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旬なテーマを深堀り♪日本製「化粧品」の躍進続く、市場を賑わす新商品が発売開始(藤井明代)

(木)

資生堂がシワ改善化粧品を投入、株式市場を賑わす

化粧品業界ではシワを改善する商品の投入が相次ぎ、株式市場を賑わせています。
6月21日、資生堂(4911)は「エリクシール」ブランドから、シワを改善する薬用クリーム「リンクルクリーム」を発売しました。これは、純粋レチノールによるシワ改善の新効能の承認を日本で初めて取得した研究成果を応用した商品です。

資生堂がこの効能効果の承認を厚生労働省から受けたと発表した2月28日の翌営業日、同社の株は窓を空けて大きく上昇しました。一方、1月にシワ改善効果のあるクリーム「リンクルショット」を販売開始していたポーラ・オルビスHD(4927)は一時10%の急落。ポーラの「リンクルショット」は発売から1ヶ月で25万個、約36億円の販売実績を上げており、競合激化が懸念された格好です。

資生堂は「リンクルクリーム」を今年だけで100万個販売する目標を掲げており、販売価格5,800円換算で50億円以上の売上げが見込まれます。この新商品の売れ行き次第では、同社や競合他社の株価に再び影響を及ぼすことも想定され、しばらくは各社のリリースから目が離せない状況が続きそうです。

日本の化粧品市場は躍進が続く、ポイントは中国訪日客

日本の化粧品市場全体の動向では、2016年の日本の化粧品輸出額が初めて輸入額を上回ったことが明らかになりました。2016年は前年比28.8%と大幅に増加し、2013年比でほぼ倍増となっています。
また、日本百貨店協会が公表する全国百貨店売上高の2017年5月統計では、化粧品は26ヶ月連続でプラスを維持し、今年に入り5ヶ月連続で前年比2桁増と好調に推移しています。

好調の背景には、訪日客の増加が大きな好影響を与えていることが挙げられます。
6月21日にJNTOが発表した5月の訪日外客数では、2017年5月までの累計が1141.1万人となり、最も早いペースで1000万人を突破しました(グラフ1)。地域別ではアジア地域の訪日客が多い中、今年累計で2番目に多い中国訪日客の約8割が化粧品・香水を購入しています。また、その単価は平均の1.7倍の4万503円で高い購入額となっています(※)

  • 出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査 (国籍・地域別 費目別購入率および購入者単価/平成29年1-3月期)」

【グラフ1:訪日外客数の推移(月別)】

グラフ1:訪日外客数の推移(月別)

  • 出典:「日本政府観光局(JNTO)」、観光庁「訪日外国人消費動向調査」
  • ※1平成29年1-3月期データ

そのため化粧品メーカーなどにおいては、中国訪日客の需要をいかに取り込むかが重要となってきます。また、中国ではECが急速に拡大しているため、越境EC・商品配送への対応に加え、広告や宣伝強化も売上を左右するポイントになりそうです。

下記にご紹介する関連銘柄においても、中国を中心に海外展開を強化する企業が散見されます。
花王(4452)や資生堂は早くから中国向け越境ECへの取り組みを開始しているほか、資生堂は今年に入り中国展開の「エリクシール」ブランドで日本製を全面に出す刷新を行い、需要の取り込みを本格化しています。
シーズ・HD(4924)は海外でのブランドの認知度を高めるため、昨年7月に米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)グループ2社と資本業務提携と締結。中国本土や香港、台湾のインフルエンサーやメディア向けに体験ツアーを開催するほか、中国EC大手のT-MALL国際のオープニングイベントを開催するなどし、積極的に海外展開を進めています。
その他の企業も海外展開では中国に重きを置く銘柄が多く、今後も中国向けビジネスの動向が化粧品メーカーをはじめとする関連銘柄へ大きな影響を与えていきそうです。

【主な化粧品関連銘柄】
コード 銘柄名 市場 PER(倍) PBR(倍) 時価総額
(百万円)
売上高
(百万円)
売上高
営業利益率(%)
最低
売買代金
4452 花王 1部 24.4 5.00 3,392,235 1,457,610 12.7 685,300円
4911 資生堂 1部 62.7 4.13 1,634,400 850,306 4.3 408,600円
4922 コーセー 1部 31.0 4.51 785,885 266,762 14.7 1,297,000円
4927 ポーラ・オルビスホールディングス 1部 31.4 3.65 701,157 218,482 12.3 306,000円
4928 ノエビアホールディングス 1部 35.1 3.77 203,847 51,180 15.1 575,000円
4924 シーズ・ホールディングス 1部 32.8 6.81 201,593 39,452 20.8 414,500円
4921 ファンケル 1部 33.1 1.85 137,197 96,305 2.3 210,500円
6630 ヤーマン 1部 22.9 6.00 54,615 19,969 17.5 936,000円
4925 ハーバー研究所 JQS 11.1 1.71 14,560 16,135 11.0 370,000円
  • 2017年6月21日現在、時価総額順
  • Astra Managerを基にカブドットコム証券作成
  • 株価データは連結優先ベース
  • ヤーマン(6630)は2017年11月1日付で1対10の株式分割を予定


