独立系運用会社とは?
投資信託の運用会社とは、投資家から集めた資金の運用を担う専門会社です。
その中でも独立系とは、他の金融機関や事業会社に属さない運用会社のことを指します。
近年日本で独立系運用会社が増えてきた背景はさまざまですが、運用会社と販売会社(※投資信託を買う窓口となる金融機関)を一つにすることで、運用会社の思いや考えを投資家に届けやすくするため、という点が一つの要因として考えられます。
<一般的な運用会社と独立系運用会社>
独立系運用会社の特徴
それでは、独立系運用会社の特徴を紹介します。
1.顔の見える運用担当者
一般の運用会社の場合、販売会社とは別の会社であることが多いため、投資家からすると誰が運用担当者なのかわかりにくくなっています。
一方、独立系運用会社では、投資信託を運用している会社から直接投資信託を買うため、自分のお金を誰が運用しているのかがわかります。
さらに、積極的にセミナーを開催している独立系運用会社も多く、投資家に投資の考え方や運用状況などを直接伝える場を設けています。
自分の大切なお金を誰が運用しているかがわかる、話を聞くことができるという点は、投資家としても安心して運用を継続できるポイントの一つではないでしょうか。
2.新規設定する投資信託の本数
一般の運用会社と独立系運用会社の違いに、新規設定する投資信託の本数があります。
2010年~2019年には、毎年300本を超える投資信託が新規設定されています(※)。
しかし、筆者が各運用会社のホームページを調べたところ、この間、独立系運用会社の新規設定本数は、わずか8本です。
※一般社団法人投資信託協会統計データ「新規設定ファンドの本数」より筆者が調査
投資信託の新規設定が増えることは、投資家にとって選択肢が増える一方、本数がどんどん増えてどれを買えばいいか迷ってしまったり、新しい投資信託に目移りして長期投資にならなくなってしまう可能性もあります。
その点、独立系運用会社は新規設定をほとんどしないため、迷ったり目移りしやすい方にとっては長期投資がしやすい環境になるといえます。
独立系運用会社の投資信託は、高いリターンのものが多い!?
独立系運用会社が運用する投資信託のデータをご覧ください。
<独立系運用会社が運用する投資信託>
会社によって差はありますが、平均リターンが日経平均株価に比べて高いことがわかります。
リターンが高いことも独立系運用会社の特徴の一つです。
独立系運用会社について、少しでも興味を持っていただけましたか?
知られていない会社が多いのも独立系運用会社の特徴の一つですので、ぜひご自身でも調べてみてください。
これを機に投資信託選びの中に、独立系運用会社も入れてみてくださいね。
執筆者:谷口達也
大学卒業後、準大手証券会社に就職しリテール業務を行う。会社のノルマをただこなすだけの仕事に疑問を覚え、若手社員ながら支店長に「この商品は儲からないと思うので売りたくないです」と言いにいくが説得され業務を続ける。こんなことを続けて意味があるのか、もっとお客様のことを考えながら仕事がしたい!と考えることが多くなり、大手の証券会社へ転職。しかし2社の経験から、日本の金融機関ではお客様を最優先するのが難しいと感じ、独立を決意。当初はIFAとして活動していたが、自分の目指していた金融サービスを行うには独立系FPが最適であると気づき、活動開始。2020年1月からはYouTubeチャンネルを開設し、中立な立場で金融商品の仕組みや制度の解説を行い、開始10ヶ月で登録者は8,000名を超えた。
<資格>
●CFP®
● 1級ファイナンシャルプラニング技能士(資産設計提案業務)
● 宅地建物取引士