2014年1月3日(土)の日経新聞朝刊1面を飾った「リアルタイム株価予測」について、むらやん氏に徹底取材!現役デイトレーダーはどのようにデイトレ銘柄を探しているのか!?
(Q)この度はkabuステーションを使った具体的なトレード術をお話しいただけるとのことで、ありがとうございます。でも何年も積み重ねてきた研究成果ですよね?お話してしまっていいんですか?こういったことは門外不出なデイトレーダーさんも多いと聞きますけど・・・
(むらやん氏)いえいえ、そんな大げさなものではありませんし、名だたるトレーダーさん方とは違って、僕は元証券会社勤務でもなければ誰かに弟子入りをしたこともありません。こんな僕みたいなトレーダーの話でも誰かの参考になるのであればぜひお話させていただきます。
(むらやん氏)僕はレイアウトを作る時にかかせないポイントが下記の通り5つあります。kabuステーションはいずれも実現可能なので快適に使うことができます。
画面連動機能 | レイアウトの 自由度 |
TICK チャート |
ランキング 機能の充実さ |
事象リスト |
---|---|---|---|---|
ウィンドウの連携機能です。カブコムさんは「HOTキー」があるので重宝しています。 | 好きなところに好きなウィンドウを設置できるかどうかは大事です。 | 僕はだいたい Tickチャートを見ます。5〜10個並べて見ます。 |
銘柄選びの大半をランキングやリアルタイム株価予測で行う僕にとっては必需です。 | ザラ場中の銘柄動向をいち早くアラートしてくれる事象リストもデイトレには必須です。 |
(Q)むらやんさんはTICKチャートを使われるんですね。
(むらやん氏)はい。価格変動が波のように分かるので見やすいです。期間選択も要りませんし。あとはVWAPと前日終値の位置関係が見やすいです。カブコムさんは1分足でも60分足でもVWAPを表示してくれるのでローソク足でもいいんですけどね。フル板発注の板を何本表示するかもウィンドウ枠をつかんで大きく伸ばすだけのさじ加減で本数を増減できるので助かります。他社は10本板を別途呼び出さないといけないですから。しかも別窓で。この辺りは他社のマーケティングや投資家の意見を聞いてくれている感じがします。最近知ったんですが、カブコムさんのチャートってけっこう細かく色を変えられるんですね。
(Q)いよいよ銘柄選びです、ズバリむらやんさんは取引する銘柄をどのように選んでいるのですか?
(むらやん氏)オーソドックス過ぎて恐縮ですが、ランキングから選んでいます。人並みにPERやROE、決算書等も確認することもありますが、日々のデイトレードは指標分析だけでは説明がつかない値動きがありますし、その時々のトレンドに乗れるかどうかですから。いい方を変えるとその時々の流行銘柄を取引するミーハーなトレーダーです(笑)。
(Q)ということは、むらやんさんもソフトバンクやガンホー、ミクシィ、アドウェイズといった銘柄を取引するのですか?
(むらやん氏)はい、全然やります。みなさんと同じような銘柄を売買してますよ。ただそれプラス、面白銘柄も混ぜてます。例えば2日連続でランキングに顔を出していたのに急に姿を見せなくなった銘柄とか。そういう銘柄は勢いがあるけど一時的に押されているケースがあります。そこから反発するところを狙いたいところですが、カブコムさんの詳細ランキングは3営業日前までアーカイブしてくれているので、過去のランキングを見たい場合に重宝しています。「アレ?この銘柄最近値上がり上位にいたよな」とか「この銘柄新顔だな」なんていう時に過去ランキングは役立ちますね。
(むらやん氏)詳細ランキングと同じぐらいリアルタイム株価予測も使います。以前は違う名前でしたよね?
(Q)さすがにお詳しいですね!以前は高度ランキングという名称でしたが機能追加と同時に機能名を改めました。
(むらやん氏)これはずっと欲しいと思っていた機能だったので、リリース当初から注目していました。そういえば最近先物の値段が表示されるようになりましたよね。寄付前に相場の方向をひと目で確認できるようになりました。
(Q)ありがとうございます。それでは具体的な設定例をお聞かせいただけますか?
