医薬品を12,000円以上買っている人は要チェック!
セルフメディケーション税制とは、健康診断や予防接種を受け、普段から自分自身の健康に気をつけている人が、ドラッグストアなどで特定の医薬品を購入した場合、その購入費用に応じて所得控除が受けられるものです。
従来の医療費控除は、年間の医療費の自己負担が原則10万円を超えなければ対象となりませんでした。
セルフメディケーション税制は、指定の医薬品の年間購入合計額から12,000円を引いた金額が控除対象となり、控除額の上限は88,000円です。
たとえば、世帯主の課税所得600万円の家庭(所得税率20%、個人住民税率10%とする)が、対象の医薬品を(生計を一にする)家族全員で年間30,000円購入した場合の減税のイメージは以下の通りです。
<年間30,000円の対象医薬品を購入した場合の減税イメージ>
風邪薬や頭痛薬は対象となるが漢方薬は?
対象となる医薬品は、「スイッチOTC医薬品(※1)」として認定されているものです。
詳しくは厚生労働省のホームページに掲載されていますが、風邪薬・頭痛薬・胃腸薬・花粉症などの鼻炎薬から湿布薬、虫刺され、にきびの治療薬など対象は幅広く、詳しくは厚生労働省のホームページに掲載されていますが、風邪薬・頭痛薬・胃腸薬・花粉症などの鼻炎薬から湿布薬、虫刺され、にきびの治療薬など対象は幅広く、2024年9月末時点で2,848品目が認定されています。2022年1月から、対象市販薬が大幅に拡大され、漢方薬も対象になりました。非スイッチOTC医薬品は、2024年7月末で4,250品目が認定されています。
※1 医療用医薬品として用いられた成分が、薬局・ドラッグストアなどで処方せんなしで購入できる医薬品に転換(スイッチ)されたもの
対象となる医薬品には「セルフメディケーション」「税控除対象」のマークがついていますので、ご自宅の薬を1度確認してみるとよいでしょう。
また、対象となる医薬品を購入した際のレシートにも、対象となる旨の表示がされています。確定申告の際には1年分のレシートが必要になりますので、家族全員分のレシートを保管する専用の封筒を用意しておくなど、普段からきちんと整理する習慣をつけておきましょう。
セルフメディケーション税制は、医療費や医療機関で処方された薬は対象とならない点に注意が必要で、健康診断や予防接種を受けていることが条件となります。
また、この税制は当初2021年までの時限措置でしたが、5年間延長され2026年12月までとされました。医療費控除とセルフメディケーション税制を同時に受けることはできませんので、どちらを使ったら節税効果が高いか比較する必要があるでしょう。
執筆者:脇若浩子
ファイナンシャルプランナー(CFP®)、個人投資家。
東京都出身。大手保険会社にて新人育成トレーナーとして商品勉強会・マナー研修講師等を担当したのをきっかけに、退職後の1999年にFP資格取得。
その後、家族の海外転勤により、2002年からオーストラリア・パース→日本→オーストラリア・ブリスベン→日本→カタール・ドーハと、日本と海外を数年おきに移動する生活をしながら、FPおよびロングステイアドバイザーとして執筆・セミナー講師の仕事に従事、2019年に本帰国。女性のためのライフプランニングを得意とする。子どもを現地校・インターナショナルスクールで育てたことから、英語教育にも詳しい。個人投資家としては、株式投資・FXを得意とする。
主な著書等
オーエス出版社「AFP試験一発合格のきめて」 青春出版社「一生お金に困らない女になる!」
Webサイト
「女性のためのお金のため方・つかい方」(外部サイトへ移動します)