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旬なテーマを深堀り♪IoT時代の到来、IoT関連銘柄50社をピックアップ(藤井明代)

(木)

急速に拡大するIoT、IoTデバイスは20年に2倍へ

 急速に拡大するIoTの時代が本格的に到来しつつあります。IoTとはInternet of Thingsの略で、一般的に「モノのインターネット」と訳されます。今までネットワークに接続していたPCやスマホなどの情報機器だけでなく、あらゆるモノがネットワークと繋がり、モノ自体が情報を受発信して相互に制御をする仕組みです。その技術の低廉化・高機能化などを背景に、身近な活用事例も増加しています。例えば、交通機関でのバスの運行状況把握、ウェアラブル端末での健康促進、ポットやコーヒーマシンなど家電のスマホ連携、農業の生産管理などが挙げられます。また、産業界では工場の生産性・効率性の向上にIoTを活用する事例も増加しています。
  総務省が公表する「平成28年版情報通信白書」の世界のIoTデバイス数の推移では、2015年のIoTデバイス数は約153億個に上り、前年比で15.7%の高い成長率となりました。また2016年から2020年までの年平均成長率の予測でも14.6%の成長予測となっており、2020年には304億個と2015年の約2倍に上る見込みとなっています(図1)。
 分野・産業別のIoTデバイス数及び成長率では、特に自動車や産業用途での成長率が突出しており、2020年までの成長率は年平均で20%を超える見込みです(図2)。

     【図1:世界のIoTデバイス数の推移及び予測】

図1:世界のIoTデバイス数の推移及び予測

  • 出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)
     【図2:分野・産業別のIoTデバイス数及び成長率】

図2:分野・産業別のIoTデバイス数及び成長率

  • 出典:「平成28年版情報通信白書」(総務省)

 こうした予想から、産業界は今後数年間で大きく変化を遂げることが予想されます。さらに、IoTを支えるAI(人工知能)、次世代通信システム、クラウド、ビックデータなどの技術革新を受け、産業界以外でも医療や軍事・宇宙・航空など幅広い分野でIoTが拡大し、その動きも世界全体で活発化することが想定されます。
 日本企業においても関連銘柄は広がりを見せており、昨年に続き相場テーマとして年初からマーケットを賑わしています。今後も市場規模の拡大を背景に、引き続き有望テーマとして一層注目を集めそうです。
 以下に主なIoT関連銘柄50社と、業績面から今期・来期ともに2桁増益予想となる銘柄をスクリーニングしてご紹介いたします。下記銘柄以外にも、IoT機器の普及に伴うセキュリティ対応が急務とされており、セキュリティ関連なども有望な投資先となりそうです。

