2020年 日本の金メダル数は? 投資信託を通じた金への分散投資という選択肢 2020年 日本の金メダル数は? 投資信託を通じた金への分散投資という選択肢

2020年 日本の金メダル数は? 投資信託を通じた金への分散投資という選択肢

2020年に入り、中東情勢の緊迫化や新型肺炎の感染拡大といった予想外のニュースが次々と世界のマーケットを賑わす展開となっている。今後予定されている主要な政治・経済イベントに加えて、新たな予想外のニュースがマーケットを動かしていく可能性も否定できない。そのような環境下で、注目されるのが金投資であると考えている。

金投資は、通常、リスク資産の価格下落に対する保険と考えられ、金は主な金融資産との低相関、場合によっては負の相関を示し、ポートフォリオのリスク分散効果が期待できる。また、金融市場の混乱時には、安全資産として、プラスのリターンを上げる傾向が見られている。

2019年の金価格は、世界的に株価が上昇するなかで、1年間で見ると予想以上の上昇となった。この金の上昇要因については、米金利の低下や中東の地政学リスクが意識されたことなど様々な見方があるものの、2011年の過去最高値から長らく続いていた調整局面がテクニカル的に終了したことが大きいではないかと筆者は捉えている。

NY金価格(月足)

出所:QUICKのデータを基に当社作成

こうした点に加えて、中長期的な投資においては、リターンの追求よりもリスクの低減がより重要であり、様々な市況環境を乗り越えながらも、資産を守るためには投資先の「分散」が肝要となる。そのために、2020年も不透明感が強まるなかでは、金のような「リスクが独立している資産」をポートフォリオに組入れる重要性が増していくだろうと考えている。そしてそのコンセプトを比較的容易に実現できるひとつの方法が、投資信託を通じた金への投資である。

auカブコム証券が取扱っている金を主要投資対象とする投資信託は以下の通りである。

金を主要投資対象とした投資信託(3年リターン順)

ファンド名 運用会社 3年リターン
(年率)
1年リターン 純資産総額
(億円)
1 iシェアーズ ゴールドインデックス
(為替ヘッジなし)
ブラック
ロック
6.21% 16.08% 18
2 ピクテ・ゴールド
(為替ヘッジあり)
ピクテ 5.55% 14.30% 327
3 三菱UFJ 純金ファンド
(愛称:ファインゴールド)
三菱UFJ国際 5.53% 15.16% 232
4 ステートストリート・
ゴールドファンド
(為替ヘッジあり)
ステート
ストリート
5.21% 13.58% 18

※2019年12月末基準
金を主要投資対象とする当社取り扱いファンド(設定から3年以上)が対象

金地金への実物資産に投資を行う場合には、通常、購入手数料などのコストが発生するが、auカブコム証券での投資信託を通じた金への投資なら、全ての投資信託が購入手数料無料(ノーロード)である。

金地金への実物資産投資とは違って、投資信託はノーロードのためファンドの運用実績がほぼ投資家のリターン(税引前)となる。また、仮に解約した場合でもこれら4ファンドについては解約時の実質的なコストに相当する信託財産留保額もかからない(ただし、保有時のコスト(信託報酬)は発生する)。さらにauカブコム証券では投資信託については100円からお手軽に投資できるため、金への投資のハードルも低いといえる。

税制面においても、金地金を売却したときの譲渡所得金額の計算方法は保有期間によって異なるなど複雑であるが、投資信託の場合、特定口座の源泉徴収ありを選べば、ほぼ手間がかからない点も強調しておきたい。

2020年は夏の東京五輪に向けて「日本は金メダルを何個獲得できるのか?」というニュースが話題になっていくことになりそうだが、マーケットにおいては、分散投資の有効な方法として金の価格動向に注目したい。

投資信託を通じた金への投資の場合、金の輝きを手に入れることはできないが、そのかわりに金の輝き(=金メダル)は日本選手団に期待したい。

ファンドアナリスト 川上雅人

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