投資情報室

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旬なテーマを深堀り♪仏大統領選目前、対ユーロの想定為替レートと影響度を再点検!(藤井明代)

(木)

いよいよ仏大統領選、大混戦のシナリオと注目点

 4月23日(日)に仏大統領選を控え、金融市場では注目度とともに緊張感が高まっています。現在は4人の有力候補が混戦しており、23日の第1回投票で過半数を獲得する候補者がいなければ、上位2人が5月7日(日)の決選投票に進む予定です。
 世論調査の結果で首位を争うのは、EU・ユーロ圏の離脱を公約に掲げる極右・国民戦線党首のルペン氏と、反対にEUの再活性化を求める独立系中道のマクロン氏です。そのほか、足元で急速に支持率を伸ばしている急進左派の左翼党党首でEU・NATO離脱を掲げるメランション氏、中道右派・共和党のフィヨン氏が競り合いをみせています。
 足元はいずれの候補者が勝利してもおかしくない状況下で、5月の決選投票は避けられないとの見方が大勢です。そのため、最大の焦点はEU離脱を掲げるルペン氏とメランション氏の2候補が同時に決算投票へ進むか否かとなりそうです。同2候補が決選投票に進んだ場合には、EU残留派の投票先がなくなり、仏国内で混乱が生じる可能性があるためです。
 世論調査によればルペン氏とマクロン氏、そしてルペン氏とフィヨン氏が決選投票に残った場合はどちらもルペン氏勝利の可能性は低いと見られています。また、メランション氏とマクロン氏そしてメランション氏とフィヨン氏が残った場合も、メランション氏勝利の可能性が低いとの調査結果が出ています。どちらもEU残留派がルペン氏とメランション氏への投票を避けるとの観測が高いからです。
 まずは、第1回投票でルペン氏とメランション氏が上位に並ぶかを見極める動きが見られそうです。

ユーロ変動に備え、ユーロ円の想定為替レートを再点検

 いずれにしても例をみない大混戦に、ユーロ相場が大きく変動する可能性があります。また仏大統領選後も欧州で選挙が相次ぐことから、しばらくはユーロ相場の行方にはいつも以上に神経質な展開になることが予想されます。
 そこで今回は、日経会社情報データからユーロ円の想定為替レートとその影響度を再点検します。ユーロ安円高・ユーロ高円安、それぞれ恩恵を受けやすいとされる銘柄を以下にご紹介します。

【ユーロ安・円高メリット銘柄 想定為替レートと影響度】

ユーロ安・円高メリット銘柄 想定為替レートと影響度

  • ※1 想定為替レートとの乖離は1ユーロ=116.50円にて換算
  •  為替影響度に想定為替レートと現在のユーロ円相場の乖離を乗じた額を算出(全16銘柄)
  •  2017年4月19日現在、 日経会社情報春号よりカブドットコム証券作成

【ユーロ高・円安メリット銘柄 想定為替レートと影響度】

ユーロ高・円安メリット銘柄 想定為替レートと影響度

  • ※1 想定為替レートとの乖離は1ユーロ=116.50円にて換算
  •  為替影響度に想定為替レートと現在のユーロ円相場の乖離を乗じたマイナス額の大きい上位20銘柄
  •  2017年4月19日現在、 日経会社情報春号よりカブドットコム証券作成




藤井明代

旬なテーマを深堀り♪約5ヶ月ぶりの円高進行、ドル円テクニカルと4月重要スケジュール(藤井明代)

(木)

 13日の日経平均株価は3日続落し、連日で年初来安値を更新しました。為替市場で1ドル108円台と、約5ヶ月ぶりのドル安・円高進行が続いたことなどが嫌気されました。
 ドルが売られた背景には、足元でくすぶる地政学リスクのほか、トランプ米大統領が「ドルは強くなりすぎている、いずれ害をもたらす」などとドル高をけん制したことが要因です。また「低金利政策が好きだ」などとFRBに対して異例の注文をつけたこともドルの上値を抑える格好となりました。

