方で、損失が出た場合は、株式や投資信託などとの損益通算はできません。しかし、金ETFの場合は損益通算ができます。
こうした課税の違いから、特別控除を利用して、50万円までの売却益には税金がかからない点に魅力を感じるなら、金の現物に投資をするといいでしょう。
しかし、大きな利益が出たときに給与などの税率が上がってしまう可能性があるのは困る、株式などとの損益通算に魅力を感じるなら、ETFを介して金に投資するといいでしょう。
このように、投資方法の使い分けも可能です。

もっと詳しく!金ETFの注意点

金ETFは金価格に連動することを目指して投資を行う上場型投資信託です。
東京証券取引所には4銘柄の金ETFが上場しています(2026年2月時点)。
証券口座を持っていれば、数千円から購入でき、手軽に金投資をスタートすることができます。

<金関連のETF>
SPDRゴールド・シェア (1326)
NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信 (1328)
純金上場信託(現物国内保管型) (1540)
WisdomTree 金上場投資信託 (1672)

税金以外も違う!現物と金ETFの商品上の扱い

現物と金ETFは、税金以外の面でも次のような商品上の違いがあります。

<現物と金ETFにおける、金融商品としての違い>

                

※上の図は筆者が作成

特に先物取引を利用して投資をするETFの場合、実物の金を保有していないため、現物の金を資産とする裏付けがありません。
このため、先物取引は流動性の低下や投機家の参入などによって、取引価格が不安定になることがあり、実際の金価格とETFの基準価額との間に大きな乖離が発生する可能性があります。

金投資をおすすめしない人

短期間で大きな利益を得たい人

金は株式に比べて値動きが比較的緩やかで、数週間から数か月の短期で大きな利益を狙う投資には向きません。一方で、長期の資産形成や分散投資、インフレ(物価上昇)対策に有効と言われており、時間をかけて資産を守りながら増やしたい人に適した投資商品と言えるでしょう。
また金は、企業決算のような短期のサプライズ要因が少なく、配当もないため、短期的な“材料”に乏しいのが一般的です。短期で利益を得ることを重視するなら、値動きの大きい株式やFXなどの方が適しています。

定期的に収入を得たい人

金は利息や配当を生まないため、定期的な収入を求める方には向きません。配当金や分配金を受け取りつつ、定期的・安定的なキャッシュフローを重視するなら、金よりも高配当株や不動産投資などを検討するのがおすすめです。

税務上の手続きが苦手な人

前述の通り、金を売却して利益が出た場合、課税の扱いが異なります。 現物の金は「総合課税(譲渡所得)」になる一方、金ETFは「分離課税の譲渡所得」として申告が必要になることがあります。さらに、金を相続・贈与する場合は相続税・贈与税の対象にもなります。 これらの税務手続きが苦手な方には、金投資はあまり向いていないかもしれません。
※金ETFは「特定口座(源泉徴収あり)」を選べば手続きの負担を軽減できる場合があります。

まとめ

現在は、金融商品も多様化し、「金に投資する」と一口に言っても、さまざまな商品を介して金に投資することができるようになっていますが、商品によってそれぞれの特性があり、「何を重視するか」で選び方が変わります。保有そのものの安心感や50万円の特別控除を活かしたいなら現物、損益通算や手軽さ・流動性、一定の税率での課税を重視するなら金ETFが向いています。特に、税金面については、納税する時になって「こんなはずではなかった」とならないように、投資を始める前に確認しておきましょう。

中野敦成

執筆者:中野敦成

FP事務所LBプランニング 代表
大阪府堺市生まれ。理系大学卒業後、自動車会社などで設計支援業務に携わる。
1998年の株式売買手数料の自由化やネット証券の誕生をきっかけに株式投資を開始。株の売買のための情報収集をしている中でファイナンシャルプランナー資格に出会う。
投資の知識のためにとファイナンシャルプランナー資格を取得した際に、「お金のことを知っていると知らないでは世界がこんなに変わるのか!」と感銘を受け、資格取得後、FP事務所LBプランニングを開設。
現在は大阪市内の事務所で個人向けのFP相談業務を中心に資産運用や保険、ライフプランに関する執筆・セミナーなどを行っている。

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