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旬なテーマを深堀り♪夏枯れアノマリーは本当?日経平均や新興市場指数の月別騰落からみる季節性(藤井明代)

(木)

8月夏枯れの要因は?過去の月間騰落率を指数別に検証

今週のマーケットは、海外ではバケーションシーズンに入り、日本でもお盆休みを控えて夏枯れが意識される展開となりました。例年、この時期は「市場参加者が減少し、株安・円高が進行しやすい」などのアノマリーが広がります。

特に「8月は日経平均が下落しやすい」とのアノマリーを耳にします。その主な要因の一つとして、為替市場でのドル安・円高進行が挙げられます。海外がバケーション入りすると債券市場で債券の新規発行が減少し、需給要因から債券価格が上昇する傾向がみられることがあります。債券価格の上昇は金利低下につながり、米長期債の金利低下につながります。すると、為替市場でのドル安・円高の材料となり、輸出企業の影響を受けやすい日経平均にとっての悪材料となります。
また、日本株式市場の売買シェアの約6割を占める外国人投資家がこの時期にバケーション入りすることで、マーケット全体の取引量の減少も意識されます。
その他にも9月末へ向けたヘッジファンドの解約売りが45日前にあたる8月中旬頃に入りやすいなどの思惑も重なり、日経平均が下落しやすいとのアノマリーが広がりやすくなります。

では、実際に日本株式市場に季節性が見られるのか、日経平均やその他主要指数の月別平均騰落率を検証していきます。
以下の図は、マザーズ指数が算出された翌年の2004年から2017年7月までの約13年間の指数別・月別平均騰落率をまとめたものです。

【指数別/月別平均騰落率(2004年~2017年7月までの月別平均)】

指数別/月別平均騰落率1

指数別/月別平均騰落率2

  • 2017年8月現在、Astra Managerよりカブドットコム証券作成

上記のデータにある通り、過去13年間の月別平均騰落率では、日経平均のみならず、TOPIX、JQ、マザーズの4指数で8月の下落率が最も高くなりました。また、2部指数は5月に次いで2番目に8月の下落率が高くなっています。

この結果から「8月は日経平均が下落しやすい」との噂は概ね事実であり、季節により騰落率に傾向が出ていることがわかります。また興味深いのは、マザーズ指数の下落率の高さです。同指数は変動率も高いですが、8月の下落率は-4.6%と相対的に下落率の高さが目立ちます。マザーズなどの新興市場は個人投資家の影響を受けやすいため、8月は個人投資家も警戒感を持ってマーケットに臨んでいる可能性が高いと思われます。

もっとも、マザーズ指数は組み入れ上位数銘柄の影響を大きく受けやすいことや、検証した騰落率は平均値であるため、下落率が高い年の影響が反映されやすくなります。そのため、必ずしも8月に下落するのではなく、下落時の値幅が大きくなりやすい傾向がある点をご参考いただければと思います。



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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪ドル円相場の行方は?ユーロの動向にも注目(藤井明代)

(金)

上値の重いドル円、ユーロ高の影響も!?

20日までの日経平均は、2万円台を挟んだ膠着状態が継続しました。為替市場でのドル高・円安一服を背景に日経平均の上値は重く、2万円より上を積極的に追う動きは限定的となりました
ドル円相場は、先週末に発表された米6月消費者物価指数や小売売上高などの経済指標が予想を下回ったことからドル売りが進み、足元では1ドル111円台に押し返されています。

直近数ヶ月のドル円相場を確認すると、3月中旬から現在まで、約1ヶ月の周期で高値と安値を付け、規則性のある推移を辿っています(図1)。3月10日に1ドル115.50円の円安水準を付けた後は円高方向に押し戻され、4月17日に108円台、そして5月11日には114円台の円安、6月14日には再び108円台の円高とBOX圏での推移となっています。この値動きがしばらく続くと仮定すると、直近高値の1ドル114.49円が目先の高値となり、8月頃まではやや売り圧力が意識される可能性がありそうです。
次にチャートパターンをみると、4月17日の安値と6月14日の安値でダブルボトムを形状したものの、7月11日に114円半ばより上に進むことができず、円安転換のタイミングを逃しています。
現在のドル円相場は75日移動平均線を下値に持ちこたえている状況です。短期的には、75日移動平均線を維持できるか否かが注目ポイントとなりそうです。

