全世界株式とS&P500、どちらを選ぶべき? 全世界株式とS&P500、どちらを選ぶべき?

全世界株式とS&P500、どちらを選ぶべき?

人気の全世界株式とS&P500はどう違う?

投資を始めると、他の人はどんな投資信託を買っているのか気になりますね。投資信託ランキングをチェックしたことがある人も多いでしょう。

投資信託ランキングを見ると、人気の投資信託があります。特に全世界株式とS&P500の人気が高いですね。

この2つはどのように違うのでしょうか?

全世界株式
文字通り全世界の株式を対象にしたもので、代表的な指数として、MSCIが公表するMSCIオールカントリー・ワールド・インデックスがあります。

この指数は、先進国23ヶ国、新興国24ヶ国が対象です。ただし、全世界が対象といっても、時価総額の加重平均で算出されるため、時価総額の大きい国や銘柄ほど占める比率が高くなります。そのため、米国株が全体の約6割を占めており、米国株の相場に大きく影響されます。

<国別組入比率>

国別組入比率

※上記の図表は筆者が作成

S&P500
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している、米国株式市場の株価指数のひとつで、ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している代表的な500銘柄の時価総額を元に算出されます。
S&P500は米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしているので、米国の市場動向を把握する上で重要な指標です。

結局のところ、全世界株式とS&P500はどちらがいいの?

それでは、全世界株式とS&P500の値動きを比較してみましょう。下のグラフは、MSCIオールカントリー・ワールド・インデックスに連動する「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と、S&P500に連動する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の基準価格の推移です。

<オール・カントリーとS&P500の推移>

オール・カントリーとS&P500の推移

※三菱UFJアセットマネジメントのデータから筆者作成
※2019年8月から2024年7月まで、毎月初営業日の基準価格の推移


値動きを見ると、どちらもほぼ同じ動き方をしていることがわかります。全世界株式も全体の約6割が米国株であることから、米国株と動き方がほとんど同じになるためです。

動き方は同じでも、S&P500の方が値動きの幅が大きかったこともわかります。全世界株式の方が地域が分散されている分、リスクが抑えられているためと考えられます。

米国株が好調であったため、米国株だけが対象であるS&P500の運用成績の方が良い結果が出ています。米国に絞って投資をしたいという人であればS&P500の方が向いていますし、米国中心に投資をしたいが、リスクはもう少し抑えたいという人には全世界株式が向いているでしょう。

どちらも人気のある投資信託であるため両方に投資したいという人もいらっしゃるかもしれません。全世界株式と米国株は別物、と思うかもしれませんが、全世界株式は約6割が米国株ですので、2つの投資信託に投資すると、かなり米国株の割合が高くなることは理解しておきましょう。

投資信託や指標のネーミングだけで判断することなく、どのような内容なのかを確認し、自分が投資したいと思っている内容かどうかの検証を忘れずにおこなってください。

高田晶子

高田晶子


大学卒業後、信託銀行に就職、人事部配属。宅地建物取引主任者の資格を取得し、念願叶い不動産部で働くも、お客様と銀行のハザマで苦悩する。「この人、この不動産買っても大丈夫だろうか」と思っても言えなかった罪悪感がその後私をFPへ導いてくれたのかも。信託銀行退職後、イベント会社、不動産コンサルティング会社を経て、1996年、ファイナンシャルプランナーとして独立。2010年まで女性3人で活動、年間300件の相談業務を行う。2010年より金融デザイン株式会社(旧株式会社マネーライフナビ)の取締役。長年、個人のお客様の声を直接聞いてきたからこそ作れるコンテンツ作成を主に、失敗しないためのお金の知恵を学ぶ「お金の知恵アカデミー」を展開中。

<資格>
● 1級ファイナンシャルプラニング技能士
● 宅地建物取引士

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