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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪電子タグ(RFID)で変革する小売業、最新動向と関連銘柄(藤井明代)

(金)

経産相が「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定、電子タグ(RFID)とは?

4月18日、経済産業省は2025年までにセブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューデイズの全ての取扱商品に電子タグを利用することについて、一定条件の下で各社と合意したと発表しました。これに合わせ、「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」を策定。小売業が抱える人手不足、労務コストの上昇、生産性などの様々な課題を解決するため、推計で年間1000億個の商品に電子タグを貼付け、商品の管理やサプライチェーンとの情報共有などを進めていく方針です。

電子タグとは、ICタグ、RFタグ、非接触タグとも呼ばれ、電波(電磁波)を用いて内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体のことです。また、タグや読み取り機などを含めたシステムの総称を「RFID(Radio Frequency IDentification)」といいます。

現在広く利用されているバーコードの運用では、1枚ずつタグを読み取りするのに対し、RFIDは電波でタグを複数一括で読み取りすることができます。
そのため、小売業者はレジ・検品・棚卸、在庫管理や流通量の調整などで効率化を実現できるほか、万引き防止などの効果も期待されます。
また、医療分野での医療ミス防止、アミューズメントでのキャッシュレス対応、工場での生産管理、図書館での蔵書管理など様々な場面での利活用が進んでいます。

すでにファーストリテイリング(9983)が運営する「GU」では一部店舗で、東芝テック(6588)が開発したRFIDセルフレジの導入が進んでおり、レジの効率化や省人化に加え、中国語、韓国語、英語にも対応するスムーズな会計を実現しています。「GU」では2017年8月までに導入店舗を半数に拡大すると発表しています。
また、オンワードホールディングス(8016)はデンソー(6902)が出資するデンソーウェーブのRFIDを一部店舗で導入。検品などの作業効率を1/10に削減しており、2018年2月までに全面導入を予定しています。

このように、アパレル業界でRFIDの導入が先行し、効率化・省人化を実現していることから、経済産業省の電子タグ導入への取り組みに影響を与えたと思われます。

RFIDへ注力する関連銘柄は?

経済産業省の宣言では2025年までに電子タグの単価を1円以下にし、張り付けした商品をRFIDで管理できる環境が整備されていることが留保条件となっています。この対応に向け、各社もRFID関連事業を拡大する動きが加速しています。

大日本印刷(7912)は低価格電子タグの開発に着手し、現在約10円台の単価を2020年までに5円以下、2025年までに1円を目指すと発表しています。単価の高い電子タグのコスト負担を取り除き、コンビニ以外の業務効率化の導入ニーズにも対応していく意向です。
また、村田製作所(6981)は今月1日、RFIDシステムインテグレーターのイタリアベンチャー企業「ID-ソリューションズ」を約20億円で買収しました。ソフトウェアを含むRFID導入のソリューション提案力を高め、事業強化・拡大を図るためです。

このようにRFID領域の事業拡大や企業買収を発表する企業が散見され、中長期的な市場の拡大が視野に入っています。今後も、官民ともにRFID導入に向けた動きが加速していくことが予想されるため、関連銘柄への注目度も高まる可能性がありそうです。