 現在のドル円チャートを確認すると、4月11日に節目としてみられていた1ドル110円台をあっさりと下抜け、13日の朝方には1ドル108.70円台まで急速にドル安・円高が進行しています。この水準は図1で示すように、緑色の200日移動平均線の水準にあたります。200日移動平均線は営業日換算で約1年の中長期の平均線となり、ローソク足と比較して相当に滑らかな線になります。そのため株価の方向性をしっかり読み取ることができ、信頼性が高くなるといわれます。また、移動平均線による株価分析で一般的な「グランビルの8法則」でも200日移動平均線を用いた分析が代表的であり、多くの投資家が意識する重要ポイントとして有名です。

【図1:ドル円 日足チャート】

ドル円日足チャート

  • 2017年4月13日17時現在、kabuステーションよりカブドットコム証券作成

 4月13日現在、200日移動平均線を下支えにドルが反発するような動きをみせており、短期的に200日線を維持できるかが注目ポイントとなりそうです。今後仮にローソク足が200日線を下回る日が続いた場合には、ドルの下落トレンドへの警戒感が高まることが予想されます。一方で200日線の向きに注目すると、上向きの方向を維持しています。この移動平均線の向きが横ばいまたは下向きに転じた場合には、下落トレンド転換がより意識されることになります。そのため、しばらくはローソク足の位置と200日線の方向性を併せて確認する必要があります。

 4月下旬にかけては世界中で重要イベントを控えており、為替動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。これまでに述べたテクニカルに加え、以下のイベントにも留意する必要がありそうです。

【4月の主な重要イベント】
日程 イベント
4月14日 米財務省為替政策報告書
4月15日 北朝鮮金日成主席生誕105周年
4月18日 日米経済対話初開催(ペンス副大統領)
4月20日 G20財務相・中央銀行総裁会議(~21日)
4月23日 仏大統領選挙第1回投票
4月26日 日銀金融政策決定会合(~27日)
4月27日 日銀展望レポート、黒田日銀総裁会見
  • 日程は変更となる可能性ございます。


藤井明代

旬なテーマを深堀り♪日経平均はボックスを下抜け、ドル建て日経平均は?(藤井明代)

(木)

 4月6日の日経平均は大幅反落し、1月18日につけた年初来安値を更新する軟調な展開となりました。背景にはFOMC議事要旨の中で、一部のメンバーが米国株式のバリュエーションが割高であると示唆したことや、北朝鮮の弾道ミサイル発射に伴う米朝関係の緊迫化が嫌気されたことが主な要因です。
 日経平均を日足チャートで確認すると、連続で陰線をつけ、年初から推移していたボックス圏を下抜けしています。これまでおおよそ1000円のレンジ内でもみ合いを続けていた株価がボックスをブレイクダウンし、新たなトレンドが形成された可能性があります(図1)。
 次に移動平均線を確認すると、青色の25日移動平均線(短期線)と緑色の75日移動平均線(中期線)が下向きに転じ、25日移動平均線が75日移動平均線を上から下抜けるミニデットクロスが完成間近となっています。また少し前に目を移すと、3月22日に414円安と窓を空けて大幅に下落した際にローソク足が短期線と中期線を下回り、かつ短期線が下向きに転じています。事前にこうした2つの警戒シグナルが出ていることから、現在はデットクロスへの警戒感が強まっている状態といえそうです。25日と75日移動平均線のデットクロスはミニデットクロスと呼ばれ、中期的な売りシグナルとして判断されます。今回は中期線も下向きに転じてきており、そのシグナルが強まっていることが分かります。