【図1:ドル円 日足チャート】

ドル円日足チャート

  • 2017年7月21日11時現在、kabuステーションよりカブドットコム証券作成

ドルの上値が重い要因には、米国の金融政策を巡る思惑以外にも、ユーロ相場の動向が影響していることが考えられます。
図2に示す通り、足元のユーロドルの動きを確認すると、4月下旬に窓を空けてユーロが伸長して以降、急速にユーロ高が進行しています。4月下旬は仏大統領選第1回投票が行われ、マクロン氏とルペン氏が決選投票に進出したタイミングです。決選投票にこの2候補が進んだことで、欧州主義者であるマクロン氏が勝利するとの思惑から安心感が広がりました。これを主因として、為替市場ではユーロ高が進行。また、6月下旬からは欧州も金融政策正常化へ向けた転換が始まるとの思惑が広がり、これもユーロ高に拍車をかけました。ユーロドルは6月27日に大陽線をつけ、1.12台から1.13台まで急速にユーロ買いが進み、その後もユーロ高が継続しています。

【図2:ユーロドル 日足チャート】

ユーロドル日足チャート

  • 2017年7月21日11時現在、kabuステーションよりカブドットコム証券作成

このようにユーロが強含むとユーロドルでドル安が進み、その影響でドル円相場でもドル安が進む要因となります。これが、足元でドルの上値を抑える一因になっていると考えられます。そのため、しばらくはユーロ動向にも留意しながら、ドル円相場を追っていく必要がありそうです。



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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪セキュリティ以外の次世代需要も!?進化する「顔認証」技術(藤井明代)

(木)

「顔認証」が羽田空港に導入、iPhoneへの搭載報道も

7月4日、法務省は顔認証システムを使った自動化ゲートを、10月にも羽田空港の帰国手続きで導入する方針を固めました。この報道を受け、翌営業日には法務省の実証実験に参加経緯のあるサクサHD(6675)が急動意。株式市場には顔認証の用途が広がるとの思惑から、時価総額の小さい関連銘柄も動意付く展開となりました。
また同日、複数の報道機関が米アップルの次期iPhoneで新たに3D顔認証が搭載されると報じました。アップルはTouch IDの代わりに顔認証を採用し、iPhoneのロック解除や決済・アプリ起動の認証などを行えるようにしてセキュリティシステムを改善する方針があることが分かりました。

顔認証は指紋認証などと比べ、3Dで立体的に照合することから偽造されにくく、利用者の受容においても抵抗感が小さいメリットがあります。またハンズフリーで照合できるため利便性も高く、障害を持つ方などにも利用しやすい特徴を持っています。
日本においては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向けて空港を含めたインフラ整備が急務となっています。空港での審査時間短縮以外にも、各種施設でのセキュリティ対策に顔認証や画像解析の活用が拡大することが想定されます。また、世界でテロが過激化していることから、公共安全への重要性が上昇しており、その対策としても今後大きな需要が見込まれそうです。

次世代マーケティングでも「顔認証」の活用が進む

顔認証技術は、防犯やテロといった物理的セキュリティ以外の分野にも活用が進んでいます。例えば、次世代マーケティングや決済サービスなどです。
次世代マーケティングでは、小売店前の通行量や顧客属性調査に加え、店内の密度・顧客導線・滞在時間・手に取った商品や検討している顧客の表情なども解析することが可能となります。また、接客時の笑顔度測定、デジタルサイネージでのターゲット広告など、身近なところで既に活用されています。
顔認証による決済サービスでは、昨年12月にNEC(6701)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)、三井住友カードが共同で実証実験を開始しており、手ぶらで決済可能なサービスの商用化を目指しています。
その他にも、顔認証技術とAI(人工知能)を利用した内視鏡検査の画像を認識するシステムの開発が進んでいます。実用化されれば、医師の経験に左右されない高精度の検査が可能となります。

今後もAIやビックデータなどの様々な技術との融合で、より高度化されたセキュリティや次世代マーケティングに活用が広がっていくことが見込まれます。
以下に顔認証関連銘柄とその取組みの一部をご紹介いたします。