以下より、主な電子タグ(RFID)関連銘柄をご紹介いたします。

【主な電子タグ(RFID)関連銘柄】
コード 銘柄名 市場 予想PER
(倍)
予想PBR
(倍)
時価総額
(百万円)
特徴・開示情報など
6981 村田製作所 1部 19.1 2.45 3,527,628 RFIDタグなどの製品を提供。2017年6月、伊・パルマ大学発ベンチャーでRFIDシステムインテグレーターのID-ソリューションズを20億円で買収。ソフトウェアを含むRFID導入のソリューション提案力を高め、事業強化を図る。
7912 大日本印刷 1部 29.2 0.73 806,710 2017年3月、低価格ICタグの開発に着手と発表。2020年までに単価5円以下、2025年までに1円を目指す。
6588 東芝テック 1部 27.0 2.47 170,006 RFIDソリューションを提供。ファーストリテイリングの「GU」のRFタグ利用のセルフレジは同社納入。
7862 トッパン・フォームズ 1部 19.9 0.77 134,090 2017年5月、ICタグなどIoT関連製品の生産体制増強のため、100億円を投じて新工場を建設すると発表。
6287 サトーホールディングス 1部 24.5 1.66 92,052 RFID関連製品・ソリューションを手掛ける。製品はICタグに高速で情報登録しながら印字するRFIDプリンタや貼付機、ハンディターミナルなど。
6145 日特エンジニアリング JQS 23.6 2.36 54,478 エンベディング方式(埋込巻線工法)のRFID製品を手掛ける。RFID事業の売上は17年3月期で7.7%の割合(前期6.0%)。
6945 富士通フロンテック 2部 12.7 0.99 43,491 RFID・センサーソリューション RFIDタグ・リーダライタを手掛ける。2016年12月より、アンテナ一体型で業界最薄のRFIDリーダライタを販売。
7705 ジーエルサイエンス 2部 14.6 0.83 15,655 子会社が非接触ICカード、ICカードリーダライタ、システム開発を手掛ける。
6664 オプトエレクトロニクス JQS 14.7 0.86 5,512 自動認識システム開発に注力。バーコードリーダーのレーザーエンジンは世界2位、国内シェア9割。
5162 朝日ラバー JQS 13.2 1.05 4,175 RFIDタグ用ゴム製品などを手掛ける。海外市場向けの受注が好調。
  • 2017年6月16日前場終値データ、時価総額順
  • 各社WEBサイト、各種報道、会社四季報、Astra Managerなどを基にカブドットコム証券作成
  • PER・PBRは連結優先


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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪6月優待銘柄、売買のポイントは?~1株保有でもらえる優待もご紹介~(藤井明代)

(金)

個人向け株主還元策が好材料視、優待銘柄の売買ポイントは?

6月株主優待銘柄への物色買いが目立ち始めました。今月は約100銘柄が株主優待の権利確定を迎えますが、株価上昇が際立つのは株主優待を拡充するなど、個人投資家向けの株主還元に注力している企業です。

直近では6月7日に1対2の株式分割と配当引き上げを発表したアークランドサービスHD(3085)が商いを伴い大幅高となりました。最低投資金額が半分となり、個人投資家が売買しやすくなったことに加え、分割に伴い株主優待を拡充したことが好材料視されました。

そのほか、3月17日に株主優待の倍増と4月24日に1対2の株式分割を発表したサニーサイドアップ(2180)、2月9日に株主優待を最大3倍に拡充すると発表したすかいらーく(3197)も株価の上昇が顕著です。サニーサイドアップは年初から6月8日までの株価騰落率が102.9%、すかいらーくは14.2%とどちらも高い上昇率になっています。同期間の日経平均株価の騰落率は4.2%程度の伸びであったことから、個人投資家を意識した還元策の発表に対してマーケットも敏感に反応している様子が伺えます。

サニーサイドアップは3月の株主優待拡充のリリースの中で、今後も株主優待を更に拡充していくことも前向きに検討していく意向がある旨の公表をしており、翌月に分割と優待の実質拡充を発表しました。すかいらーくはWEBサイトのトップページに優待拡充のお知らせや株式購入時の配当・優待シミュレーションを配置するなど、株主向けの積極的なPR戦略が株価に反映されているものと思われます。

充実した株主優待を導入する企業ほど、権利付最終日に向かって商いが増加しやすい特徴がみられます。しかし、買いが膨らむ一方で売り圧力も強まる可能性があるということは注意したいポイントです。銘柄によっては権利付最終日の数週間前から売りが強まり、下落基調に転じる銘柄もあります。
また権利落ち日以降には権利取りを終えた投資家からの売りに加え、値動きの特徴を生かしたイベント投資(信用売り)などが入る可能性もあるため留意したいところです。
そのため、過去の値動きやそのパターン、需給状況、そして信用倍率などの様々な材料を確認して売買タイミングを見極める必要があります。

6月株主優待銘柄のご紹介

6月末の権利付最終日は27日(火)ですが、日付が異なる銘柄もあります。
以下より、権利付最終日が通常と異なる銘柄、業績面や単元未満株の保有で対象となる銘柄など、6月優待銘柄をご紹介いたします。