主なIoT関連銘柄50社(四季報データよりピックアップ)
no コード 銘柄名 市場 業種 PER(倍) PBR(倍) 時価総額
(百万円)
3期以上
連続増収
経常増益
1 1973 NECネッツエスアイ 1部 情報・通信業 13.4 1.16 107,810
2 2130 メンバーズ 2部 サービス業 23.9 3.63 7,622
3 2317 システナ 1部 情報・通信業 18.3 3.03 48,723
4 3694 オプティム 1部 情報・通信業 85.9 17.07 37,316
5 3724 ベリサーブ 1部 情報・通信業 17.5 2.56 15,624
6 3733 ソフトウェア・サービス JQS 情報・通信業 12 1.90 29,141
7 3742 ITbook マザーズ 情報・通信業 80.5 29.88 6,694
8 3756 豆蔵ホールディングス 1部 情報・通信業 16.3 3.06 19,068
9 3774 インターネットイニシアティブ 1部 情報・通信業 27 1.23 83,473
10 3776 ブロードバンドタワー JQS 情報・通信業 44 1.75 13,463
11 3788 GMOクラウド 1部 情報・通信業 34.4 3.49 15,750
12 3798 ULSグループ JQS 情報・通信業 21.5 2.28 9,266
13 3817 SRAホールディングス 1部 情報・通信業 11.7 1.72 39,380
14 3843 フリービット 1部 情報・通信業 82.5 2.05 21,752
15 3853 インフォテリア マザーズ 情報・通信業 78.4 4.27 12,199
16 3857 ラック JQS 情報・通信業 19.7 3.38 30,579
17 3858 ユビキタス JQS 情報・通信業  - 3.83 10,643
18 3913 sMedio マザーズ 情報・通信業 109.1 2.51 4,149
19 3914 JIG-SAW マザーズ 情報・通信業 293.7 47.79 44,089
20 3916 デジタル・インフォメーション・テクノロジー 2部 情報・通信業 38.7 7.09 13,936
21 3918 PCIホールディングス 1部 情報・通信業 22.9 3.04 9,623
22 3920 アイビーシー 1部 情報・通信業 43.2 3.98 5,444
23 4062 イビデン 1部 電気機器  - 0.83 225,236
24 4687 TDCソフトウェアエンジニアリング 1部 情報・通信業 13.9 1.66 14,541
25 4739 伊藤忠テクノソリューションズ 1部 情報・通信業 17.5 1.90 354,840
26 4748 構造計画研究所 JQS 情報・通信業 15.1 3.79 14,709
27 4813 ACCESS マザーズ 情報・通信業 336.7 0.94 27,387
28 4828 東洋ビジネスエンジニアリング 1部 情報・通信業 25.8 2.56 9,042
29 6050 イー・ガーディアン 1部 サービス業 39.6 10.87 18,822
30 6134 富士機械製造 1部 機械 20.9 0.97 135,290
31 6137 小池酸素工業 2部 機械 7.8 0.47 13,795
32 6141 DMG森精機 1部 機械  - 1.74 193,566
33 6199 セラク マザーズ サービス業 34.3 6.52 11,681
34 6301 小松製作所 1部 機械 27.6 1.78 2,625,771
35 6501 日立製作所 1部 電気機器 15.8 1.21 3,178,969
36 6634 ネクスグループ JQS 電気機器  - 1.72 7,064
37 6639 コンテック 2部 電気機器 11.6 0.71 5,273
38 6662 ユビテック JQS 電気機器 84.9 2.09 6,266
39 6814 古野電気 1部 電気機器 19.1 0.65 23,283
40 6826 本多通信工業 1部 電気機器 14.9 1.56 15,491
41 6836 ぷらっとホーム 2部 電気機器  - 2.16 2,440
42 6840 AKIBAホールディングス JQS 電気機器 269.7 2.57 2,703
43 6850 チノー 1部 電気機器 25.8 0.73 10,669
44 6916 アイ・オー・データ機器 1部 電気機器 11.1 0.75 18,089
45 7467 萩原電気 1部 卸売業 9.3 0.70 17,634
46 7537 丸文 1部 卸売業 20 0.46 19,355
47 7587 PALTEK 2部 卸売業 80.5 0.87 8,366
48 8157 都築電気 2部 卸売業 6.8 0.35 15,664
49 9640 セゾン情報システムズ JQS 情報・通信業 10.1 3.40 20,347
50 9995 ルネサスイーストン 1部 卸売業 20.8 0.65 14,614
  • 株価データはAstra Manager、2017年1月19日終値データ、銘柄コード順
  • PER・PBRは連結優先
  • 会社四季報、QUICKデータ、各社WEBサイトなどを基にカブドットコム証券作成
今期・来期ともに2桁経常増益予想企業(QUICKコンセンサス)
no コード 銘柄名 市場 決算期
(今期)
今期経常
伸び率予想
決算期
(来期)
来期経常
伸び率予想
特徴(四季報より抜粋)
3 2317 システナ 1部 2017年3月 17.36% 2018年3月 11.69% 主力のソフト開発支援は車載・航空管制・IoT関連が好伸。
4 3694 オプティム 1部 2017年3月 31.54% 2018年3月 22.99% 【IoT用OS】 マイクロソフト、オムロンなど48社と提携し拡販。タブレット端末、カメラ、スマートウォッチを活用した高齢者向け在宅医療サービスを今期中に開始。
5 3724 ベリサーブ 1部 2017年3月 12.21% 2018年3月 11.03% 18年3月期は自動車関連高原、IoT関連が伸びる。【新サービス】 16年9月よりIoT製品のセキュリティ支援サービスを開始。
8 3756 豆蔵ホールディングス 1部 2017年3月 18.07% 2018年3月 10.47% 【IoT】 自販機の販売データ活用した需要予測や、首輪内蔵の発信器で迷い猫の位置特定など案件活発。関連資格者も増強へ。
12 3798 ULSグループ JQS 2017年3月 10.70% 2018年3月 11.11% 18年3月期は既存顧客に加えIoTなどでも新規案件着実。
14 3843 フリービット 1部 2017年4月 24.81% 2018年4月 33.33% 近距離無線ベンチャーに出資、IoT事業拡大。
21 3918 PCIホールディングス 1部 2017年9月 13.03% 2018年9月 26.80% 自動車、家電などの組み込みソフト開発が主力。IoT開発も手掛ける。【参入】 半導体設計会社を約6億円で買収。IoT分野でソフトとデバイスのシナジー狙う。神戸市のバス位置情報実証事業の実績生かし車載IoT技術の普及図る。
  • 2017年1月19日時点、銘柄コード順
  • 会社四季報、QUICKデータを基にカブドットコム証券作成


