投資情報室

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旬なテーマを深堀り♪底堅い日経平均、正念場を迎えるドル円(藤井明代)

(金)

 今週の日経平均は19,262円と、週間ベースで259円下落して取引を終えました。米国でオバマケア代替法案を巡り議会との調整が難航していることから、今後の政策実現性への不透明感が市場を覆いました。為替市場では約2ヶ月ぶりの水準までドル安・円高が進行。22日の日経平均は414円安と急落し、昨年11月以降のトランプ相場で最大の下げ幅となりました。その後もドル円は1ドル110円60銭台まで円高が進行しました。しかし、日経平均には押し目買いの動きが見られ、23日から24日にかけて値を戻す底堅い展開となりました。一時はトランプ相場以降に支えとなっていた75日移動平均線を下回りましたが、週末にはこの水準を再び回復しています。また、急落を受けても1月以降のボックス圏内にとどまっていることが分かります。(図1)

【図1:日経平均 日足チャート】

日経平均日足チャート

  • kabuステーション、2017年3月24日終値データ

 次にドル円の一目均衡表の週足チャートを確認します。現在は雲の上に位置し、雲の上限である先行スパン2の水準近辺でトレンド転換か否かの正念場を迎えています。一目均衡表は、雲の厚さで抵抗の度合いをはかることができます。雲が厚くなるのは過去の相場のしこりが多くなっている証拠で、厚ければ厚いほど抵抗帯が強く機能するといわれます。今回の場合は厚い雲がローソク足の下に位置していることから、雲の上限が下値の抵抗として大きな影響を与えると考えられます。
 一方、この強い抵抗帯を下回ってしまうと、上昇局面として見られていたドル高トレンドが下落局面へ転換する合図として判断されてしまう可能性があります。そのため、今後は雲の上限を抵抗帯として、反発できるのか否かが重要ポイントとなります。
 また、併せて赤の基準線にも注目です。基準線は相場そのものの物差しとなり得るため、現在横ばいで推移する基準線が上下どちらの方向に振れるのかで強弱を判断することが出来ます。加えて、ローソク足が基準線の上で推移出来るかどうかもポイントの一つとなります。
 来週以降、仮にローソク足が雲の中に入った場合には、次の判断ポイントとして基準線の活用が有効となりそうです。

  【図2:ドル円週足チャート(一目均衡表)】

ドル円週足チャート(一目均衡表

  • kabuステーション、2017年3月24日15:15データ


藤井明代

旬なテーマを深堀り♪膠着相場で三角保ち合い形成、もみ合い相場で有効なテクニカルは?(藤井明代)

(木)

 市場関係者の重要イベントとして注目されたFOMCとオランダの議会選挙を通過した16日、日経平均は12円高の1万9590円で取引を終えました。為替市場で急速に円高が進行し、軟調な寄付きとなるも後場にはプラスに切り替えして底堅い動きをみせました。
 関心度が高まったFOMCでは、市場予想通りFF金利を0.25%引き上げました。しかし、今後の利上げペースについては、従来通り17年・18年ともに年3回に据え置き。事前予想では堅調な米経済統計を背景に、年4回の利上げを織り込む動きがみられていたことから、ハト派的な結果発表を受けて急速にドル売りが加速。10日に115円台半ばまでドル高が進行していたドル円は、16日に112円台まで売られ、チャート上でも大きな陰線をつけました。一方、緩やかな利上げペースの示唆は米国株式市場に安心感を与え、主要指数はそろって上昇し、日本株の好材料となりました。また、欧州政治リスクの一つとして懸念されていたオランダ議会選でも与党の自由民主党が政権を維持する見通しが伝わり、警戒感が和らいだことも日経平均を下支えする格好となりました。

