2020年の株式市場は歴史的に見ても非常に大きく変動した年となりました。
日経平均株価の年間高低差が11,015円なりました。
昨年は株価の割高感も指摘されていました。一方で各国の大規模金融緩和、財政出動が継続しており、2021年には新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の普及がスタートすることも考えられます。
はたして上値を追えるのか、大きな調整があるのか。
判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。
こういったタイミングでは株式の魅力の一つである「配当金」に注目してみてはいかがでしょうか?
そこでカブヨムでは今回「連続して配当を増やし続ける銘柄(連続増配銘柄)」に注目しました。
連続増配銘柄は継続的に業績が成長しており、積極的な株主還元を目指している企業でが多いと考えたからです。
S&P/JPX 配当貴族指数とは
連続して増配を続ける銘柄を考えるうえで、今回はS&P/JPX 配当貴族指数を参考にします。
S&P/JPX 配当貴族指数とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスによると
とのことです。この指数は東証株価指数(TOPIX)内において、10年以上にわたり毎年増配をしているか、または安定して配当を行っている最も配当利回りの高い企業のパフォーマンスを測定するように設計されています。(出典:S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス)
今回はこの指数から組み入れ上位銘柄を紹介します。
S&P/JPX 配当貴族指数組入れ上位銘柄
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コード | 銘柄略称 | 配当利回り |
---|---|---|
2914 | JT | 7.32 |
1878 | 大東建 | 4.23 |
4061 | デンカ | 3.1 |
4182 | 三菱ガス | 2.95 |
1893 | 五洋建 | 2.81 |
5334 | 特殊陶 | 2.83 |
6417 | SANKYO | 5.37 |
8591 | オリックス | 4.79 |
8015 | 豊通商 | 2.64 |
5108 | ブリヂストン | 3.1 |
組入れは2020年11月30日時点
配当利回りは2020年12月30日時点
上位5銘柄を紹介します。
日本たばこ産業(2914)
国内、海外でのたばこ販売が事業の中核ですが、加工食品や医薬品等も展開しています。
2020年12月期は国内外で紙巻きたばこの販売が苦戦しました。
また、新興国通貨の下落で収益も目減りしています。
2020年12月期は前期と同額の配当予想となっているため、連続増配は途切れますが、配当利回りは高水準といえるでしょう。
大東建託 (1878)
賃貸住宅の建築請負、一括借り上げ等を行っています。
また、賃貸仲介サービス「いい部屋ネット」を運営しており賃貸仲介でも首位となっています。
コロナ禍で営業自粛の影響から建設事業が大幅減少となっており2021年3月期は減収減益の予想です。
結果的に販売管理費が抑制されたことから2020年4~9月期の連結純利益は上振れて着地しています。
配当性向は5割としており、利回りも高水準です。
しかし今季は減益予想を受け年間配当も減額を予想しています。
連続増配は途絶えることになりそうです。
デンカ (4061)
有機系素材事業、無機系素材事業、電子材料事業、機能・加工製品事業などからなり、特殊合成ゴムや機能樹脂などを生産しています。
また新型コロナウイルスとインフルエンザの感染の有無を、1回の検体採取で診断できる検査キットを医療機関向けに提供しており、2020年は折に触れて物色が向かいました。
中期経営計画ではEV関連や高速通信規格「5G」を中心とする「環境・エネルギー分野」に注力することも掲げています。
こちらも2021年3月期は前期と同額の配当予想となっているため、連続増配は途切れることになりそうです。
三菱瓦斯化学 (4182)
三菱系の化学メーカーで「基礎化学品事業部門」、「機能化学品事業部門」の二つの事業部門の下、基礎化学品からファインケミカル、機能材料などの製品を提供しています。
次世代通信規格「5G」向け需要が伸びており、電子材料や高額樹脂が好調です。
一方で自動車向けや汎用品が低調で2021年3月期は減収、営業減益予想となっています。
配当は2020年3月期に70円配と2019年の配当額を維持、2021年3月期も70円配当を維持する予想となっているため連続増は途絶えています。
五洋建設 (1893)
臨海部を中心とした土木、建築、環境の建設工事に強みを持つ準大手ゼネコンになります。
新型コロナ禍においても国内の手持ち工事は中断することはなく、影響は限定的であったものの、2021年3月期は国内建設事業が減少したことや海外の一部で工事が中断したことにより減収減益となっております。
2021年3月期は年間25円配当を予想しており、連続増配継続中です。
いかがでしょうか。
指数組入れ上位5銘柄を見てまいりましたが、連続増配継続中の銘柄は五洋建設 (1893)だけでした。
従来連続増配を維持してきた企業もコロナ禍の業績悪化は避けられず、連続増配が途絶える状況が散見されました。
しかし「S&P/JPX 配当貴族指数」に組み入れられる企業はコロナ禍の特殊な環境を除けば増配を継続してきた企業です。
業績が継続的に成長しており、積極的な株主還元を意識している企業といえるのではないでしょうか。
またS&P/JPX 配当貴族指数JPX 配当貴族指数に連動する投資信託やETNのお取引も可能です。
ETN
NEXT NOTES 日本株配当貴族(ドルヘッジ、ネットリターン)(ご覧になるにはログインが必要です。)
銘柄選びの参考にしていただけると幸いです。
カブヨム編集部
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権利落日の株価は、理論上、前日終値から配当予想の相当額が下がります。ただし、株価は需給やその他要因でも日々値動きしていますので、理論どおり株価が変化するとは限りません。