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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪勢いを増すネットショッピング、支出1位は「旅行関連費」(藤井明代)

(木)

ネットショッピングを利用する世帯は右肩上がりに上昇、最も割合が高い「旅行関係費」

 当レポート内でも何度か取り上げているEC(電子商取引)サービス。2015年10月のレポート「急成長のEC市場、恩恵を受ける決済サービス」で取り上げたように、ECの市場規模は急速に拡大し、EC関連サービスも広がりを見せています。経済産業省公表の「平成27年度電子商取引に関する市場調査」では、BtoCの国内EC市場規模は13.8兆円と前年比7.6%増と成長を続けています。また、EC化率もBtoCでは4.75%と増加傾向にあり、商取引の電子化が進展しています。こうした背景の下、今回はネットショッピングに着目し、中でも支出総額の割合が最も高い「旅行関連」にフォーカスを当てていきます。

 総務省公表の「ネットショッピングの実態を探る」調査によると、ネットショッピングを利用した世帯の割合は家計消費状況調査が開始された2002年から2015年まで上昇を続け、2015年は2002年比で5.2倍にまで増加しています(図1)。また、ネットショッピングの項目別支出割合(年間)では、最も支出の割合が高いのが旅行関係費で21.8%となっています(図2)。これに次いで割合の高い食料品は14.3%、衣類・履物は10.7%と、他項目と比較すると旅行関係費の割合が高いことが分かります。

     【図1:ネットショッピングを利用した世帯の割合の推移】

図1:ネットショッピングを利用した世帯の割合の推移

  • 総務省統計局「家計消費状況調査」よりカブドットコム証券作成
     【図2:ネットショッピングの項目別支出割合(2015年/二人以上の世帯)】

図2:ネットショッピングの項目別支出割合(2015年/二人以上の世帯)

  • 注1 旅行関係費:「宿泊」、「運賃」及び「パック旅行費」の合計
  • 注2 教養関係費:「書籍」、「音楽・映像ソフト、パソコン用ソフト、ゲームソフト」、「デジタルコンテンツ」及び「チケット」の合計
  • 注3 保健・医療:「医薬品」及び「健康食品」の合計
  • 注4 その他:「自動車等関係用品」及び「上記に当てはまらない商品・サービス」の合計
  • 総務省統計局「家計消費状況調査」よりカブドットコム証券作成