【主な顔認証関連銘柄】
コード 銘柄名 市場 時価総額
(百万円)
特徴・開示情報など
7751 キヤノン 1部 5,061,632 2015年にネットワークカメラの世界最大手のアクシスコミュニケーションズを約3300億円で買収。防犯・監視以外にも、マーケティング用途などの開発を進める。
6645 オムロン 1部 1,086,908 顔認証アプリケーションを提供。ロボットなどでの活用のほか、画像センシング技術は次世代のマーケティング調査などに利用される。
6701 NEC 1部 773,606 国内外で評価の高い顔認証システムを提供。米国政府機関主催のベンチマークテストでは連続で第1位獲得。法務省の日本人出帰国審査における顔認証技術に係る実証実験に参加。
6457 グローリー 1部 259,109 顔認証システムを提供。スーパーや書店、大型商業施設、病院、ホテルなど、多くの業態で採用されている。顔認証技術等のバイオメトリクス関連の研究にも積極的に取り組む。法務省の日本人出帰国審査における顔認証技術に係る実証実験に参加。
3653 モルフォ マザーズ 27,361 独自技術の顔検出・補正技術を持つソフトウェアを提供。
6675 サクサホールディングス 1部 14,239 顔認証ソリューションを提供。自治体などへの導入実績あり。
9758 ジャパンシステム JQS 13,938 法務省の日本人出帰国審査における顔認証技術に係る実証実験に参加。会社側からは「進展なく、業績への影響可能性は低い」との説明が報じられる。
6627 テラプローブ マザーズ 11,055 新規分野として、顔認証技術に注目。NEC社製顔認証エンジン採用し、製品開発を行う。
3905 データセクション マザーズ 8,597 ディープラーニングを活用した笑顔による顔認証サービスを開始。今後は、様々な感情を解析し、従業員の評価や顧客満⾜度の判定及び、不審者の判定などを実施する新たなサービスを展開する方針。
4814 ネクストウェア JQS 5,104 NEC社製の顔認証システムを利用した「顔認証ハンズフリー入館実証実験」を開始。顔認証がもたらすさまざまな可能性の実現に向け実験を行う。
  • 2017年7月13日終値データ、時価総額順
  • 各社WEBサイト、各種報道、会社四季報、Astra Managerなどを基にカブドットコム証券作成


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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪日経平均は短期デットクロスを形成、今後は一目均衡表の雲に注目(藤井明代)

(金)

欧州発の金利上昇、日本株の物色にも変化

今週の日経平均株価は19,929.09円と、週間ベースで104円下落し、2万円の大台を割り込んで取引を終えました。国内の材料に乏しい中、北朝鮮を巡る地政学リスクが懸念されたほか、米国や欧州などで金融政策の正常化へ向けた動きが加速するとの懸念が重荷となりました。
特に、6月27日にECBの年次フォーラムでドラギ総裁が「すべての兆候はユーロ圏の景気回復の強まりと広がりを示している、デフレ圧力はリフレに変わった」と語った以降、欧州の金融緩和策縮小に対するマーケットの反応は過敏になっています。7月6日には、6月開催分のECB理事会の議事要旨を受けて、改めて金融政策の正常化へ向けた議論が進むとの観測が強まり、欧州国債利回りが軒並み上昇し、世界の金利上昇へ波及しました。

日本株式市場では、これまで相場をけん引してきた内需系銘柄が急速に売られ、金利上昇の恩恵を受けやすい保険・銀行株などが買い戻される動きが継続しました。
日経平均の日足チャートをみると、6月20日の高値20,318.11円を付けてからローソク足で陰線をつける日が多くなり、やや調整含みの動きとなっています。7月6日には5日移動平均線が25日移動平均線を上から下へ抜けるデットクロスを形成しました(図1)。加えて25日線は上昇後に下向きに転じ、ローソク足(株価)も両線を下回っている状態です。そのため、短期的な売りシグナルが点灯したと捉えることができます。

【図1:日経平均株価 日足チャート】

日経平均株価 日足チャート

  • 2017年7月7日現在、kabuステーションよりカブドットコム証券作成
日経平均テクニカル分析

次に日経平均の一目均衡表を確認します(図2)。一目均衡表では、7月6日にローソク足が相場の基準として判断する基準線を下回りました。また、遅行線もローソク足を下回ってきており、短期的に弱い相場に転換してきていると読み取ることができます。一方で、基準線はまだ上向きを維持していることから、売り転換と判断するには時期尚早かもしれません。

来週以降は、ローソク足とそのすぐ下に位置する雲(先行スパン1)の動きに注目しています。ローソク足は雲の上に位置する場合は上昇トレンドと捉えることができます。
この雲は抵抗帯ともいわれ、その雲が厚ければ厚いほど抵抗の強さを表します。雲は6月9日から12日にかけてねじれが発生してから、徐々に厚さを増しており、抵抗の強さも増しているとみることができます。
現在、先行スパン1は19,729.24円で推移しています。来週はこの値を下値メドとして反発し、短期的な上昇トレンドを継続できるかに注視したいところです。仮にローソク足が雲の中に入った場合には、雲の厚さゆえに雲を抜けられないもみ合い状態が継続することも考えられます。

ローソク足が雲の上を保てるか否か、これにより日経平均が2万円を維持できるかの方向性も左右していきそうです。

【図2:日経平均株価 一目均衡表(日足)】

図2:日経平均株価 一目均衡表(日足)

  • 2017年7月7日現在、kabuステーションよりカブドットコム証券作成


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