「投資」はギャンブルではなく世の中を変える行動

株主優待というと、商品やサービス券がもらえる特典で知られていますが、最近では、優待相当額を寄付する選択肢を設けている企業が増えています。複数の優待品の中から、社会貢献活動への寄付を選ぶと、優待品が送られてくる代わりに、寄付される仕組みです。

企業に投資することで、その企業の成長を応援するだけでなく、優待品を「寄付」に変えて、企業ごとに定める支援団体へ資金を提供できるというわけです。
よりよい社会を作るため、自分の資金を効率よく、必要なところへ役立てているという実感が持てます。

株式投資はギャンブルだと考えている人も、環境、社会、地域のために投資を通じて貢献できると考えれば、投資の意義を実感しやすくなるのではないでしょうか。

企業の思いが寄付先に反映

企業が定めるその寄付先をみると、企業が大切にしている理念や事業が垣間見えます。企業の事業内容と寄付先を確認してみましょう。

カンロ(2216)【食料品】

カンロ飴は60年以上前からのロングセラー。今も進化を続け、のどアメ、キャンディーを主力とし、ピュレグミも第2の柱に、納豆や梅などの素材菓子も人気。
国連WFP協会が実施する世界の飢餓を撲滅する活動に寄付できる。貧困に苦しむ途上国の人びとのために、国連WFPは、食料不足に苦しむ人びとに「命の糧」となる食料を迅速にかつ確実に届けるため、毎日世界およそ80カ国で飛行機92機、船20隻、トラック5,000台を稼働させている。彼らの活動を間接的に支援することができます。「食料品」の銘柄に投資することで、食料不足に困る人々を助けることができる。とても素敵なことだと思います。

国連WFP協会

キリンホールディングス(2503)【食料品】

ビール類シェア国内2位。海外はアジア、豪州が主力。
キリン飲酒運転根絶募金を通じ、交通遺児等育成基金へ寄付できる。
交通事故によって突然家族を失い、多きの子ども達が交通遺児等になり、生活環境・教育環境が損なわれ困難な境遇に置かれています。この基金制度では、自動車事故で亡くなられた人の残された子どもが満19歳に達するまで 育成給付金を送金しています。

交通遺児等育成基金

テクマトリックス(3762)【情報・通信】

情報セキュリティ対策に向けた製品やサービスを提供。医療向けクラウドに実績を持ち、幅広い分野で身近なITサービスを手掛ける。
寄付先は、日本ユニセフ協会、あしなが育英会。

あしなが育英会
有名な支援団体ですよね。病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親が重度障害で働けない家庭の子どもたちを支える民間非営利団体です。国などからの補助金・助成金は受けず、すべて寄付金で運営しているそうです。なんと、寄付の9割以上は個人の方からとのこと。

日本ユニセフ協会
こちらも有名な支援団体です。最も厳しい状況にある子どもたち(戦争や災害、極貧、あらゆる形態の暴力、搾取の犠牲となっている子どもたちや、障がいのある子どもたち)が特別な保護を受けられるよう、最も厳しい状況にある子どもたちや最も援助を必要としている国に優先的に支援しています。2019年の実績では、940万人の肺炎の子どもがユニセフの支援で治療を受け、490万人以上の重度の急性栄養不良の子どもの治療、2億4,900万人以上の子どもが2回のビタミンA投与、76ヵ国で170万人の移民・難民の子どもたちを支援など、様々な活動をしています。
ユニセフ活動報告

シード(7743)【精密機器】

国内コンタクトレンズの大手。自社製造1日使い捨てレンズを主力とし、眼にかかわる商品を扱う。
寄付先は、アイメイト協会もしくは日本アイバンク協会。いづれも視覚障害者の社会参加、視力障害者の視力回復など健康と福祉の向上を目的としている活動を支援しています。

日本アイバンク協会
視力障害者のために、角膜移植等の普及を支援しています。死後(心停止、及び脳死後)、眼球を提供していただき、角膜移植待機患者にあっせんする公的機関をアイバンクといいます。アイバンクは厚生労働大臣の許可により運営が許された「眼球あっせん業」を行う機関で、現在、各都道府県におかれアイバンク活動を行っています。

アイメイト協会
アイメイトとはいわゆる盲導犬のこと。
「視覚障害者が、白杖や晴眼者の助けなく、犬とだけで単独歩行できるように」という目標をかかげ、歩行指導などを行っています。すべては視覚障害者の自立のために。高い基準の盲導犬を多く排出している実績を持っています。

ヤマハ(7951)【その他製品】

ピアノや管楽器など総合楽器メーカー。最新技術を活用した電子楽器、様々な製品やサービスをグルーバルに展開し、音響機器を拡大中。
寄付先は、人と自然が調和して生きられる未来を目指す世界自然保護基金です。

世界自然保護基金
80カ国以上の国々に拠点を置き、メディアで一時よく取り上げられていた海洋プラスチック問題をはじめ100を超える国々で地球規模の活動を展開している環境保全団体です。

このように見てくると、企業が選んだ寄付先から、その企業の思いが伝わってきませんか。ご自身が、こういう団体に寄付をしたいと思うような寄付先を指定している企業を、投資先として選んでみてはいかがでしょうか。

<社会貢献活動への「寄付」を選べる株主優待制度を設ける企業例>

社会貢献活動への「寄付」を選べる株主優待制度を設ける企業

・権利確定月:株主優待の権利を取得する月。権利確定日の2営業日前(権利付最終売買日)の時点で、株式を保有していると優待や配当金を取得できます。
・適合性、有用性、正確性、完全性を保証するものではなく、あくまで考え方を参考にしていただくことを目的としたもので投資勧誘を意図するものではありません。
・四季報オンライン(2020年10月15日)より。

※優待内容については、2020年10月時点の内容です。実際の株主優待の詳細や最新情報は、各社ホームページでご確認ください。

執筆者:村松祐子

執筆者:村松祐子


ファイナンシャルプランナー(CFP® 1級FP技能士)。金融・証券インストラクター。
1987年より、大手証券会社において外国株式の東京証券取引所上場に際し、販売促進に携わる。資料作成、および、顧客向け株式セミナー、社内勉強会の運営に従事。1990年より富裕層向け資産運用コンサルティングに従事したのち、 株式調査部に転籍、経済・株式の調査を経験、機関投資家向け週間マーケットレポートの作成に携わる。資産運用の相談、経済・市場調査の経験を踏まえ、それらを総括したサービスを提供するFPへ転身。現在、資産運用・株式投資の個人レクチャー、セミナーのほか、ライフ&マネープラン相談を実施している。一人ひとりに合った資産形成の提案には定評があり、自立した個人投資家の育成にも力を入れている。『FPコスモス』代表。

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