美術鑑賞で教養や創造力を鍛える!?
美術鑑賞というと、趣味で楽しむものという印象があるかもしれませんが、別のアプローチから美術鑑賞を取り入れる動きが広がっているようです。
例えば、絵画の描かれた時代背景(政治・宗教など)を、世界史や西洋美術史で学びます。真の教養を身に付けるとともに、絵画への理解を深めることができます。
また、ある美術館では絵画鑑賞をビジネスシーンに役立てるセミナーも。アートを通じて観察力、表現力、多様性の理解などを鍛え、新たなビジネスモデルの創造や新製品開発などに活かそうというものです。
美術品には投資としての一面も
絵画などの美術品は、鑑賞すること以外に、取引による値上がり益を期待する「投資」としての一面もあります。では、美術品の価格はどのように決まるのでしょう?
例えば有名作家なら、画廊とともに価格を設定し、買い手が付けば最初の価格が決まります。そこから売買が繰り返されることで、市場での価格が変動しながら定まっていくのです。
売買の過程では、画廊をはじめ百貨店のギャラリーなど、多くの人たちが関与します。中でも大手オークション(株式の証券取引所に当たるもの)は、美術品の売買の場所として国際的なネットワークを活かし、価格設定に大きな影響力を持っています。
ちなみに、国内の作家の作品の評価額を調べるのなら、『美術年鑑』などが参考になります。日本画・洋画などのジャンルごとに、作家の受賞歴や作品の評価額が載っています。
美術品は配当が付くものではないですし、売りたいと思ったときにすぐ売れるものではありません。また、長く持っていれば必ず価格が上がるものでないことは、株式など他の投資と同様です。
とはいえ、美術品は1つの作品を一人が所有するのが基本。売りに出さなければ価格は決まりませんから、日々の価格変動を気にしなくてすみます。何より、美術品を所有することは心を豊かにしてくれるものでもあります。
美術品は、株式投資のように株価指標や企業財務など、客観的なデータで選べないからこそ「目利き力」を養いたいもの。有名作家の展覧会も多く開催されているので、美術館に出かけてみてはいかがでしょうか。