 重要イベントを通過した16日までの日経平均を日足チャートで確認すると、今年に入り上値はほぼ一定で、下値が切り上がる三角保ち合いが形成されています(図1)。

【日経平均 日足チャート】

日経平均日足チャート

  • kazuステーション、2017年3月16日終値データ

 このような上昇型の三角形は、売りの勢力が一定ながら下値では買い方の勢いが徐々に強くなっていることを示し、テクニカル上では強気形状のフォーメーションと読み取れます。また、上昇トレンドの一時休止状態のときに現れることが多い形状といわれます。
 今回の場合、図の数字で示した反転ポイントをすでに8つこなし、強いエネルギーを貯めこんでいる状態です。そのため、何らかのきっかけでサポートラインに達せずに上値抵抗線をブレイクアウトする可能性を秘めています。しかし、2つの線が交差するまでは後1ヶ月以上の余地があるため、もうしばらく三角保ち合いが継続する可能性があります。重要イベントであるFOMC・オランダ議会選挙を通過してもブレイクアウト出来ずに保ち合いを続けていることから、次は織り込みされていないサプライズ的なきっかけが必要となりそうです。
 4月までのイベントは、G20財務相・中央銀行総裁会議、仏大統領選、日銀金融政策決定会合と展望レポート公表のほか、米トランプ政権による具体的政策の示唆などが挙げられます。その他、米国を中心とする経済指標の発表も重要視されそうです。いずれのイベントにおいてもチャート上では上振れのきっかけを探りながら、三角保ち合いの中で膠着相場が続く可能性が高そうです。

 このようなもみ合い相場では、オシレータ系のテクニカルが有効といわれます。オシレータ系の指標は、買われすぎ、売られすぎなどを示すテクニカルで、代表的なものにストキャスティクスやRSIなどがあります。図1の下部に示すストキャスティクスは、ローソク足を見るよりも相場の波を捉えやすい特徴がでていることが分かります。70や80を超える高水準エリアや30や20の低水準エリアに達したら、逆方向の動きに注意というシグナルを一見して捉えることができます。
 三角保ち合いが頂点に達するまでもみ合い状態が継続すると仮定すれば、しばらくはストキャスティクスなどのオシレータ系指標を利用した売買が有効となりそうです。



藤井明代

旬なテーマを深堀り♪中小型株対象の新指数算出開始へ、候補銘柄をチェック!(藤井明代)

(木)

 足元のマーケットでは目新しい材料に乏しい中、中小型株に投資資金が向かっています。新興市場のJQ平均は3月9日時点で20日続伸となり、連日で約13年ぶりの記録を更新、株価水準も約25年ぶりの高値を回復しています。また規模別指数の小型株指数も同様に約25年ぶりの水準を回復し、東証2部指数は連日で最高値を更新する強い動きをみせています。
  下記チャートに示すように、米大統領選が行われた昨年11月9日以降から年末までは日経平均の高パフォーマンスが顕著でしたが、今年に入り潮目が変わっています。年初から日経平均がもみ合いレンジ内で推移している他方、マザーズや2部指数は日経平均を大きく上回る推移が続いています。またJQ平均も緩やかな上昇を続け、足元の連騰で日経平均を超えるパフォーマンスとなっています。

【日経平均とその他指数の比較チャート】

日経平均とその他指数の比較チャート

  • 2016年11月9日を100とした相対チャート
  • 2017年3月8日までの終値データ、Astra Managerを基にカブドットコム証券作成

 中小型株に関心が集まる中、3月13日からは中小型株を対象とした新たな指数「JPX日経中小型株指数」が算出されます。この新指数は日本経済新聞社と東京証券取引所が共同で開発し算出するもので、時価総額や出来高に加えて、過去3期の平均ROE・累計営業利益などの定量的側面、社外取締役・IFRSなどの定性的側面から銘柄を選出します。構成銘柄数は200銘柄となり、昨年12月には候補銘柄が公表されています。
 これまで中小型株を対象として資本の効率性や財務状況の観点で銘柄選定を行う指標は一般的でなかったことから、個人投資家の銘柄選定に役立つ指数となりそうです。
 今回は候補となる200銘柄の中から、時価総額上位50銘柄をピックアップ。選定基準に営業利益が加味されていることから、今期の予想営業利益伸び率も併せてご紹介していきます。

【中小型株指数候補銘柄(時価総額上位50銘柄)】

中小型株指数候補銘柄(時価総額上位50銘柄)

  • 候補銘柄は2016年12月14日の日経データ
  • 2017年3月8日終値データ、連結優先ベース
  • Astra Manager、東証、日経プロフィルなどを基にカブドットコム証券作成

