2025年4月13日開幕の日本国際博覧会(大阪・関西万博)まで、あと半年を切ってきました。(開催期間は同10月13日までの半年間)
当初は参加国が少なくなるのではないかといった懸念や、建設費用の高騰などネガティブな話題が多かったものの、直近ではパビリオンなどの施設がその姿を現し始め、展示内容についても明らかになってきました。
こうした中で、出展企業やパビリオンなどの建設にかかわる企業への関心が高まりつつあります。
万博の共通コンセプトは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。
先端技術を駆使し、映像などで近未来の社会を表現するパビリオンが登場する見通しです。
日本で開催された万博として、最も注目されたのは1970年の日本万国博覧会(大阪万博)です。
入場者数は6,422万人で、国内で開催された中では最高の集客を誇っています。
宇宙船アポロ12号が持ち帰った「月の石」に長蛇の列ができ、カプセル内で自動的に体を洗う「人間洗濯機」などが話題となりました。
ちなみに、大阪万博も当初は不人気で、日を追うごとに人気が高まった経緯があるそうです。
現在も前売り券の販売はさえないようですが、徐々にキャッチアップする可能性があります。
今回の想定入場者数は2,820万人です。
今回は日本の南極観測隊が2000年に発見した世界最大級の「火星の石」が目玉のひとつで、iPSミニ心臓の展示も予定されています。
三菱グループが出展する「三菱未来館」では深海や宇宙を巡る映像体験ができるもようです。
日立とKDDIはデジタルツインで実現する「未来の都市」を出展します。
シアター型のアトラクションや、子供が体を動かしながら参加できるゲームコンテンツなどが体験できるそうです。
万博会場では「空飛ぶクルマ」のデモ飛行が行われます。
実際に人を乗せての実用化が期待されていましたが、型式証明の取得などが間に合いませんでした。
ただ、4事業社が実用化へのアピールする場にはなりそうです。
また、水素燃料電池(FC)船が日本で初めて旅客運航されるほか、特定条件下でシステムが全ての運転を自動で行う「レベル4」の自動運転バスが走行する予定です。
料金はキャッシュレス決済を想定しています。
万博関連銘柄をピックアップします。
バンダイナムコHD(7832) バンダイナムコHD(7832)
「ガンダム・ネクスト・フューチャー・パビリオン」を出展。
ガンダムを通して世界中の人とつながり、ともに未来を考えるきっかけの場とすることを目指す。
2022年の発表資料によれば「もう一つの宇宙世紀」を舞台に、未来社会の課題解決に向けた壮大な実証実験を行うという。
人気アニメ「機動戦士ガンダム」の実物大模型(高さ17メートル)を展示予定。
同社パビリオン「Natural(ナチュラル)」では次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」を活用し、来場者の身体をスキャンしたデータをもとに再現したアバター(分身)が離れた場所の実空間を巡るなどの体験ができるようになる。
IOWNは通信の遅延が200分の1となるため、リアルな状況を実感できるという。
触覚やにおいを遠隔で体験できるとの報道もある。
人材派遣大手。
パビリオン「PASONA NATUREVERSE(パソナ・ネイチャーバース)」を出展する。
最大の目玉は「iPS心臓」の展示。
培養液の中で「iPS細胞」が実際に拍動する様子を展示し、医療の未来・いのちの未来を創る新たなテクノロジーの可能性を世界に向けて発信するとしている。
パビリオンナビゲーターは鉄腕アトム。
大阪公立大とパビリオン未来都市「ウエルネススマートシティ」を共同出展。
長径24メートルの巨大なジオラマ。
飯田Gが考える未来都市を表現。
また、住宅におけるエネルギーの自給自足のカギとなる、CO2を活用してエネルギーを創出する「人工光合成技術」を展示する。
展示施設、商業施設などのディスプレー企画・設計・施工の最大手。
2025年2月期の第2四半期(3~8月)の「博覧会・イベント市場」セグメントの受注高は103億8,300万円(前年同期比2.4倍)、同受注残高は121億3,800万円(同5.6倍)と急増。
全体でも受注残高は858億7,700万円(同37%増)で過去最高を更新した。
空間ディスプレー企画、設計の大手。
2025年月期の第2四半期(2~7月期)では、万博案件が含まれる「商業その他施設事業」セグメントの受注高が358億6,500万円(前年同期比56%増)と急増している。
通期でも512憶円(前期比9.6%増)を見込む。