2024年3月22日、三菱UFJ証券ホールディングスが発行するETN2銘柄(AIセレクトメガトレンド 日本株(ネットリターン)ETN、半導体フォーカス 日本株(ネットリターン)ETN)が東京証券取引所に上場しました。
■AIセレクトメガトレンド 日本株(ネットリターン)ETN(銘柄コード:162A)
テーマ型の投資を行う上場インデックス商品は国内の既存商品もありますが、複数の投資テーマの中から、市場の注目度の高いテーマへの入替を定期的に行う上場インデックス商品はこれまでありませんでした。
本ETNでは、AIによるメディア記事の分析を活用し、注目度の高いテーマを定期的に選定する仕組みを取り入れています。これにより、投資テーマが陳腐化することを避け、また、投資家自身が優良テーマを探したり、乗り換えたりすることが必要なく、継続的に優良テーマに投資ができるものとなります。
AIセレクトメガトレンド 日本株(ネットリターン)ETNの概要
銘柄名 | AIセレクトメガトレンド 日本株(ネットリターン)ETN |
銘柄コード | 162A |
上場日 | 2024年3月22日 |
売買単位 | 1口単位 |
管理費用 | 年率0.95% |
分配金 | 分配金はありませんが、構成銘柄の配当(課税後)を再投資した成果を加味したネットリターン指数を連動対象としています |
発行者 | 三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 |
連動対象指標 | MSCI Japanセレクトテーマティックセンチメントローテーション指数(ネットリターン) |
指数構築のポイント | MSCIのテーマ型インデックス群のうち、投資家の関心度の高い上位4位までに ランク付けされているインデックスに含まれる銘柄の選定 |
NISA対応 | NISA成長投資枠の対象商品 |
AIセレクトメガトレンド 日本株(ネットリターン)ETNの特徴
①産業や社会の未来を形作るメガトレンドへの投資
✓産業や社会生活を変革する可能性のあるメガトレンドに基づくテーマを投資対象とします。
②投資家の関心度が高いテーマへの定期的な入れ替え
✓産業や社会の未来を形作るメガトレンドに基づき様々な投資テーマがありますが、市場が(i)いつ、(ii)どの投資テーマに注目するのか見極めることは困難です。
✓本ETNではAIによるメディア記事の分析を活用し、その時々で市場からの注目度の高いとされる上位4テーマへの入替を定期的に実施します。
③市場平均を上回るリターンを効率的に獲得
✓定量的なルールに基づき銘柄を選定するため一般的なアクティブ運用よりもコストが低く、効率的なリターン向上を目指します。
選定対象となるテーマインデックス群
将来の産業や社会を形作る潮流になると想定されるメガトレンドに基づくテーマが投資対象となります。
MSCIのテーマ型インデックス群
✓将来の産業や社会を形作る潮流になるとMSCIが考える4つのメガトレンドについて設定されたテーマ群(2024年2月末時点で22)
✓対象テーマインデックス群の構成は、定期的に見直しが行われます
(2026年以降、2年毎に実施予定)
✓このうち、MSCI ジャパン IMIインデックスの構成銘柄かつ、過去3ヵ月間の売買代金が10百万ドル以上の銘柄が10以上となるテーマインデックスが選定対象となります
( :2024年2月末リバランス時点の対象テーマインデックス)
出所: MSCI社ホームページ及び提供資料より三菱UFJモルガン・スタンレー証券作成
組入対象となる上位4テーマの選定
AIを活用したスコアリングにより、市場の注目度の高い上位4テーマへの入れ替えを定期的に実施します。これにより、投資テーマが固定・陳腐化することを避け、最新で注目度の高いテーマへ投資し続けることが可能となります。
上位4テーマの選定の選定履歴
指数の算出開始(2017年2月)以降に採用された上位4つのテーマインデックスは以下の通りとなります。
連動対象指標の構築プロセス
連動対象指標のパフォーマンス
■半導体フォーカス 日本株(ネットリターン)ETN(銘柄コード:163A)
短期的に好不況の波はあるものの、半導体関連産業は長期的に成長を続けており、今後もAI等のデータセンター向けや自動運転の普及等により需要が拡大する期待があります。本ETNは、このような分野にフォーカスして投資することで、市場ポートフォリオをアウトパフォームすることを狙ったものです。
半導体フォーカス 日本株(ネットリターン)ETNの概要