【15日が権利付最終日(20日が権利確定日)】
コード 銘柄名 市場 業種 優待
実施月
最低
投資金額
優待内容
2772 ゲンキー 1部 小売業 6、12月 296,800円 100株以上:(1)6,000円相当の自社オリジナル健康サプリメント
(2)6,000円相当の自社オリジナルCOLORADO化粧品2点セット
(3)3,000円相当のカタログギフト
(4)福井県産こしひかり5kg
(1)~(4)のいずれかを選択
※2年以上継続保有の株主には2,000円分の買物割引券を進呈
3191 ジョイフル本田 1部 小売業 6月 375,000円 100株:自社店舗商品券(500円券) 4枚 (2,000円分)
※自社店舗での利用のほか、自社通販サイトでの利用も可
7422 東邦レマック JQS 卸売業 12、6月 487,000円(※1) (6月)3000株以上:自社ブランド婦人靴または紳士靴
※12月は1000株も対象
7962 キングジム 1部 その他製品 6月 92,600円 100株:自社またはグループ会社商品2,500円相当
  • ※1東邦レマック(7422)は6月8日は値付かずのため、6月7日終値を基に算出
【優待内容の拡充を発表した銘柄】
コード 銘柄名 市場 業種 優待
実施月
最低
投資金額
優待内容
2180 サニーサイドアップ JQG サービス業 6月 91,300円 ★3/17:記念優待での拡充を今回も実施と発表。(倍増)
★4/24:1対2の株式分割を発表、優待内容に変更なく実質倍増に。
100株以上:(1)オーガニックスクランブルエッグ、(2)リコッタパンケーキ、(3)リングイーネ、(4)チョップサラダ
(1)~(4)から2品選択、ソフトドリンク2杯
※自社が展開するレストラン「bills」で提供
3197 すかいらーく 1部 小売業 12、6月 176,300円 ★2/9:保有株数に応じ、優待内容を最大3倍に拡充と発表。
(6月)優待食事券
100株:3,000円分
300株:9,000円分
500株以上:15,000円分
1000株以上:33,000円分
※自社グループレストランで利用可
【連続増収増益の6月優待銘柄 (5期以上連続増収・純増益)】
コード 銘柄名 市場 業種 優待
実施月
最低
投資金額
優待内容
3085 アークランドサービスHD 1部 小売業 12、6月 410,000円 100株以上:食事券(550円券) 4枚
★6月30日を基準日とする1対2の株式分割実施を予定
3091 ブロンコビリー 1部 小売業 12、6月 266,800円 100株以上:自社食事優待券2,000円分
※200株以上で食事券またはお米を選択
3097 物語コーポレーション 1部 小売業 6、12月 557,000円 100株以上:食事優待券2,500円分
※食事優待券返送によりお米と交換可(100株以上:2.5kg)
5819 カナレ電気 1部 非鉄金属 12、6月 244,200円 100株以上:QUOカード1,000円分
6071 IBJ 1部 サービス業 12、6月 69,400円 100株以上:婚活パーティ無料招待(4,000円相当)1回分
1000株以上:(6月)特製QUOカード1,000円分
8892 日本エスコン 1部 不動産業 6月 43,900円 1000株以上:QUOカード1,000円分
※1年以上継続保有の株主が対象
※1000株以上を2年以上継続保有の場合は増額
9612 ラックランド 1部 サービス業 12、6月 218,200円 100株以上:3,000円相当の優待商品
【1株以上の保有で優待を実施する銘柄】
コード 銘柄名 市場 業種 2017/6/8
終値
売買単位 優待内容
3405 クラレ 1部 化学 2,004 100 株主通信(クラレ通信)記載のWEBアンケート回答が条件
※前回はカウンタークロス5枚セット
6504 富士電機 1部 電気機器 591 1,000 第一四半期報告書同封のハガキ返送が条件
※自社オリジナルカレンダー
★本決算は3月
  • 2017年6月8日現在、野村インベスターリレーションズ、Astra Manager、各社WEBサイトなどを基にカブドットコム証券作成
  • 【株主優待に関するご注意事項】
  • 優待内容は各企業の判断により変更・中止となる場合がございます。お取引に際しましては必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
  • 権利落日の取引所基準価格は、前日終値から1株当たりの予想配当金額分だけ理論上値下がりします。


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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪来春施行予定の「医療ビッグデータ法案」、関連銘柄は?(藤井明代)

(木)