(むらやん氏)まずはデイトレードの基本である「よく動く銘柄」を探します。上図の通り予想値上がり率を確認するわけですが、フィルタを使って新興市場だけにしてみたり、予想価格上下回数の多い順に並び替えたりして銘柄を探します。気になった銘柄が出てきたら、HOTキーを使って日足で直近のチャートを確認をしたり、四季報でどんな会社か確認したりすることもあります。
(むらやん氏)あと2013年12月のIPOラッシュで気づいたのですが、リアルタイム株価予測は基準値に対応してくれているので上場当日のIPO銘柄もランキングで出るんです!
(Q)そうですね、上場初日は発行価格を基準値にしています。
(むらやん氏)これは便利ですね、普通IPO銘柄は上場初日の終値を基準値とするので他証券会社のランキングは上場翌営業日のザラ場からようやくランキングが出るんです。
(Q)リアルタイム株価予測であれば上場初日のしかも寄付前からランキングされるということですね。
(むらやん氏)そうです。発行価格からの乖離がひと目で分かりますし、複数銘柄上場する日でもコレは買われそうだけどコレはいまいち盛り上がってないな、といった感じでIPO銘柄毎の盛り上がり方も分かりやすいですね。
(むらやん氏)乖離で思い出しましたが、「始値値下がり率」はギャップダウン(=前日終値から下がっている)銘柄を探すのも簡単ですね。日経225先物や個別銘柄が上昇を見せている中、下落している銘柄を探すのに使えます。寄付後うまく売りをこなして下ヒゲを付けだしたら買いを入れるやり方ですね。
(Q)ザラ場中はどんな使い方をされてますか?
(むらやん氏)普通値上がりランキングというと前日比から見た上昇(下落)のランキングですが、リアルタイム株価予測には「立会中のみ」タブに「始値値上がり率」というランキングがあるので、それをよく使います。これもマザーズとJQにしたり騰落率を10%以上にしたりすることによって、面白い銘柄を見つけることができます。ニュースも何も出ていないのになぜか寄付直後から買われている銘柄をよく見かけますが、そういった銘柄もこのランキングで見つけることができます。
(むらやん氏)ザラ場中に大口注文が入ったりすると予想引値上がり率ランキングに急に顔を出す銘柄があります。理由としては機関投資家が大口注文を出してきたり、ファンド等の決算に伴う注文やドレッシング注文等があります。1日の中で一番売買が活発になるのはもちろん寄付時ですが、機関投資家はけっこう14:30ぐらいから引けにかけても注文をガバっと出してくることがあります。リアルタイム株価予測でいうと「引け前」タブの「予想引 値上がり率」ランキングですね。ここを眺めているだけでそういった大口の動向なんかも分かるようになってきした。ある日、急に顔を出してきた銘柄があって、なんじゃこりゃと思ってたら実はその時間にTOPIX組替銘柄候補のニュースが速報されていた銘柄だった、なんてこともありました。
(Q)なるほど、リアルタイム株価予測には様々な使い方があるんですね。
(むらやん氏)リアルタイム株価予測は本当に使わにゃ損な機能だと思います。これからも機能拡充していくと聞いていますし、 今後も機関投資家並機能をより使いやすく提供して欲しいと思います。「デイトレーダーは普段から会社分析や指標監視を欠かさないんでしょ?」といった質問をよくされますが、そんなことはありません。もちろんアナリスト並みにしっかり分析されてるトレーダーさんもいますが、僕はあまりしません(笑)。前回もお話した通りその日にトレードする銘柄は8:30から詳細ランキングとリアルタイム株価予測を見るだけです(笑)。
(Q)ランキング銘柄を見つけたらどのように取引されてますか?