【図1:日経平均 日足チャート】

日経平均日足チャート

  • kabuステーションよりカブドットコム証券作成、2017年4月6日終値データ

 一方、日経平均をドルベースに換算した「ドル建て日経平均」の現在の水準は、1月18日につけた年初来安値である165.39ドルまでは価格差があります(図2)。そのため外国人投資家からみると、円ベースの日経平均に比べて心理状態は悪くない可能性があります。直近ではローソク足が中期の75日移動平均線を下回りましたが、その方向は上抜き基調にあるため、ローソク足と移動平均線の関係からは下降トレンドと判断するには未だ早い段階にあります。
  しかし、直近は長い陰線のローソク足をつけることが多くなっています。長い陰線は大陰線と呼ばれ、先安感が強まっていることを示します。同時に株価の変動幅が大きくなっていることを示唆するため、短期的な売りのサインが点灯している可能性があります。

【図2:ドル建て日経平均 日足チャート】

ドル建て日経平均 日足チャート

  • Astra Managerよりカブドットコム証券作成、2017年4月6日終値データ

 需給面では、直近の2市場投資部門別売買状況(現物株)で、海外投資家が7週連続で日本株を売り越しています。海外投資家がいつ買い越しに転じるのか、しばらくはドル建て日経平均の動向にも留意する必要がありそうです。



藤井明代

旬なテーマを深堀り♪マザーズから東証1部への市場変更相次ぐ、昇格に意欲的な銘柄は?(藤井明代)

(金)

材料不足の中、資金が集中する市場変更発表銘柄

 30日までの日経平均は1万9000円を挟んだもみ合いが継続しました。28日には3月末の権利落ち相当分である約132円を埋める底堅い展開となりましたが、上昇への明確なトレンドは出ておらず、日経平均は年初からのボックス圏内で推移しています。目新しい国内材料に乏しく、商いも盛り上がりに欠ける中、物色の矛先は今月ラッシュを迎えたIPO(新規上場)銘柄や好材料の出た個別株にシフトしました。

 今月特に好材料として目立ったのが、マザーズから東証1部への市場変更の発表です。市場変更(昇格)は企業の認知度向上のみならず、指数に連動する投資信託やETFの組み入れが行われ、パッシブファンドの買い入れが期待されます。これにより、市場変更発表後に思惑買いが入り、株価が上昇しやすい傾向にあります。
 今月は29日までに10社が市場変更を発表し、その後の株価も概ね堅調に推移しています。そして、10社の内、半数を占める5社がマザーズから東証1部への市場変更となりました。この5社は1年前の3月IPOラッシュ時に上場した銘柄です(表1:2884、6187、9466、6191、2424)。マザーズから東証1部への市場変更には、上場後1年以上が経過していることが必要となります。そのため、昨年の3月IPOラッシュ時に上場した銘柄の市場変更が相次ぐ格好となりました。

【表1:今月市場変更(昇格)を発表した銘柄】
コード 銘柄名 市場
(変更前)
市場
(変更後)
上場日 市場変更
発表日
市場変更日
2884 ヨシムラ・フード・ホールディングス マザーズ 東証1部 2016/3/4 2017/3/7 2017/3/21
3741 セック JQS 東証2部 2004/6/10 2017/3/9 2017/3/16
8769 アドバンテッジリスクマネジメント JQS 東証2部 2006/12/13 2017/3/9 2017/3/16
3835 eBASE JQS 東証2部 2006/12/26 2017/3/10 2017/3/17
6187 LITALICO マザーズ 東証1部 2016/3/14 2017/3/10 2017/3/17
9466 アイドママーケティングコミュニケーション マザーズ 東証1部 2016/3/18 2017/3/14 2017/3/21
7725 インターアクション 東証2部 東証1部 2001/2/14 2017/3/15 2017/3/22
7743 シード 東証2部 東証1部 1989/12/1 2017/3/21 2017/3/28
6191 エボラブルアジア マザーズ 東証1部 2016/3/31 2017/3/24 2017/3/31
2424 ブラス マザーズ
セントレックス
東証1部
名証1部
2016/3/9 2017/3/27 2017/4/7
  • 2017年3月29日までのデータ、市場変更発表日順
  • Astra Managerを基にカブドットコム証券作成

