執筆者:カブヨム編集部
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除して以降、金融市場は大きな変化を遂げています。
2025年6月10日、日銀の植田和男総裁は、基調的なインフレ率が2%目標に近づけば、さらなる利上げを行う意向を示しました。
また、国際通貨基金(IMF)は、2025年と2026年にそれぞれ2回の利上げを予測しています。
実際に足元の金利動向にもあらわれており、長期金利、短期金利ともに上昇してきています。
<日本の長短金利の推移>

※日本銀行、財務省のデータをもとに三菱UFJ eスマート証券が作成
ここであげている長期金利は10年物国債利回り、短期金利は無担保コール翌日物金利を参照しています。
この記事では金利上昇時代における投資戦略考え、そのために何を準備したらよいのか銘柄のスクリーニング方法もあわせてご紹介いたします。
金利が上昇するとどんな影響があるのか?
金利が上昇するとどんな影響があるのか、株式市場においてはセクターごとに異なる影響がみられます。
金利感応度が高い不動産や建設セクターは、資金調達コストの増加により株価が圧迫される可能性があります。
一方で、銀行や保険会社などの金融セクターは金利収入の増加により恩恵を受ける可能性があります。
また、金利上昇と日米金利差の縮小は円高を招くことがあり、輸出企業にとっては為替レートの変動が利益に影響を与える要因となります。
ご自身のポートフォリオの見直しを行う際にはこうした状況をふまえておくことが重要かもしれません。
そこで当社ツールの「kabuナビ」を使った銘柄のスクリーニング方法を以下にご紹介いたします。
金利上昇時代における銘柄選定、リバランスを検討してみてはいかがでしょうか。
■詳細な条件でスクリーニングする設定方法
①kabuナビを開くと上部に「かんたん」「詳細検索1」「詳細検索2」「詳細検索3」・・・とタブが並んでいます。
オリジナルの検索条件を設定してスクリーニングする場合は「詳細検索」のタブをクリックしてください。

②詳細検索の画面に切り替わり、さまざまな条件の設定が可能です。

※絞り込み結果が200銘柄以上だと検索できないので絞り込み結果が多い場合は条件を見直してください。
以下は金利上昇局面において影響を受ける可能性のある銘柄をスクリーニングした例となります。
■金利上昇で貸出金利の利ざや拡大、運用環境改善が見込まれる銀行、保険セクター
≪基本条件設定≫
≪詳細条件設定≫
※いずれも上限(PER、PBRは下限)はMAX値に設定。

(2025年7月1日時点、三菱UFJ eスマート証券のスクリーニングツール「kabuナビ」にて作成)
こちらの条件で最終的に55銘柄まで絞り込めました。
最後に右上の検索ボタンを押すとスクリーニングされた銘柄を一覧で見ることができ、並び替えも可能です。
検索結果一覧の画面からも並び替え可能です。
■日米金利差縮小を前提にした円高により恩恵を受ける可能性がある食料品、空運業、化学工業、石油・石炭製品セクター
≪基本条件設定≫
≪詳細条件設定≫
※いずれも上限(PER、PBRは下限)はMAX値に設定。

(2025年7月1日時点、三菱UFJ eスマート証券のスクリーニングツール「kabuナビ」にて作成)
こちらの条件で最終的に45銘柄まで絞り込めました。
今回業種は食料品、空運業、化学工業、石油・石炭製品にてスクリーニングしましたが、ニーズによっては業種を絞ってスクリーニングされることもおススメです。
最後に右上の検索ボタンを押すとスクリーニングされた銘柄を一覧で見ることができ、並び替えも可能です。
検索結果一覧の画面からも並び替え可能です。
■金利上昇によるコスト増懸念の可能性がある銘柄群
≪基本条件設定≫
≪詳細条件設定≫
✓ ROE(自己資本利益率)を8%以上に設定→効率的、収益力がある銘柄に絞る。
※いずれも上限(有利子負債比率は上限、ROEは下限)はMAX値に設定。

(2025年7月1日時点、三菱UFJ eスマート証券のスクリーニングツール「kabuナビ」にて作成)
こちらの条件で最終的に70銘柄まで絞り込めました。
最後に右上の検索ボタンを押すとスクリーニングされた銘柄を一覧で見ることができ、並び替えも可能です。
検索結果一覧の画面からも並び替え可能です。
まとめ
金利の上昇は、株式市場において多様な影響を及ぼす可能性があります。
投資家は、金利動向を注視し、適切な投資戦略を立てることが重要かもしれません。
金利上昇による影響を最小限に抑え、市場の変動に柔軟に対応することが、投資成功の鍵となるでしょう。