(むらやん氏)ズバリHOTキーでフル板発注に連携させて板発注ですね。僕はこれが一番早く発注できて気に入ってます。
(Q)常時ウォッチしている銘柄はHOTキーをOFFにして、複数のローソク足を同時に見たいチャートはONにしているわけですね。→ HOTキー連携の詳細はこちら
(むらやん氏)はい、ランキングの銘柄名をダブルクリックするだけで連携してくれるので非常に便利です。
(Q)次は、いつ買っていつ売るか具体的なタイミングについても教えていただけますか?これからデイトレードを始めてみたいというお客様も結局そこが一番知りたいそうで・・・
(むらやん氏)全投資家の永遠の課題ですね(笑)僕も教えてほしいです!もとい、全ての売買パターンを説明するのは難しいのでTICKチャートとブレイクについて例を一つだけお話したいと思います。
下記はとある日のマイクロニクス(6871)のTICKチャートです。この日は寄付での仕込みは避け、しばらく様子見をしていたんですが、20分ぐらいしたら前日の終値をブレイクしたので①で信用取引で新規買いました。その後、前日終値ラインとVWAP②で支えを見せたのでホールドすることに決め、③引成で返済をいれておいたら4,000円で売り返済できたというトレードです。VWAPを使ったオーソドックスなトレード手法ですが、このトレードだけで60万程利益が出たと思います。
(Q)VWAPを支持線や抵抗線として使うということですね
(むらやん氏)はい。VWAPの上を株価が推移している時は、その日買った投資家の平均損益はプラスなわけで、さらに前日比プラスの時は株価が堅調に推移することが多くデイトレードしやすいです。逆に、株価がVWAPを下回ってきた時は、全体的に弱含みになるので引けかけての手仕舞い売りでさらに下げることもあります。
★むらやん氏がよく意識するブレイク
(Q)今回はkabuステーションや取引手法までお話いただきありがとうございました!最後にこれからデイトーレドを始める投資家へデイトレードのメリットやメッセージをお願いします。
(むらやん氏)そうですね、デイトレードは基本その日のうちに手仕舞うというルールですから、時間外の影響を受けないのが大きいですね。NY急落や深夜の為替変動を心配することもありません。損失もその日に確定するため旅行中に損失が膨らんでしまったということもなく損失が限定されやすいと思います。また、いつでも休めるというのもメリットだと思います。地合いが難しい時や旅行や急病時等にもデイトレーダーは「休む」ことができますが建玉を持ちこしていると常に監視しなければいけません。あと、「デイトレをやる人は特別なスキルを持っている」と思っている方が多いのですが、決してそんなことはなくお笑い好き音楽好きの普通の兄ちゃんです(笑)。あまり肩肘張らずにコツコツと、いい意味で気軽に始めるといいと思います。
(Q)デメリットとしては何が考えられますか?
(むらやん氏)やっぱり手数料がかさむことですね。僕は今のところプラチナプランなので信用取引手数料はかかっていないのですが、プランを達成するまではゴールドプランでも月4億円の信用引取引をしなければいけません。これからデイトレードを始める方はフリーETFなんかいいと思います。
(Q)確かにフリーETFは手数料無料かつ信用取引もできますから、初心者にはよいかもしれません。
★むらやん氏おすすめフリーETF
(むらやん氏)信用取引は売りから入ることもありますので、練習という意味でも最初は手数料のかからないフリーETFで少ない株数を取引するのがいいと思います。
(Q)MAXIS日経225上場投信 (1346) なんかは1株(口)単位なので16,500円ぐらい(2014年1月時点)で始められますから信用取引が初めての方は入りやすいですね。※フリーETFを信用取引する際は金利などの諸経費が発生します。
(Q)本日はとても参考になるお話をしていただき、ありがとうございました!最近は日経新聞の朝刊1面を飾られたり、京都祗園での吉本の株イベントにTV出演とお忙しそうですが体調にはお気をつけてください!これからもよろしくお願いいたします!
(むらやん氏)こちらこそありがとうございました!これからも人とのつながりを大事にしつつ、トレーディングも頑張ります!
※ 掲載内容は2017年9月以前の情報です。