銘柄名 | 半導体フォーカス 日本株(ネットリターン)ETN |
銘柄コード | 163A |
上場日 | 2024年3月22日 |
売買単位 | 1口単位 |
管理費用 | 年率0.80% |
分配金 | 分配金はありませんが、構成銘柄の配当(課税後)を再投資した成果を加味したネットリターン指数を連動対象としています |
発行者 | 三菱UFJ証券ホールディングス株式会社 |
連動対象指標 | iSTOXX MUTB ジャパン半導体インデックス(ネットリターン) |
指数構築のポイント | 直接の売り上げを通じて、日本の半導体業界へのエクスポージャを有する銘柄の選定 |
NISA対応 | NISA成長投資枠の対象商品 |
半導体フォーカス 日本株(ネットリターン)ETNの特徴
①中長期的な成長が期待される半導体関連企業への投資
✓ 短期的に好不況の波はあるものの、半導体関連産業は長期的に成長を続けており、今後もAI等のデータセンター向けや電動自動車の普及等による需要拡大が期待されています
✓ 当該産業において、日本企業は半導体製造装置を中心に高い市場シェアを維持しています
②“半導体時価総額”に着目し半導体関連のパフォーマンスを適格に反映
✓ “半導体時価総額”(半導体売上高比率×時価総額)によるウェイト付けにより、半導体関連産業の動向を指数のパフォーマンスにきめ細かく反映します
③1銘柄当たり上限7.5%に抑え、分散投資と投資効率の向上を図る
✓ ウェイト上限7.5%に抑えた設計により、分散投資によるリスクリターンの向上を図っています
半導体の世界市場の推移
半導体は、ほとんど全ての電子機器に使われている基幹部品であり、近年では、5G・ビッグデータ・AI・IoT・自動運転・ロボティクス等のデジタル社会を支える基盤として、重要度が高まっています。 半導体の世界市場規模は、2024年に2桁の成長が予測され、2030年には1兆ドルを超えるという予測もあります。
半導体産業における日本のシェア
半導体産業において日本企業は半導体製造装置や半導体部素材などで国際的な競争力を維持しており、このような半導体セクターに投資することで、世界的な市場拡大の恩恵を受けることが期待されます。
“半導体時価総額”によるウェイト付け
本指数では、“半導体時価総額”(半導体売上高比率×時価総額)で構成銘柄のウェイト付けを行います。
これにより、半導体売上高比率に応じて、半導体関連企業各社の株価をきめ細かく指数に反映することができます。
連動対象指標の構築プロセス
連動対象指標のパフォーマンス
構成銘柄のウェイト上位10と半導体売上高比率
<連動対象指標の算出要領>
以下サイトの中ほど「METHODOLOGY」をクリックし、「Index Guide」を選択。
表示されるファイルの目次から、「iSTOXX MUTB INDICES」の中の「iSTOXX MUTB JAPAN SEMICONDUCTOR」。
https://qontigo.com/index/isxmsen/
<主要構成銘柄・月次レポート等についてはこちら>
■ご参考:ETNとは?
ETNとは、「Exchange Traded Note」の略称で、「上場投資証券」または「指標連動証券」と呼ばれており、償還価額が株価指数や商品価格等の「特定の指標」に連動することを目的とする債券です。
ETNは、ETFと比較して主に以下のような特徴があります。
✓ 裏付けとなる資産を持たない
ETNは発行体となる大手証券会社や銀行などの金融機関が対象指標との連動性を保証することとなるため、裏付けとなる現物資産は保有しません。
✓ トラッキングエラーが発生しない
ETNは発行会社が特定の指標に連動するよう保証するため、トラッキングエラー(基準価格と対象指標との間のずれ)は運用にかかる手数料分を除き発生しません。
そのため、対象指標の動きをよりリアルに捉えることができます。
✓ ETFでは組成困難な指標でも投資対象にできる
ETNは裏付けとなる現物資産を保有しないので、時間の経過とともに劣化する農産物、「ヘッジファンド指数」や「レアメタル価格」なども投資対象とすることができます。
◇ETNとETFの比較
(上場投資商品又は指標連動商品) |
(上場投資信託) |
|
リターン | ||
売買時間 | ||
裏付資産 | ||
メリット | ・トラッキングエラーがない ・幅広い指標を対象とできる |
・運用会社からの倒産隔離がなされている |
デメリット | ・発行体からの倒産隔離がなされていない | ・トラッキングエラーが発生する可能性あり |
税制上の取扱い |