 来年の3月においても今月と同様、IPOラッシュでマザーズに上場した銘柄の東証1部への市場変更が期待されます。新規上場から1年経過する直前に市場変更を発表している銘柄が多いことから、今月新規上場を果たした銘柄も来年の3月上旬ごろからの動きに要注目です。
 また、今回はそのほかにも市場変更に意欲的な姿勢を持つ銘柄をご紹介いたします。新四季報のキーワード検索および市場変更に必要となる株主数を確保するための立会外分売情報から有望と思われる銘柄をピックアップしました(表2・3)。いずれも今後の市場変更発表が期待される銘柄として注目したいところです。

昇格に意欲的な銘柄
【表2:「会社四季報」キーワード検索】
キーワード コード 銘柄名 市場 四季報キーワード(抜粋)
昇格 2163 アルトナー JQS 【高稼働】 18年1月期も技術者派遣の高稼働が続く。特にエコカーや自動運転など自動車関連が活発。機械・情報通信も続き、電機関係の停滞埋める。単価漸増、4月新卒の戦力化急ぐ。大量採用の人件費・採用費こなし営業増益。最高純益で連続増配も。
【技術者】 早期800人(16年末660人)目標に新卒(16年春103人)、中途とも採用増。株式分割で流動性高め2部昇格狙う。
昇格 3467 アグレ都市デザイン JQS 【堅調】 戸建て分譲は前期比2割強を引き渡し。ネット広告活用などで販管費圧縮。営業増益。18年3月期は前期押し上げた用地販売見込まず。ただ、主力の戸建てが伸びる。積極的な人材採用、市場昇格に向けた対策費用などこなし連続増益。増配か。
【東京代官山】 高級注文住宅の営業拠点を開設、まずは城南地区開拓へ。立会外分売実施で2部昇格に必要な個人株主数確保か。
東証1部 1433 ベステラ マザーズ 【急回復】 18年1月期も高水準の受注残で発進。新規受注は発電所ボイラー・タンクへの食い込みで積み上げ。完工も高炉、石化プラント解体中心に順調。人材増強など先行負担埋め営業益急回復。配当性向40%。
【特許】 東工大と共同で不整地面でも移動可能な磁気吸着車両の群移動体で特許取得。19年1月期売上70億円、営業益6・5億円、ROE17%以上目標。東証1部意欲。
東証1部 1848 富士ピー・エス 2部 【小反発】 16年末受注残271億円(前年比42%増)と増勢だが土木の上期完工遅れ響く。好採算案件一巡し営業益は前号比減額。18年3月期は手持ち潤沢。施工限界で完工高原。受注時採算確保し営業益小反発。
【洋上発電】 新エネ・産業技術機構の次世代浮体式洋上風力発電の実証研究に九州大などと応募し採用。30年以降の事業化を検証。18年までに東証1部上場を目指す。
東証1部 3230 スター・マイカ 2部 【連続最高益】 主力の中古マンション事業は売買益が前期並みでも賃貸収入が保有物件増で上乗せ。仲介はほぼ横ばい、売買棟数増の一棟丸ごと賃貸マンションも売価低下想定だが、純益最高更新。8期連続増配。
【中計】 前中計の1年前倒し達成で17年度から新たな3カ年計画。19年11月期営業益35億円、販売用不動産450億円(前期377億円)狙う。東証1部も視野に。
【表3:東証立会外分売情報より】
キーワード コード 銘柄名 市場 立会外分売発表内容(抜粋)
東証1部 6200 インソース マザーズ 市場第一部への市場変更のための形式基準充足を図るとともに、株式の分布状況の改善及び流動性向上を図るため
  • 会社四季報、東証WEBサイトを基にカブドットコム証券作成
  • 2017年3月30日現在


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藤井明代

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