執筆者:カブヨム編集部
近年、投資初心者の間で「ほったらかし投資」という言葉が注目されています。この投資法は、文字通り「ほったらかし」にしておける手軽さから、多忙な方や投資経験が浅い方におすすめです。しかし、具体的にどのような投資方法なのでしょうか?本記事では、ほったらかし投資の魅力とその手法について解説します。
ほったらかし投資とは?
ほったらかし投資とは、投資した後に頻繁に見直しや手入れをする必要がない、長期的な資産運用方法を指します。主に、投信積立やiDeCo、ロボアドバイザーを通じて、分散投資を行うことが多いです。この方法は、忙しくて投資に時間を割けない人に、リスクを抑えながら資産を増やす手段として向いています。
ほったらかし投資の3つの魅力
・手間がかからない
ほったらかし投資の最も大きな魅力の一つは、その手軽さと便利さにあります。特に投資を始めたばかりの初心者にとって、毎日株価をチェックしたり、複雑な投資戦略を理解したりすることは、なかなか難しいことかもしれません。しかし、ほったらかし投資では、一度設定を行い、必要な情報を入力すれば、その後はほとんど何もしなくても済むのです。このようなシンプルさが、非常に魅力的であり、多忙な方や投資経験が浅い方におすすめな理由の一つです。
・感情に左右されづらいから、失敗しにくい
投資で損をしやすい理由のひとつに、感情による判断があります。
「株が上がったから今が買い時かも」「下がったから売っておこうかな…」
このように日々の値動きに反応して売買を繰り返すと、かえって損するリスクが高まります。その点、ほったらかし投資は、相場に過剰に反応せずに続けられるのが魅力です。値下がりしてもコツコツ積立を続け、上昇すれば自然に資産が増えていく。
感情に流されず、長期的な視点で運用できるのが強みです。
・長期的な視野での資産形成
ほったらかし投資は、短期間での大きな利益を追求するのではなく、より長期的な視点で資産を形成することを目的としています。市場の短期的な変動や急激な価格変動に惑わされることなく、時間を味方につけて資産を育てることが可能です。
投資初心者におすすめのほったらかし投資方法
では、具体的にどのような投資方法があるのでしょうか?ここでは、初心者におすすめのほったらかし投資の選択肢をいくつかご紹介します。

※画像は筆者が作成
・投信積立:NISA(つみたて投資枠)を活用する
投信積立は、投資信託を毎月コツコツと自動で買い付けていく投資方法です。あらかじめ購入する商品と金額を決めておけば、あとは自動で積立が行われます。
投資信託とは、投資家から集めたお金を、運用のプロが株や債券などに分散して投資する金融商品であり、中には月100円から始められるものもあるので、少額から手軽にスタートできます。
ほったらかし投資として投信積立を行うなら、NISAの「つみたて投資枠」の活用がおすすめです。 年間120万円までの投資に対して、運用益が非課税になる制度なので、長期・積立・分散投資に最適です。
・iDeCo:税制優遇を受けながら老後資金を貯める
老後資金を準備するなら、iDeCoを使ったほったらかし投資がおすすめです。iDeCoは、自分で積み立てたお金を将来年金として受け取れる制度で、年齢やライフプランに合わせて運用方法や商品を選べます。さらに、掛金が所得控除の対象になるため、税金の軽減も期待できます。長期的に資産を築くうえで、iDeCoは非常に有効な選択肢です。
・ロボアドバイザー:資産運用をAIにまかせる
ロボアドバイザーは、AIが投資先や金額を自動で判断してくれるため、初心者でも気軽に投資を始めやすくなっています。ロボアドバイザーには「投資一任型」と「アドバイス型」の2種類があり、ほったらかしで運用したい人には「投資一任型」がおすすめです。アドバイス型は提案のみですが、投資一任型はポートフォリオの作成から運用まで全て自動で任せられます。
ほったらかし投資を始める前に考慮すべきポイント
自分のリスク許容度を確認
投資を始める前に、自分がどれだけリスクを受け入れられるかを把握することが大切です。リスク許容度を理解することで、自分に合った投資戦略が立てられるようになります。どの程度の損失まで許容できるか、またその時どう感じるかを考えることで、最適な投資先や資産配分を選べ、安心して投資を続けることができます。
投資目的を明確に
ほったらかし投資を成功させるためには、最初に自分の投資目的を明確に設定することがとても大切です。例えば、老後資金を貯めることや、お子様の教育資金を準備することなど、具体的な目的に基づいて適切な投資戦略を選びましょう。目的が明確であればあるほど、どのような投資先が自分にとって最も理にかなっているかを判断しやすくなります。それによって、投資の方針をより一層具体的に定めることができ、効率的に資産を増やすことが可能になります。
時間を味方にする
ほったらかし投資は、時間をかけて資産を着実に増やすことを目的としているため、短期的な市場の変動に一喜一憂することなく、長期的な視点を持って運用を続けることが成功の鍵となります。市場の動きに振り回されることなく、安定した投資成果を得るためには、しっかりとした計画と忍耐が必要です。時間を味方にすることで、複利効果を最大限に引き出し、最終的にはより良い資産形成につながるのです。
ほったらかし投資の失敗を避けるために
市場の動向に振り回されない
市場の動向は時に予測が難しく、急激な変化があることがよくあります。しかし、これに振り回されることなく、冷静に判断を下すことが重要です。市場の波に乗るのもひとつの戦略ではありますが、長期的な視点を持ち続けることが、安定した投資につながります。投資判断を行う際には、感情を排除し、事実に基づいて分析を行う必要があります。
分散投資の徹底
分散投資とは、リスクを軽減するためにさまざまな資産に投資を分ける方法です。一つの資産に全ての資金を集中させるのではなく、異なる種類の投資商品に分配することで、ある資産の価値が下がっても他の資産がその損失を補うことができます。このアプローチにより、ポートフォリオ全体の安定性を向上させ、予期しない市場の変動にも耐えられるようになります。
定期的に資産状況を確認する
ほったらかし投資であっても、その状況を定期的に確認することは非常に重要です。市場の状況や経済の変化は常に起こるため、自分の資産のパフォーマンスを確認し、必要に応じて戦略を見直すことで、より良い結果を得られる可能性が高くなります。定期的な確認によって、自分の投資目的やリスク許容度に合った最適なポートフォリオを維持することができます。
まとめ
ほったらかし投資は、忙しい現代人や投資初心者にとって魅力的な資産運用方法です。投信積立やiDeCo、ロボアドバイザーといった投資方法を活用することで、手軽に始められ、リスクを抑えながら資産を増やすことができます。
投資を始める際は、自分のリスク許容度や投資目的をしっかり確認し、長期的な視点で運用を続けることが大切です。ほったらかし投資で、あなたも資産形成の一歩を踏み出してみませんか?




