CHAPTER
5

FXで利益を出す方法

CHAPTER 5 他の金融商品との比較
1

FXで利益を出す
2つの方法

FXで利益を出す方法は「為替差益」と「スワップポイント」の2つです。それぞれの方法について解説します。

方法 1

為替差益

為替差益とは、為替レートの変動(買値と売値の価格差)によって得られる利益のことです。価格が安いタイミングで「買い」で取引を開始し価格が上昇したタイミングで決済すれば、その差額が利益になります。

たとえば「1米ドル=100円」のタイミングで、日本円で米ドルを10,000米ドル(1,000,000円分)購入し、「1米ドル=101円」のタイミングで10,000米ドル(1,010,000円)を売却すれば、10,000円の利益が出せます。逆に、価格が高いタイミングで「売り」で取引し、価格が下落したタイミングで決済して利益を出すことも可能です。「買い」からでも「売り」からでも利益を出せることがFXの魅力です。

価格が安いタイミングで
「買い」で取引した場合

「買い」で取引した場合

価格が高いタイミングで
「売り」で取引した場合

「売り」で取引した場合
方法 2

スワップポイント

FXでは、為替差益だけではなくスワップポイントでも利益を出すことができます。スワップポイントは、ポジションを解消(決済)しない限り蓄積されていくので、中長期的な投資に適した方法といえるでしょう。

低金利国の通貨を売って高金利国の通貨を買った場合、そのポジションを翌営業日に持ち越すとスワップポイントを受け取れます。反対に低金利国の通貨を買って高金利国の通貨を売った場合、そのポジションを翌営業日に持ち越すとスワップポイントの支払いが生じるので注意しましょう。

2

2種類のトレード方法

FXのトレード方法は、順張りと逆張りの2種類に分けられます。利益を出すためにも、この2種類の方法をおさえ、トレンドの流れに乗れるかどうかが重要です。

方法 1

順張り

トレンドの流れに沿って、上昇傾向の場合には「買い」で下降傾向の場合には「売り」でエントリーするトレード方法です。トレンドが継続する限り利益が増えていきます。ただし「このまま上昇トレンドが継続する」と予想して買いでエントリーしたものの予想通りに上昇しないという場合や、「このまま下降トレンドが継続する」と予想して売りでエントリーしたものの予想通りに下降しないという場合もあります。
ポジションを保有した直後にトレンドが転換し、予想とは逆に相場が動き出すと損失が拡大し続けるので、その場合は迅速に決済(損切り)しましょう。

順張り

順張り 順張り
方法 2

逆張り

トレンドの流れに逆らったトレード方法です。「トレンドの転換点」を見極めて売買を行う方法であり、「現時点ではトレンドは上昇傾向であるものの、反転して下降に転じそうだ」と判断し売りでエントリーする場合や「現時点ではトレンドは下降傾向であるものの、反転して上昇に転じそうだ」と判断し買いでエントリーする場合もあります。トレンドとは逆のポジションを保有するため予想が外れてトレンドが反転しなかった場合、損失が拡大していく可能性がありますので注意しましょう。

逆張り

逆張り 逆張り

トレードのポイント

順張りを行うタイミングのポイントは、上昇(下降)トレンドの中で一時的に下がった(上がった)瞬間を狙うとよいでしょう。相場は常に上下に動いておりトレンドが形成されていても一時的に逆行する瞬間があるので、そのタイミングでエントリーを行いましょう。

逆張りを行う場合は、一定の幅で価格が上がったり下がったりを繰り返していることを確認した上で、反転ポイントとなる高値圏・安値圏でエントリーしましょう。また要人によるサプライズ発言で相場が一時的に変動した場合も、元の価格帯に戻る傾向があるため逆張りが有効です。

なお、ポジション保有時間が長くなるほど突発的な事象(大規模自然災害・戦争や紛争など)に遭遇し激しい相場変動に巻き込まれる可能性が高まります。そのためポジション保有時間が長い手法でトレードする際には、レバレッジを低めに設定しておきましょう。