 また、別の平成 26年全国消費実態調査では、航空運賃(航空券の購入)は4割以上がネットショッピングによる購入であることが明らかになっています。インターネットやスマートフォンなどの普及を背景としたサービス拡充、利便性の向上が旅行関係のEC増加に貢献していると考えられます。今後においても、様々な旅行関連のネットビジネスモデルが広がりを見せれば、ネットを活用したネット旅行の市場規模も拡大することが予想されます。
  加えて、今年2月24日から経済産業省などが月末金曜日の消費を喚起する「プレミアムフライデー」を開始する予定です。働き方改革の促進に加え、こうした官民連携の取り組みも旅行関連業界の追い風になる可能性があると考えています。
 以下にネット旅行関連銘柄、そしてEC普及で恩恵を受けそうなECシステム関連銘柄をご紹介いたします。

主な「ネット旅行」関連銘柄
コード 銘柄名 市場 業種 連結優先
PER(倍)
連結優先
PBR(倍)
時価総額
(百万円)
特徴
9603 エイチ・アイ・エス 1部 サービス業 15.6 2.36 209,680 格安航空券で先駆。個人の自由旅行に強く、海外旅行取扱高2位。
6191 エボラブルアジア マザーズ サービス業 73.1 19.08 43,441 航空券の予約サイト「空旅」主力、国内に特化。
9726 KNT-CTホールディングス 1部 サービス業 34.1 1.71 41,008 旅行業界2位。
3926 オープンドア 1部 情報・通信業 57 10.24 31,989 国内外格安旅行の比較サイト「トラベルコ」が柱。若い女性利用多い。
6030 アドベンチャー マザーズ サービス業 87.1 17.38 20,919 航空券の比較予約サイト運営「スカイチケット」、国内航空券が主力。
2477 比較.com マザーズ サービス業 24.5 3.36 7,422 商品・サービス比較サイト運営。宿泊施設に予約管理システム販売。ホテルのネット予約事業も。
6634 ネクスグループ JQS 電気機器 - 1.64 6,718 子会社がネット旅行の「e-旅net」運営。
  • 株価データはAstra Manager、2017年1月11日終値データ、時価総額順
  • 各社WEBサイト、会社四季報などを基にカブドットコム証券作成
主な「ECシステム」関連銘柄
コード 銘柄名 市場 業種 連結優先
PER(倍)
連結優先
PBR(倍)
時価総額
(百万円)
特徴
8056 日本ユニシス 1部 情報・通信業 15.9 1.70 162,192 SI大手。ECソリューションを手がける。旅行関連が旺盛。
4726 ソフトバンク・テクノロジー 1部 情報・通信業 23.5 3.14 39,114 ECサイトの運営代行から、デザイン、マーケティングなどワンストップ提供。
3371 ソフトクリエイトホールディングス 1部 情報・通信業 17.9 2.55 18,624 eコマースサイト構築エンジン「ecbeing」の提供から、SI・PC販売まで幅広く展開。
3690 ロックオン マザーズ 情報・通信業 76.1 12.76 15,227 インターネット広告の運用サポートサービスを提供。ECサイト構築関連も。
3633 GMOペパボ JQS 情報・通信業 - 9.15 9,592 個人向けレンタルサーバーサービスが主、ネット店舗構築・販売支援を強化中。
3655 ブレインパッド 1部 情報・通信業 58.5 7.44 9,367 企業データを分析し販促に活用するデータマイニング提供に強み。関連ソフト開発や販売も。自社製品のECサイト向け商品推奨ソフトが件数堅調。
  • 株価データはAstra Manager、2017年1月11日終値データ、時価総額順
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藤井明代

旬なテーマを深堀り♪昨年の騰落率ランキングから今後の物色テーマを探る(藤井明代)

(金)

2017年大発会は幸先の良いスタートに

 明けましておめでとうございます。
 2017年最初の「旬なテーマを深堀り」レポートとなります。本年もよろしくお願い申し上げます。

 2017年大発会の日経平均は、479円高と大幅反発となりました。大発会としては4年ぶりの上昇となり、幸先の良いスタートを切りました。トランプラリーの継続や連休中に発表された良好な海外指標などを好感し、投資家心理が改善。日本株式市場は景気敏感株のほか、中小型銘柄が買い進まれました。
 日経平均は大発会の大幅高の後、1月5日から6日にかけて続落となりましたが、週間では約340円上昇したほか、JQ指数は4日続伸、マザーズも4日連続で陽線をつけるなど、マーケット全体で堅調な動きをみせました。特に中小型株への物色は旺盛で、昨年に続きAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、自動運転、5G(第5世代移動通信システム)関連銘柄などへの物色が目立ちました。

昨年の騰落率ランキング、2017年の物色テーマは?

