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投信レポート

投信レポート Vol.3 米朝首脳会談開催で注目されるベトナムへの投資

2019年3月7日

2019年に入り、世界の株式市場は総じて反発局面を迎えているが、今後は世界的な景気減速を背景とした企業業績の不透明感などが意識され、国・地域によって株式パフォーマンスに差がつく展開を予想している。このような環境下では、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が良好な国・地域への投資が有効と考えており、なかでも2月下旬に米朝首脳会議が開催された「ベトナム」に注目している。

ベトナムに注目する理由としては、(1)低労働コストを背景とした海外からの直接投資の増加、(2)人口動態を背景に高成長が見込まれる経済、(3)株式市場の成長余力、の3点である。

(1) 低労働コストを背景とした海外からの直接投資の増加

ベトナムに対する海外からの直接投資(FDI)は近年順調に伸びており、2018年は前年比9.1%増の191億ドル(推定値)と発表されている。中国の工場から輸出を行ってきた日米韓の製造メーカーが、米中貿易摩擦が進展する中その生産拠点をベトナムへ移転させる動きを加速させている。その背景には人件費が安いにも関わらず、ベトナムの科学的リテラシーが高い(経済協力開発機構(OECD)調査で72カ国・地域中8位)ことがあり、携帯電話・部品を中心に海外製造業の産業集積化が進展している。

FDI 実行額(10億ドル)

製造業・非製造業の労働コストの比較

  • ドルへの換算は、香港、シンガポール、北京、バンコク、クアラルンプールについては2018年10月の平均レート、その他の都市は2017年10月の平均レートを適用。
  • 正規雇用、1月あたりの基本給。実務経験3年程度の作業員の場合
    (出所)アジア・オセアニア進出日系企業実態調査、2017年10月~2018年11月ジェトロ実施。

ベトナムは世界各国との自由貿易協定(FTA)締結による積極的な自由貿易政策を推進しており、CPTPP(新TTP、環太平洋パートナーシップ協定)の参加国でもあり、広範な経済圏の中で自由貿易の利益を享受できる体勢が培われている。ベトナムは早晩「世界の工場」たる地位を中国から奪うとの見方もある。

(2) 人口動態を背景に高成長が見込まれる経済

アセアンの主要な新興国(インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム)の中で、2018年の経済成長率はベトナムが最も高かったと推定され、その傾向は今後も継続すると見られている。ベトナムの2018年末現在の1人当たりGDPは国際通貨基金(IMF)の推定値では2,553ドルと、この5カ国の中で最も低い水準にあるものの、2年後の2020年には3,000ドルを突破すると予想されている。

べトナムの一人当たりGDPの推移と予測値

一般的に1人当たりGDPが3,000ドルを超えると、人々が生活に最低限度必要な衣食住が足りるようになり、必需品をこえた便利なもの(紙おむつ等)が売れるようになるとされる。さらにより嗜好性のある自動車・エアコンなどの消費市場が急速に拡大するようになると言われている。
ベトナムは2017年末現在、20-30歳代が多く、9,368万人の人口は今後も増加が予想されており、人口ボーナスを享受できる状況にある。同国は共働き世帯も多く、中間層・富裕層の発達も顕著であり、消費財需要の拡大は必至とみられ内需の急速な拡大が予想される。

(3) 株式市場の成長余力

ベトナムは株式市場への外資導入にも積極的である。日欧米をはじめとする先進国投資家による同国株式市場へ投資を促すことによって、同国株式市場の近代化を図りたい意向である。優良企業の民営化や政府株式放出によって流動性を高める一方、英語によるIR(インベスター・リレーションズ)の充実や外国人保有枠の緩和・撤廃等の投資環境の改善策に励んでいる。これらの施策はMSCIやFTSEといった指数算出会社からも評価されており、近い将来多くの先進国の機関投資家が投資可能となる「MSCIエマージング・マーケット・インデックス」へ組入れられる可能性が高いと思われる。同国の株式市場は今後数年のうちに飛躍的に拡大する可能性を秘めていると考えている。

このような理由からも、近年ベトナム株式を主な投資対象とした投資信託が増え、残高を拡大してきている。高い経済成長が期待できる国「ベトナム」の株式を分散投資のひとつの候補として検討してみてはいかがしょうか。

なお、以下にあげるベトナム株式を投資対象とする投信は、それぞれファンドの特色が異なる点にも留意したい。

当社取扱いベトナム株式を投資対象とする投信【トータルリターン(3年)順】

  ファンド名 運用会社 トータルリターン(3年) 純資産総額(億円) 販売手数料
1 ベトナム成長株インカムファンド キャピタル アセットマネジメント 12.18% 184 ノーロード
2 ベトナム株式ファンド 三井住友アセットマネジメント 11.52% 37 3.24%
3 CAMベトナムファンド キャピタル アセットマネジメント 10.18% 54 2.16%
4 SBIインド&ベトナム株ファンド SBIアセットマネジメント 7.92% 88 ノーロード
5 ベトナム・ASEAN・バランスファンド T&Dアセットマネジメント 5.45% 19 ノーロード
  • トータルリターンおよび純資産総額は2019年1月末基準
  • 販売手数料が段階制の場合は最高料率を表示

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