トレードスタイル別ポジション
保有時間について

「トレンドの流れを掴めるかどうか」とは別に、トレードスタイル別のポジション保有時間(エントリーから決済までの時間)は下表の3種類に分類されます。

トレードスタイル別
ポジション保有時間

スキャルピング
ポジション保有時間

数秒〜数十秒程度

取引スパン

数秒~数十秒の間に何度
も利益を狙う

デイトレード
ポジション保有時間

数十分~1日程度

取引スパン

その日の内に利益を狙う

スイングトレード
ポジション保有時間

数日〜数週間程度

取引スパン

数日~数週間かけて利益
を狙う

スキャルピング

ポジション保有時間が数秒~数十秒程度のトレード手法です。1回あたりの利益は大きくありませんが、何度も売買を繰り返して少しずつ利益を積み重ねていくことによって、トータルで大きな利益を実現できます。

スキャルピング スキャルピング

デイトレード

ポジション保有時間が数十分~1日程度のトレード方法です。次の日にポジションを持ち越さないため「寝ている間にトレンドが反転し、大きな損失が出てしまう」というリスクを排除できます。

デイトレード デイトレード

スイングトレード

ポジション保有時間が数日~数週間程度のトレード方法です。日をまたいでポジションを保有し続けるため、比較的ゆとりをもった取引ができます。高金利通貨を買い低金利通貨を売った場合、為替差益に加えてスワップポイントによる利益も期待できます。

スイングトレード スイングトレード

ご自身に適した
トレード方法について

「どの方法でトレードを行うべきなのだろうか」とお悩みの方もいらっしゃるかもしれませんが、最適な方法はご自身の生活リズム・性格・投資方針などによって異なります。

たとえば「仕事で忙しく長時間トレード画面を見続けられない」という方には、ポジション保有時間が短いスキャルピングが向いています。短時間で新規注文・決済注文を繰り返すため決断力が求められますが、出勤前・昼休み・帰宅後などちょっとした空き時間に売買を行うことができます。

FXには様々なトレード方法が存在します。それぞれの特徴を把握した上で、ご自身に適した方法でトレードを行っていきましょう。

3

FXトレードルール

FXで安定的に利益を出すコツは、「トレードルール」を作りそれに基づいて売買を行うことです。「100%勝てるトレードルール」というものは存在しませんが、ルールの検証と改善を繰り返していくことで勝率を向上させることが可能です。

ルール 1

利益を出すためには
「トレードルール」の作成が重要

トレードルールとは、ご自身で決めた売買に関するルールのことです。FXでコンスタントに利益を出し続けるためには「根拠」に基づいてトレードを行わなければなりません。また、このトレードルールを定めておくことで「いつポジションを建てて決済を行うか」を改善する基準になります。「もう少し待てば価格が上がるだろう」「上がるまでは決済をしない」などと感情任せにトレードを行っていると、大きな損失へとつながりかねません。
「用意できる自己資金」「費やすことが可能な時間」「許容できるリスク」などのルールも大事ですが、「この時間以外は取引しない」「馴染みがない国の通貨は売買しない」など立てやすいルールから作っていくことも始めやすいキッカケになるでしょう。

トレードルール

用意できる
自己資金

用意できる自己資金

費やすことが
可能な時間

費やすことが可能な時間

許容できるリスク

許容できるリスク
ルール 2

取引終了後にトレードルールの
検証と改善を行うことで勝率向上

取引した後にトレードルールの検証や改善を繰り返していくことで、勝率を向上させていくことが可能です。具体的には、利益が出たパターンや損失が出たパターンを浮き彫りにし「どのくらい予想通りに動いたら決済するのか」を決め、取引を行う度にトレードルールの検証や結果の振り返りをしていくことが大切です。勝率を少しずつでも向上させるには、「トレードをしたらそれで終わり」ではなく記録を付けてトレードルールの検証や改善を行いましょう。

ルールの検証・改善

1

記録を

付ける

2

ルールの

検証

3

ルールの

改善

注意点

FXで運や勘に頼った売買を
続けていると、
大きな損失を
出す可能性が…

FXを始めたばかりの人の中には運や勘に頼って売買をする方がいますが、FXはギャンブルではありません。そのような取引の仕方でも利益が出る場合もありますが、長期的には大きな損失を出してトレードの世界からの退場を余儀なくされる可能性が高いことを認識しておきましょう。

また予想と反対に動いた際には「もう少し待っていれば、予想通りの方向に戻るだろう」と期待してしまいがちですが、さらに損失が拡大してしまうケースもあります。トレードルールを作成しルールに基づいて売買を行えば、感情に左右されることなく冷静に取引を行うことができます。

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