「スポット購入」とは? プラスするといいワケは?
つみたてNISAやiDeCo口座などでの積立投資をメインに、将来の資産づくりをしているという方は多いでしょう。
そして、手元に余裕資金があるときは、いつもの積立投資への増額を検討されている方も多いかもしれません。
ですが、投資信託の購入のしかたには、積立という方法のほかに、好きなときにまとまったお金で一括購入をする「スポット購入」という方法もあります。
実は、このスポット購入には、積立投資にはない魅力がいっぱいです。
スポット購入をうまく取り入れることで、積立投資のみで資産づくりをする場合よりも、資産形成のスピードが速まる可能性もあるのです。
当面使う予定のない普通預金や、ボーナスなどの一時金があるときは、積立額の増額だけでなく、投資信託のスポット購入も検討してみましょう。
図表 <早わかり! スポット購入(投資信託)の概要と特徴>
スポット購入は、資金をコツコツと投資していく積立投資と違い、手元のまとまったお金を一度に投資へと回せます。
積立投資にプラスすることで、目標額に早く到達しやすくなるだけでなく、スポット購入したファンドが生む利益も期待できるため、目標額よりも多くの資産をつくれる可能性も高まります。
購入するタイミングや商品選びのコツは?
●いつ購入したらいい?
スポット購入は、投資信託の基準価額が下がったときを狙うのが理想です。
リーマンショックやコロナショック時などに見られたような、相場が大きく下落したときが絶好の購入チャンスです。
とはいえ、こうしたビックチャンスは数年に一度あるかないかです。
ですので、最安値を狙うのではなく、「このところ相場が下がっている」というニュースを見聞きしたときなどに購入するというスタンスでOKです。
長期投資と考えれば、前後数日間の基準価額の違いはさほど大きな差ではありませんから、神経質になりすぎず購入を検討できます。
「この先もっと下がるかも?」そんな予感がするときなどは、2~3回に分けて購入してもよいでしょう。
●ファンド選びのポイントは?
資産づくりが目的のスポット購入は、目先ではなく、10年後、20年後などのゴール時に、基準価額が値上がりしていることが見込まれるファンドを選ぶことが大原則です。
例えば、将来に向け経済成長が期待できる国や、この先、大きく成長しそうな分野に投資するファンドなどが候補となります。
また、積立投資で設定している目標額なども考慮したうえで、ファンド選びをすることも大事です。
最終的に自分が準備しておきたい資産額を考えたとき、積立投資だけで達成できそうな場合と、スポット購入分を大きく増やす必要がある場合とでは、選ぶべきファンドは違ってきます。
目標額全体の中で、狙うべきリターンを検討し、それを達成できるファンドを選ぶことがポイントです。
大きな値上がり益を求めるなら株式の割合が高いもの、安定した運用を望むなら債券の割合が高いファンドなどが候補になるでしょう。
購入手続きはとってもカンタンです! auカブコム証券の場合、マイページにログイン後、購入資金を振込入金すれば、いつでも「投信」ページから購入できます。
スポット購入は自分で判断することが多い分、積立投資では味わえない投資の楽しさや醍醐味なども味わえます。
積立投資オンリーという人は、ぜひスポット購入もプラスしてみてはいかがでしょうか。
執筆者:髙木惠美子
信託銀行勤務、専業主婦、カラーコーディネータなどの仕事を経て、2011年フリーのファイナンシャルプランナーに。愛知の地方都市に営む小さなFP事務所ラパンの代表。相談・執筆を中心に、お金だけでなく、健康や地域交流の大切さなどもコツコツと伝えている。最近は、健康をつくる食のあり方にも興味を持ち、農園の仕事も手伝い始めた兼業?!FP。心ゆたかに暮らすためのお金のため方、使い方を日々研究しながら、お客さまの持ち味にあったアドバイス、実践のお手伝いなどをしている。また、1つのことにこだわらない広い視点・自由な視点が売りでもある。趣味はフルート・観劇・美術館めぐりの超文化系。節約苦手のバブル世代だが、趣味代を捻出するための節約は得意である。