 新指数の候補200銘柄のうち、今期予想営業利益伸び率が最も高い銘柄はプリマハム(2281)で84.6%でした。次いでニチハ(7943)が53.3%、不二越(6474)が43.6%、日信工業(7230)が40.18%となり高い予想伸び率となっています。3月9日現在では、4銘柄とも5日・25日の短期移動平均線、そして200日の長期移動平均線を上回る推移を続けており、堅調な株価を辿っています。また、不二越や日信工業はJPX日経インデックス400とも重複採用されていることから、投資家の関心も高まりそうです。
  しかし冒頭で述べたように、足元では中小型株に資金の流入が続いていることから、やや過熱感も意識されるタイミングでもあります。新指数算出後のETFや投資信託組成による需給面のインパクトがどれほど好影響を与えるのか、採用銘柄の株価の動向に注目していきたいところです。



藤井明代

旬なテーマを深堀り♪ボリンジャーバンドからみる日経平均(藤井明代)

(金)

 3月2日の日経平均は19,564円(+171円)と3日続伸しました。注目されたトランプ米大統領の議会演説を無事通過したことで投資家に安心感が広がったほか、米国の早期利上げ観測が急速に強まったことで米長期金利上昇・ドル高円安が進行し、日本株式市場にもリスクオンムードが継続しました。しかし、1月4日につけた終値ベースの昨年来高値の19,594円にはあと一歩及ばすの水準で取引を終え、やや上値の重さが気になる展開となりました。他方、新興市場は底堅い推移を続け、マザーズは9日続伸、JQは15日続伸の記録を更新。JQは3月1日に節目の3000を回復し、連日で25年ぶりの高値を更新する強い動きを見せています。中小型株への資金流入が目立っていることからも、主力大型株には本格的な買いが入っていないことが読み取れます。

 現在の日経平均をボリンジャーバンドで確認すると、今年1月18日ごろからボリンジャーバンドがやや収束し、ほぼ横ばいで推移しています。下記チャート上の白線で囲ったように、日経平均も同時期からボックス圏内で推移していることがわかります。
 ボリンジャーバンドでは株価がボックス圏内にある場合にはバンド自体がサポート・レジスタンスラインとして機能する傾向が強いことから、上限ラインを上値メド、下限ラインを下値メドとしてみることができます。今回の場合でも3月2日に+2σにタッチしていることから、+2σの水準が1つの上値メドとなり、上値を抑えられている状態です。また、この水準は冒頭に示したとおり、昨年来高値の水準であるため、投資家の戻り待ち売りが出やすい価格帯ともいえます。そのため、上抜けするには今週から来週にかけて、戻り待ち売りを消化できるほどの好材料が必要になります。

【日経平均 日足ボリンジャーバンド】

日経平均 日足ボリンジャーバンド

  • kazuステーション、2017年3月2日終値データ

 今後は3日にイエレンFRB議長をはじめとするFRBの要人発言が相次ぎ、来週10日には米雇用統計の発表を控えています。特に米雇用統計は3月14日からのFOMCを前に、再利上げの有無を決定付ける経済指標となるため、重要視されます。どちらも大きな波乱なく金利上昇、ドル高が継続すれば、日経平均の一段高が期待できると思われます。チャート上では2ヶ月弱収束していたボリンジャーバンドが発散方向に向かい、トレンド転換できるかに注目です。2016年8~10月ごろにかけても、現在と似たボリンジャーバンドの収束とボックス圏での推移がみられました。その際は10月中旬頃にバンドが発散して上昇トレンドに転換し、+2σのバンドに沿って値動きをするバンドウォークを形成しています。今回も上値を抜ければ同様のバンドウォーク形成が期待されます。
 しかし、悪材料が出た場合にはバンドが横ばいに収斂したままボックス圏内にとどまる可能性があります。その際には、ボリンジャーバンドの-2σである18,824円辺りを下値メドとして意識しておきたいところです。
 まずはFOMCのブラックアウト期間を前に相次ぐFRB要人の発言にマーケットがどのように反応するか、そして国内では中小型株中心の物色動向が大型株主導にシフトできるかに注目です。



藤井明代

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