習うより慣れよう!
小学館の大辞泉には、資産運用とは「自分の資産を増やす目的で、貯蓄したり、投資したりすること」と書かれています。
運用と聞くと株式や投資信託で運用することを思い浮かべると思いますが、預貯金も運用のうちです。
投資は未経験でも、定期預金や財形貯蓄などの預貯金による運用はすでに経験済みという方は多いと思います。
では投資未経験の方は何からはじめればよいのでしょうか。
預貯金しか経験がない方にとって、自分が投じたお金が、自分が意図することなく値上がりしたり値下がりしたりするのは不思議な感じをおぼえるのではないでしょうか。
それをすんなり受け入れられる方もいれば受け入れられない方もいるでしょう。
そこで「投資をしたら自分はどんなことを感じるのか」をまずは体験してみることをおすすめします。
(表)はじめて投資をするなら
投資初心者向けのはじめの一歩として、ワンコイン投資や少額投資などの気軽さが提案されたり、投資の際には手数料をチェックして銘柄分析をしようとアドバイスしている情報が多いですが、あまり細部は気にせず「習うより慣れる」で一歩を踏み出してみましょう。
知識は徐々に勉強していけばよいと思います。
資産運用の目的は?
ところで資産運用の目的は何ですか?その目的はずばり「資産形成のため」ではないでしょうか。
将来のライフイベントに備える、豊かな暮らしを得るためなどでしょう(「趣味」という方もいるかもしれません)。
資産形成するのであれば目的を明確にして計画を立てる必要があります。
投資未経験の方は大雑把でよいので、自分なりの目的や計画を考えてみてください。
目的や計画があれば商品選びにもちゃんと理由ができ、間違った投資を避けることができます。
(表)目的と計画で選ぶ商品が決まる
目的はライフイベントのための資金が多いでしょう。
教育資金やマイホームのための頭金、セカンドライフのための資金、起業資金、思う存分に趣味を楽しむための資金など人それぞれでしょう。
計画はそれらの資金をいつまでにいくら準備するかです。
「いつまでに」が決まると運用する期間が決まり、「いくら」が決まると毎月積み立てる(投資をする)金額が決まります。
つまり、預貯金による運用は近い将来に必要なお金を準備するための方法で、投資による運用は時間をかけて資産をふやすための方法と理解しておきましょう。
近い将来に必要なお金を投資に回してしまうことは絶対にしてはいけません。
また、目先の値動きや損得に一喜一憂することなく、長い目でじっくり取り組む姿勢が投資には大切です。
執筆者:石川英彦
金融デザイン株式会社 代表取締役
愛知県生まれ。南山大学経営学部卒業後、北米大陸をオートバイで周遊。帰国後、保険代理店の手伝いをしたことで金融の世界を知る。その“奇妙”な世界に疑問を感じ「お金に関する情報形成」「売り手と買い手がハッピーになる金融コンテンツづくり」をミッションとした、株式会社マネーライフナビを設立(1996年)。FP(ファイナンシャルプランナー)の実務をこなしながら多数の金融コンテンツ制作を手がける。2017年9月に社名を金融デザイン株式会社に変更。インフォグラフィックスやウェブのデザインまで領域を広げる。持ち味マネーカード(お金占い®)を武器に、失敗しないためのお金の知恵を学ぶ「お金の知恵アカデミー」を展開中。