医療ビッグデータ法案とは?医療発展へ向け、民間企業も動き出す

2017年4月28日、「次世代医療基盤法」が参院本会議で自民、民進、公明各党などの賛成多数で可決、成立しました(※1)。これは国民の病歴や治療歴、健康診断結果などを含む医療情報を本人の意思を確認した上で匿名加工(※2)し、ビッグデータとして医療機関以外の民間企業や大各での研究開発に利活用できるように枠組みや規制などを定めるものです。「医療ビッグデータ法案」とも呼ばれ、来春の施行が予定されています。

5月に改正個人情報保護法が施行され、個人の病歴などは「要配慮個人情報」として取り扱いが厳格化されることになりました。新法はこれに例外を設け、患者が拒否を申し出ない場合に、国が事前に認定した事業者に匿名データを提供する予定です。

各医療機関や薬局などが別々に保有する医療データを集約することで、効率的な新薬開発や治療法の確立、最先端の診断支援、病気の予防などに役立てる目的があります。また、超高齢化社会における医療費削減へ繋げたい狙いがあります。
新法施行後は、民間企業でもビッグデータを活用した新薬や治療の研究開発が進むほか、情報管理のシステム開発、保険事業や健康支援事業への利活用など、幅広い分野で特需が発生する可能性があります。

医療のビッグデータ活用はすでに複数企業の間で着手が進んでおり、上場企業では第一生命HD(8750)が日本IBMとデータ解析による疾病発症リスク予測・重篤化防止に向けた取り組みを、日立(6501)とは共同で生命保険事業での研究等を開始すると発表。NRI(4307)は日本生命、リクルートHD(6098)と連携し、医療ビッグデータを活用した健康支援サービスを2018年4月にも始めるとしています。そのほか、日本システム技術(4323)は東京大学と医療ビッグデータを活用した産学共同研究を開始すると発表しています。

このように医療ビッグデータを活用したビジネスの拡大が期待されており、官民一体となって医療発展へ向けた取り組みが加速していくことが予想されます。
以下より、直近で医療ビッグデータについて開示をおこなった銘柄や主な関連銘柄をご紹介いたします。


  • ※1新法施行後も医療情報の提供については、患者自らが拒否することも可能。
  • ※2「匿名加工情報」とは個人情報を加工して、通常人の判断をもって個人を特定することができず、かつ加工する前の個人情報へと戻すことができない状態にした情報のこと。
主な医療ビッグデータ関連銘柄
コード 銘柄名 市場 予想PER
(倍)
予想PBR
(倍)
時価総額
(百万円)
特徴・開示情報など
8750 第一生命ホールディングス 1部 12.1 0.69 2,209,753 医療ビッグデータ解析による疾病発症リスク予測・重篤化防止に向け日本アイ・ビー・エム等との共同検討、医療ビッグデータを生命保険事業に活用するための日立製作所(6501)との共同研究等を開始。
4307 野村総合研究所 1部 22.4 2.40 1,112,760 日本生命、リクルートHD(6098)と連携し、医療ビッグデータを活用した健康支援サービスを18年4月に始めると発表。
4686 ジャストシステム 1部 23.6 2.94 106,613 医療機関向けのデータ管理システムを販売開始。電子カルテや各部門データを統合、全文検索やデータ分析が可能。
3902 メディカル・データ・ビジョン 1部 161.1 17.54 50,098 医療機関、製薬向けに医療・医薬品データのネットワーク化と利活用の両サービスを提供。治験分野に診療データ活用による被験者紹介などで参入。
3733 ソフトウェア・サービス JQS 11.6 1.85 28,153 病院向けに情報伝達システム、電子カルテを開発。
3649 ファインデックス 1部 32.7 9.30 24,230 大学病院やクリニックなどの医療機関向けソリューションを提供。コンサル会社と合弁で医療・健康領域データ分析の子会社設立。
3937 AWSホールディングス マザーズ 37.1 7.17 7,960 医療関連ソフトを提供。18年3月期は医療ビッグデータの本格的な受注開始へ。
4323 日本システム技術 2部 14.7 1.21 7,408 東京大学と医療ビッグデータを活用した産学共同研究を開始。
3628 データホライゾン マザーズ 67.3 7.31 6,856 健康推進目的の保険事業支援「データヘルス」を提供。
4320 CEホールディングス 1部 29.8 1.03 3,881 医療機関向け電子カルテシステムの開発・販売及び医療情報システムの受託開発を手掛ける。
  • 2017年5月31日現在、時価総額順
  • 各社WEBサイト、各種報道、会社四季報、Astra Managerなどを基にカブドットコム証券作成
  • PER・PBRは連結優先


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