 昨年1年間の個別銘柄の騰落率上位ランキングでは、昨年前半終了時点のランキングに引き続き、「情報・通信業」が多くランクインしています。この背景には製造業・非製造業ともに人手不足や生産性向上が課題となり、技術の発展とともに様々な分野でIT活用が拡大していることが挙げられます。騰落率上位にはAIやIoT、VR関連銘柄などが目立ったほか、年前半には見受けられなかった半導体大手や電池関連銘柄がランクイン。日本の大手企業の研究開発費でもIoTやロボット、AI、高度運転技術、半導体関連などが重点分野となっており、先端研究が進むことが想定されます。そのため、2017年も引き続き上記に挙げたテーマなどを中心にマーケットを賑わすことが予想されそうです。
 一方、下位には小売やサービス業などインバウンド関連銘柄が目立ちました。昨年11月以降のトランプラリーを背景に、為替市場でドル高円安が進行していることから、円安恩恵を享受するインバウンド関連銘柄が2017年にどれほど巻き戻しの動きを見せるかも注目ポイントとなりそうです。
 以下に昨年の騰落率ランキングをご紹介いたします。

【東証1部 2016年騰落率ランキング】

「東証1部」騰落率ランキング

【東証2部 2016年騰落率ランキング】

「東証2部」騰落率ランキング

【マザーズ 2016年騰落率ランキング】

「マザーズ」騰落率ランキング

【ジャスダック 2016年騰落率ランキング】

「ジャスダック」騰落率ランキング

  • Astra Managerを基にカブドットコム証券作成
  • 2015年大納会終値から2016年大納会終値までの騰落率ランキング(値付かずの銘柄などを除く)




藤井明代

旬なテーマを深堀り♪認知度向上進む「ワイヤレス給電」、広がる関連銘柄(藤井明代)

(木)

ワイヤレス給電とは?高まりつつある認知度

 ワイヤレス給電とは、電源ケーブルを使わずに無線で電気を供給することを指します。既に電気シェーバーや電動歯ブラシなど、ワイヤレス給電搭載の小型電気製品が普及しています。近年ではウェアラブル端末やスマホへの対応も進み、最近では米Appleが販売する「Apple Watch」に搭載されたことなどから、その認知度も向上してきています。「Apple Watch」の充電技術はAppleのMagSafeテクノロジーと電磁誘導充電を組み合わせたアイデアで、露出した充電接続部分はなく、マグネットで接続する仕様になっています。今後発売される新型「iPhone」にも、同様のワイヤレス充電技術が搭載されるとの観測も出ています。

ワイヤレス給電の需要拡大と普及

 今後は高効率・大電流給電などのワイヤレス給電技術の進化により、工場内での活用やEV(電気自動車)への搭載が進むことが想定されます。自動車分野ではEVの停車・走行中のワイヤレス給電に加え、自動運転技術の進化やコネクテッドカー普及に伴う車内でのスマホ充電の需要も拡大することが見込まれています。様々な先端技術革新と同時に、ワイヤレス給電においても巨大な市場に立ち上がる可能性が出てきています。
 ワイヤレス給電をグローバルに相互運用できるよう、技術や普及を推進する団体も発足しています。「WPC(Wireless Power Consortium)」や「AirFuel Alliance」がそれにあたります。WPCはワイヤレス給電の潜在的な可能性を理解するさまざまな業界の主要企業が所属するグループで、現在は世界の223社が参加しています。米クアルコム、フィンランドのNOKIA、オランダのフィリップス、韓国のLG社などに加え、日本企業でもTDK(6762)、ローム(6963)、東芝(6502)、パナソニック(6752)、キヤノン(7751)、日立マクセル(6810)、デンソー(6902)など複数社がメンバーになっています。同団体は「Qi(チー)」と呼ばれるワイヤレス給電の国際規格などを策定しており、日本企業も規格に準拠した製品の開発などを行っています。ワイヤレス給電関連事業へ注力する企業も増加しており、電気機器セクター以外の輸送用機器、建設、金属、情報・通信、不動産など様々な業界へ関連企業が広がりをみせる可能性がありそうです。
 以下に主な関連銘柄とその特徴や取り組みなどをご紹介いたします。

主なワイヤレス給電関連銘柄
コード 銘柄名 市場 業種 時価総額
(百万円)
連結優先
PER(倍)
連結優先
PBR(倍)
特徴・取り組み
9433 KDDI 1部 情報・通信業 7,916,513 13.7 2.17 2015年1月に資本提携を行った「オシア」社とともにワイヤレス給電システムの共同開発を行う。
6502 東芝 1部 電気機器 1,890,394 13.0 5.19 国際規格Qiに準拠したワイヤレス給電用ICの開発を行う。
6723 ルネサスエレクトロニクス 1部 電気機器 1,617,111 32.7 4.25 小型化、長時間駆動に大きく貢献する新しいワイヤレス充電ソリューションを開発。ワイヤレス給電の送電用ICと受電用ICを販売。
6762 TDK 1部 電気機器 1,071,715 20.0 1.73 ワイヤレス給電システム製品を開発・販売。2016年10月に同社と東芝がハイブリッド車(HV)やプラグインHV、EV向けの車載用インバーターを開発・製造する合弁会社「TDKオートモーティブテクノロジーズ」を設立。開発中のワイヤレス給電システムなどの製品ラインアップに車載用インバーターを加え、エネルギーユニットの事業拡大を図る。
1801 大成建設 1部 建設業 958,685 12.5 1.89 2016年3月、同社と豊橋技術科学大が走行中のEVに電化道路からワイヤレスで給電するシステムを使った屋外走行実験に成功。2022年に自動車専用道路での実証実験を目指す。
6963 ローム 1部 電気機器 748,376 59.3 1.05 ワイヤレス給電チップセットなどを販売。WPCのレギュラーメンバーとしてワイヤレス給電規格Qi規格の策定の段階から協議に参加。独コンチネンタル社と社内用のスマホのワイヤレス給電車載モジュール共同開発に乗り出す。
5801 古河電気工業 1部 非鉄金属 234,261 18.6 1.34 電装・エレクトロニクス部門で電界方式のワイヤレス給電システムの開発を継続して進める。
6622 ダイヘン 1部 電気機器 97,978 16.5 1.47 ワイヤレス給電システムの開発を行う。2014年12月からワイヤレス給電用の自社サイトを公開するなど注力。国際物流総合展2016(2016年9月)では、産業機器分野世界初 磁界共鳴方式のAGV用ワイヤレス給電システムを実演。
7404 昭和飛行機工業 2部 輸送用機器 38,210 43.6 1.17 輸送機器製造事業でワイヤレス給電システムを手がける。
4312 サイバネットシステム 1部 情報・通信業 20,898 43.5 1.53 コイルアンテナからシステム・回路までのワイヤレス給電システムを解析するためのトータルソリューションを提供。
1882 東亜道路工業 1部 建設業 18,374 11.1 0.53 2013年に日産(7201)と走行中にEVの充電ができる舗装システムの実験を実施。実道に敷設するための技術向上を目指す。
6864 エヌエフ回路設計ブロック JQS 電気機器 4,279 9.0 0.58 ワイヤレス給電用の部品・回路の測定機器を販売。
  • 株価データはAstra Managerより、2016年12月22日終値データ、時価総額順
  • 各社WEBサイト、各種報道資料、会社四季報などを基に作成


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